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らじかのよかん

ふっ急になんかわかんないんですけど↑

傷痍軍入

2008年08月18日 | 身辺
広義では「戦争で傷を負った軍人」を指す訳だが、
おれの知っている傷痍軍入は、観音様の境内にいた。

地べたにゴザをしき、
揃いの白い衣装を着けて座っていて、
3人のトリオ編成である。

中央のヒトは、正座をし、両手を前についた前傾姿勢である。
無言で斜め45度を見つめたまま、微動だにしない。
左手は「ぐー」形に握っている。
右腕は、ひじから先が離断していて無い。
代わりにピカピカに光っているステンレス製はてな形(?)の手鉤を装着している。

黙っていては商売にならんから、鳴り物がある。
左のヒトが、折りたたみイスに座り、アコーディオンを弾いている。
だから両腕はあるわけだが、両の太ももから先が無い。
当然、ステンレス製の義足を着けている。
義足であることを強調するために、折りたたみイスに腰掛けているのだ。

右のヒトは、笛などを吹いている。
まっ黒めがね着用であって、お目が悪いのであろう。

説明書きには、
「自分たちは、旧帝国陸軍○○師団に所属していて、
昭和19年○月○日イソパール攻略作戦において名誉の負傷をしたものであり、
右に相違ございません」
などと書いてあった筈だが、
漢字が難しくて小学校低学年生にはよくわからない。

おれは芸が好きである。
だから彼らに祝儀をきりたい。
幸い説明書きの横には、祝儀受付箱が備え付けてある。

少年は十円玉をもって、いそいそと箱に入れに行く。
チャリーンと落とすと、3人がおじぎをする。

秀逸なのは中央の手鉤のヒトだ。
今、斜め45度の角度をもって前傾している上体を、
約5秒かけて60度程度まで更に前屈させる。
両のひじは、外側に突き出されたかたちだ。
その姿勢で2秒静止する。
再び5秒をかけて、上体をもとの45度に戻す。
その間、無言である。
視線も動かない。


これで十円は安いと思うんだよね。
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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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下町中で (Maitanist)
2008-08-18 21:30:20
あるときは浅草で ある時は上野のお山で

帝釈天でも一回見たかな?

同じトリオかは定かではないけど・・・
返信する
元締 (らじお)
2008-08-19 09:32:00
Maitanist くん

複数の組がゐたろうからねぇ。
でも、きっと同一の組を見てると思うよ。

ちゃんと親方ないし元締がゐて、
装束一式を貸与していたらしい、
ということを、両親、祖父母から聞いていてなほ、
芸として認めていた、のだろうね。おいらは。
返信する

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