神社の多い土地だから、
ガキも神社で遊ぶ。
境内にはイチョウの木が植わっている。
ある日一本の木を見ていた。
幹の上のほう、ちょうど二階の窓くらいの高さに、
なにかが付いている、気がする。
子供の手を広げたより少し大きいか。
かなり古いものらしく、
全体に風化していて、色も幹にそっくりだ。
それは、明らかに人為的に取り付けられたものであり、
中央部には なにか を打ち付けている、太い釘の頭が見える。
恐ろしさに腰が抜けた。
藁人形 である。
数人の仲間を呼んだ。
いぶかしげに集まってきた連中も、正体に気づいた。
みなへっぴり腰で人形を指差し、口をぱくぱくさせている。
その高さから、
大人が 「はしご」 をかけて打ち込んだに相違なく、
その古さから、
少なく見積もって数年、あるいは十年以上たっているかもしれん。
本気の 藁人形 なのだ。
後ずさりして逃げかえった。
翌日の放課後、
クラスの大勢と見に行った。
人形はなかった。
ほかのイチョウの木も探したが、ない。
はずした痕跡もない。
あるいは位置が高いから、あとが見えなかっただけなのかもしれない。
ガキも神社で遊ぶ。
境内にはイチョウの木が植わっている。
ある日一本の木を見ていた。
幹の上のほう、ちょうど二階の窓くらいの高さに、
なにかが付いている、気がする。
子供の手を広げたより少し大きいか。
かなり古いものらしく、
全体に風化していて、色も幹にそっくりだ。
それは、明らかに人為的に取り付けられたものであり、
中央部には なにか を打ち付けている、太い釘の頭が見える。
恐ろしさに腰が抜けた。
藁人形 である。
数人の仲間を呼んだ。
いぶかしげに集まってきた連中も、正体に気づいた。
みなへっぴり腰で人形を指差し、口をぱくぱくさせている。
その高さから、
大人が 「はしご」 をかけて打ち込んだに相違なく、
その古さから、
少なく見積もって数年、あるいは十年以上たっているかもしれん。
本気の 藁人形 なのだ。
後ずさりして逃げかえった。
翌日の放課後、
クラスの大勢と見に行った。
人形はなかった。
ほかのイチョウの木も探したが、ない。
はずした痕跡もない。
あるいは位置が高いから、あとが見えなかっただけなのかもしれない。
うーん平和利用