
先だって、徳島県西部の井川町に住む友人を訪ねた際、近くの駐車場にみごとに同じ車が多数集結しているのを発見。近づいてみると、小さなクラシックカーでした。車種は、1960年代初頭に生産が始まった「マツダキャロル360」。小さいながらも4ドア仕様もあり、クリフカット(リアウインドー部分をほぼ垂直にカットした形状)のきびきびしたスタイルが、なかなか格好いい。ナンバープレートから、香川県や高知県、京都など、県外からはるばるやってきたのが分かりました。オーナーの一人に話を聞くと「かつて大衆車であったけれども、いまやクラシックカーとしてなかなかの値打ちがある。なにより格好いいでしょう。水冷エンジンで、100km/hくらいはスピードも出せるのだよ」と。いい年のおやじさんたちが、それぞれの愛車を見せあい、時には後部についたエンジン部を開放して自慢している。その姿がまた、クラシックカーと調和が取れていて、絵にもなるし、格好良くも映る。そして別のオーナーは「このあと、みんなで祖谷渓谷にドライブするのです」と、うきうきと話してくれました。その雰囲気は、かつての青春時代を懐かしんでいるというよりも、いまこのときを青春している、新しく楽しんでいるといったほうが正解なのかもしれないと、そんなふうに感じました。