まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

名古屋市市政資料館

2017-12-01 23:39:40 | 建物・まちなみ
名古屋の続き。

外へ出ると、もう午後の日差し。あぁ、もう2時か。5時半のバスで帰る予定なので、
ここからどこかへ地下鉄で移動するのも時間がもったいない。このまま歩いて市政資料館を見に行こう。


緑豊かな敷地に、シンメトリーなレンガ建築が建っていた。ネオバロック様式の壮麗な官庁建築。
うわぁ、中心部に市役所と県庁以外にもこんな大物近代建築があったんだな!


ここも今日はイベントをやっているらしく人々が出入りしていた。近づくと軽快なブラスバンドの演奏が聞こえてきた。


遠目で見るとすっかりきれいになっておりピカピカかと思ったが、近寄ると割といい感じで雰囲気がある。


おぉ!?建物に入るといきなり階段があってびっくり。2階がエントランスホールなのか。
さっき見た市役所や県庁舎とは違い、かなり敷居の高い感じがするな。

一方、階段の両脇には下へ降りる階段もあって、その奥は暗い地下室のよう、、、拘置所と書いてある!?
興味を引かれ、先にちょろっと見に入る。
この建物は現在市政資料館になっているが、1922(大正11)年に名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎と
して建てられたもの。ここは被告人を拘留しておくスペースだったんだな。。。
全国で8ヶ所設置された控訴院庁舎のうち現存するのは2ヶ所で、ここの他に1926(大正15)年築の
札幌控訴院がある。以前見たことがあり、あちらもとても印象深い建物だったな。

暗い半地下空間は簡素なつくりだが、中央が広場のような吹き抜けの階段ホールになっていた。


中央の階段は踊り場で左右に分かれ1階の廊下に繋がる。
手すりなど階段の装飾は妙に華奢で、拘置所フロアにあるのはどうも違和感があるが、、、
裁判が始まると被告人が呼ばれここから法廷に連れて行かれるのだろうか?それとも、判決が出て
晴れて無罪になった人だけがこの階段を上れるのだろうか?


そのさらに奥には、、、トイレの個室のようにドアが並んだ独房があった。
覗くと約一畳半の狭いスペースで、ドアには監視のための小さな窓と頑丈な鍵が付いている。
暗くて無機質で恐ろしい、刑務所のイメージそのもの。。。




奥には飾り気のない階段があり、手すりの角は全て丸められている。柔らかいデザインとも見えるが、
自傷防止のためだろう。

立派で威厳ある建物の外観、頭上でずっと聴こえている爽やかで誇らしげなブラスバンドの音色とは遠くかけ離れた、
リアルな感覚。。。ぼうず頭のような階段の手すりをなでながら、そのギャップにちょっとゾクッとした。

上へ行こう。2階のホールでしばし演奏を聴く。




中央階段の踊り場に陣取った高校生たちが吹き抜け空間に向かって演奏する。観客は2階の廊下と
3階の回廊からそれを見、聴く。パフォーマンスにちょうどいい造りだな!


ホールの正面にはステンドグラスがはまっており、天井はガラス張り。回廊に立つ列柱は大理石、、、ではない!?
これは漆喰を磨いてマーブル模様を手描きしたものだ。同じものを見たことあるぞ、青森の盛美館だ。
あそこの手描きマーブルよりはだいぶ上手いけれど(笑)。
柱の下半分は本物の石で上半分がこの大理石風仕上げになっている。面白いなぁ!


写真を撮りたいのだが、ブラスバンドの高校生が写るとNGと言われ、一番の見どころであるホールを
ほとんど撮れなかったのはちょっと残念。。。




3階の吹き抜けに面した会議室はいちばん豪華な部屋であり、資料をもとに創建時の姿に復原されたもの
であるが、重要文化財に指定されている。


建物内には小さな法廷がいくつもあり、裁判の様子が再現されている部屋もあった。名古屋市の市域の
拡張史やまちなみの変遷などの詳しい展示もあって面白いが、じっくり読んでいる時間もあまりないので
さらっと見ただけで出てきてしまった。。。


続く

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