・・・あの空の色を信じて・・・
あれから3ヶ月が経ち、
今なお多く残る壊れた家屋、折り重なって茶色く錆びた車
陸に打ち上げられた大きな船。
テレビで観たそんな光景を目の当たりにしたこともそうだったけど。
津波の海水が、そこまでの高さだったことを物語る
家々の壁に残る茶色のライン。
その高さに息をのんだ。
大人の身長をはるかに超え、
避難所の体育館では2階まで届く高さ。
道路を一本渡り、路地に入ると
一見、普通の生活を営んでるようにも思える街。
単純に考えても、その街全体が覆われてしまうような津波の水位を
想像しただけで息苦しくなってしまう。
その街の中で
力強く生きてる人たちがちゃんといてくれる。
それを確かめられただけでもよかった。
本当に・・・よかった。
100日法要を迎えた被災地を訪ね、
宮城県石巻市、多賀城市の避難所5ヶ所で出会えた、たくさんのかたたち。
避難生活を強いられてるかたも
それを支える行政・自衛隊・ボランティアのかたも
本当に頑張っていらっしゃいました。
短期間では何もできることなどなくて
ただただ、祈ることしかできない私たちにさえも
別れ際、
校舎の1階から4階の窓まで白いハンカチを翻し、
手を振ってくださった住民のみなさん、自衛隊のみなさん。
私の手を取り、ありがとうと涙を流してくださったおばあちゃん。
「もう涙も出なくなっていたけれど
今日は気持ちのいい涙が流せました」と
涙と笑顔の混じったお顔で話してくださったおばちゃん。
「報道では瓦礫と言われてるけど、私たちにとっては宝物だったんです。
そして、時が経つにつれ、心の中では本当に宝物なんです。」と
話してくださったおじさん。
朝、昼、晩の食事はいつ摂ったのかもわからない状況の中
カメラを構える時間なんて、正直なかったけど。
それ以上に
カメラを向けることなんてできなかった。
もういいと思った。
悲惨な状況を伝えるのは、もういいと思った。
帰る車中から見えた青空。
高速道路から見えた夕陽。
最後に見えたのは、水色と桃色の、包み込むような優しい空。
被災地のかたたちの頑張りをあらわしているような、応援しているような
あの空の色を
今日も明日もあさっても、信じていくよ。
http://www.youtube.com/watch?v=LvSoaZUy2TU&feature=related
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