ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

女峰山・黒岩尾根 

2015-06-03 19:43:29 | 登山(両毛・常総)

6月2日(火)

西参道バス停→行者堂→稚児ヶ墓→白樺金剛→黒岩(遥拝石)→おそらく竜巻山鞍部
→黒岩(遥拝石)→白樺金剛→稚児ヶ墓→行者堂→大猷院→西参道バス停


最寄駅5時29分発の東武スカイツリーラインに乗り
途中、東武動物公園駅で東武日光線に乗り換え、栃木駅で接続列車に乗りついで
東武日光駅に着いたのが7時36分だった。

東武日光駅前のバスターミナル1番乗り場から、7時45分発の奥細尾行きバスに乗車。
7時52分、西参道バス停で降りた。
西参道の入り口には、「ここから先 禁煙ゾーン」の立札が。
世界遺産になるのは、登録を含め、保存も大変なことなのだから、このくらいして当然だろう。
他の世界遺産でも、日光を見習って全面禁煙にしてほしいものだ。

西参道を行くと、右手に二荒山神社、左手に大猷院を見ながら進む。
大猷院に入ったことがまだなかったので、下山後、時間があったら見学しようと思い
看板を見ると、徳川家康の位牌が初公開だそうな。

行者堂に行く途中にある、空烟地蔵。
日光を開いたとされる勝道上人が、男体山に登ろうとして道を探していた時
地蔵尊が現れて導いたと言われている場所だそうだ。

西参道バス停から石畳の道と石段を、ゆっくり歩いて30分、行者堂に着く。
行者堂の階段を上がると、その裏手に、女峰山を示す道標が立っている。

行者堂周辺に咲く、フタリシズカ。

行者堂からは、植林帯を進む。

行者堂から30分、8時50分に林道と出合う。
林道の少し先に、女峰山を示す道標が立っており、そこからまた山道になる。

林道出合から歩くこと10分、殺生禁断境石という大きな石碑がある。

ここから先の道は、少々洗掘されているものの、歩きにくさはない。

洗掘された道を抜けると、わずかに咲き残っているレンゲツツジが目に飛び込んで来る。
この辺り一帯を見渡すと、様々なツツジの木があって、驚かされる。
黒岩尾根を訪れることにしたのは、ある方に、ツツジがすごいと教えらたからだった。
5月下旬から6月上旬に行けば、何かのツツジが見られるということだった。
だが、今年は5月に入ってから異様に暑かったせいか、季節の進み方が早く
まだ咲いているのは、わずかなレンゲツツジだけだった。

見晴らしも良く、高原情緒を感じられる風景を眺めながら、ルンルンと歩く。

9時34分、行者堂を出て1時間14分で稚児ヶ墓に到着。

周りには、ハナニガナが咲いている。

朝のスカッと晴れた天気はだんだん怪しくなってきて
日光の街は、ぼんやりとしか見えない。
どうやら気温がかなり上がってきているようでもあった。

汗だくになりながら歩みを進めると、標高が1200m付近になって
ヤマツツジが、まだ傷みもせずに、きれいに咲いている株がいくつかあった。
ツツジの最盛期に当たったら、それはそれは圧巻なのだろうなと思いを馳せる。

登山道は、高原状の場所を抜けると、カラマツ林の中を通る。

10時27分、稚児ヶ墓から53分後に、「水呑」と彫られた石標がある。

「水呑」の石標から9分で白樺金剛に着く。
ここの標高が1397.9mで、西参道バス停が620mなので
単純計算で、もう777.9mも登ってきたことになる。
昭文社発行の『山と高原地図 日光 白根山・高原山』では
黒岩尾根の地点取りが大まかで、コースタイムから自分の位置を把握するのが難しい。
若干、地図のコースタイムより早く歩いているということはわかっていたが
まさかこの後、自分のミスも加わって、とんでもないところまで登ってしまうとは思わなかった。

地面から、首をもたげたばかりのギンリョウソウ。

せっかくの景色も、湧き上がる雲に遮られて、だんだん周囲は真っ白になってきた。

ここまではずっと林の中か、高原状の台地をゆるい傾斜で登り続けるだけだった。
ここにきて、ガレ場が出現。
これまでとはちょっと違う登りが楽しめたが、依然として傾斜が増すことはなく
とにかくひたすらダラダラと緩い傾斜で長い距離を登らされているのは変わらなかった。
高度を上げる登りが好きな私は、これに閉口した。
目指す黒岩(遥拝石)は、時間で計算するとまだまだ先だった。

ガレ場を上がった所は、八風と言うらしい。
こういう地点でも、地図のコースタイムを採ってもらえるとありがたいのだが…。

ガレ場がなくなると、ナガバモミジイチゴなどが咲いている。

そしてまたガレ場が現れる。
実は、ここを抜けた先に、この日の目的地である黒岩(遥拝石)があったのだが
コースタイムと比べると時間的に早すぎるという思い込みと
辺りは真っ白なのに、黒岩(遥拝石)からは雲竜渓谷が見えるはずとも思い込み
標識があったにもかかわらず、きちんと見ていなかったというミスまで重なり
その先へと進んでしまったのだった
だが、進んだ先には、とんでもないものがあったのだ
それが、これ。

ユキワリソウの群落だった

那須にもユキワリソウの咲く場所があると知ってはいたがまだ行ったことはなく
山でユキワリソウを見るのはこれが初めてだった。
もう、感激のあまり、長距離ダラダラ登りの疲れは吹っ飛んだ
ところが…、この後登山道は山の斜面を巻くようになり、途中鎖などもあって
自分でも、ちょっとおかしいなと感じ始めたところだった。

そこに現れた標識が、面白かった。
標識は面白かったが、やはり黒岩(遥拝石)がまだ現れないのは
いくらなんでもおかしいと、かなり懐疑的になりながら、それでもまだ歩いていた(バカ

この時点で、黒岩(遥拝石)当到着予定時刻より、まだ30分も余裕があったが
歩いた感じの距離感と、手前に聳える小ピークが、竜巻山(箱石金剛)のように思え
もし黒岩(遥拝石)を通り過ぎていたのだとしたら、帰りの時間が無くなることが心配になった。
そこに、竜巻山(箱石金剛)であろうピークを下りてくる人が見えたのだ
下りてきたその方に、マヌケ振り丸出しで
「あのー、黒岩(遥拝石)って、この先どのくらいで行けるのでしょう?」
と尋ねたのだった。
「え?遥拝石?遥拝石はもうとっくのとうに過ぎちゃってるよ。
  このままそこを登って林を抜けたら、もう唐沢小屋だよ。
  あんた、歩くのが早いんじゃないの?」
ガーン
目的地である黒岩(遥拝石)より先に進んでしまったということは
帰りの時間は、当初の計画より余計かかるということである。
日の長い時季でもあるし、計画にはかなり余裕を持たせていたが
もうこの時点で引き返すことに決心は揺らがなかった(もっと早く気付けばいいのに)。
慌てても仕方がないので、近くにあった岩に座ってパンをほおばり、
12時30分に来た道を引き返した。

ユキワリソウだけでなく、イワカガミも咲いている。

引き返した地点から20分後、12時50分にこの標識を発見。
往路に見た記憶はあるものの、「女峰山」という文字しか目に入ってこなかったことを思い出す。
ここが、もともとの目的地で、引き返すはずの黒岩(遥拝石)だった。
先ほどの人の話によると、朝晴れていた時は雲竜渓谷が見えて
渓谷には雲竜滝の白い瀑布も見えたということであった。
あとは長距離ダラダラ登りだった道を、長距離ダラダラ下りで一気に下りた。
行者堂に着いたのが15時だったから、引き返した地点から2時間30分かかった。
それでも、当初の下山予定時刻である15時30分よりは、30分早かった。

時間に余裕があったので、大猷院を見学して帰ることにした。
大猷院とは徳川三代将軍・家光の廟所=墓所である。

こちらは鐘楼。
権現造りの拝殿・相の間・本殿(国宝)。

そしてこちらが皇嘉門。
奥の院の入り口に当たり、明朝様式の竜宮造りで、「竜宮門」とも呼ばれているとのこと。
この門の先に、家光の墓所がある。


いや~、それにしても、よく歩いた1日であった。
カシミール3Dというソフトで、計算してみたら
歩行距離約15.8km、累積標高差(+/-)1518mだった
しかし、竜巻山(箱石金剛)の手前で、下りてきた人に会わなかったらと思うとぞっとする
会わなくても、時間が来たら引き返していたとは思うが
30分の余裕を見て、30分先まで歩いて行っていたかもしれない(バカ)。
おおいに反省



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