POPPO NEWS 2

徳島県内の旬をピジョンズ・パークが発信中。
イベントや祭り、自然、観光名所など、ふるさとの魅力満載!

行ってみたいな。二層うだつの町並み

2006年06月29日 | 徳島の町景
徳島県西部のつるぎ町、旧貞光町地区に「卯建(うだつ)」を上げた民家が並ぶ通りがあります。うだつの町並みといえば、映画やテレビの時代劇で撮影の舞台として全国的にも知られるようになった美馬市脇町のうだつの町並みをすぐにイメージする方も多いのではないでしょうか。ここ貞光のひなびた通りにも脇町のそれに負けない立派なうだつの家が並んでいます。ことに特徴的なのが、そのうだつの形状です。うだつとは、隣家からの延焼を防ぐため、1階の屋根の上に設けられた漆喰の白壁・防火壁で、後に美しい瓦を取り付けたうだつも創られるようになり、その高さが繁盛の証として競われるようになりました。貞光のうだつの歴史も同じですが、違うのはうだつの上にもう一段うだつを積み上げた「二層うだつ」と呼ばれるカタチです。江戸後期から大正時代にかけて造られた二層うだつの豪華さは、脇町のうだつに勝るとも劣らないもので、当時の町の隆盛を偲ぶことができます。細い通りを歩くと「旧永井家庄屋屋敷」や「旧商家・織本屋」などの有形文化財が保存され、無料で内部を見学することができるようになっています。つるぎ町貞光地区を歩けば、贅を極めた古い商家や繁華なにぎわいが去った代わりにしっとりと落ち着いた町並みに出合えます。

小神子海岸の渚を守りたい。

2006年06月27日 | 徳島の海景
徳島県内にあるいくつかの海水浴場では、今週7月1日(木)に海開き&イベントが行われるようです。まだ、梅雨明け宣言は聞いていませんが、もうすぐ夏本番。海を舞台にしたレジャーシーズンも幕開けですね。海と言えば、徳島小松島港本港地区(小松島市)の北側に小神子(こみこ)海岸があります。小松島市街から日峰山を挟んで目と鼻の先に、ひっそりと広がる小さな美しい入り江です。ここは海水浴場ではないため、海水浴客が大挙して賑わう場所ではありませんが、渚で遊ぶ人、釣り楽しむ人、砂浜を散歩する人などをポツリポツリと見かけます。時には、素潜りでウニを探しているおじさんに出会うこともあります。ただ、砂浜や山ぎわにボテボテと放置されている犬の糞の多さには閉口します。とてもお弁当など広げられたものではありません。やはり町の近くでは、人が管理して清掃していないとだめなのかもしれませんね。でも、海の水は澄んで渚をつくり、砂は白く、岩礁は波に洗われてキラキラと輝いています。

轟きが静けさを深める大釜の滝 その3

2006年06月24日 | 徳島の山景
岩をくりぬいただけのトンネル。中で車の離合は難しく、1台がやっと通れるひろさ。長さは100mくらいでしょうか。コンクリートによる内部の補強は見られず、そのまま洞窟を探検しているような気分になります。夏場など、涼を楽しむにはいいかもしれません。このトンネルの下に、大釜の滝はあります。

轟きが静けさを深める大釜の滝 本文記事は、↓下にあります。

轟きが静けさを深める大釜の滝 その1

2006年06月24日 | 徳島の山景
徳島県那賀郡那賀町(旧木沢村)に大釜の滝と呼ばれる水量豊かな名瀑があります。坂洲木頭川の支流、釜ヶ谷渓谷にあり、落差約20m、大量の水が勢いよく落下していきます。止めどなく落ち込んでくる水を受け止める滝壺は、長い年月をかけて底が掘られ、周囲を削られて、まさに大釜の様相。滝の周囲を、高さ約100mにも及ぶ断崖絶壁が取り囲み、滝壺から上を見上げると断崖の途中、頂上には広葉樹が生い茂り、緑を深めています。季節が移り秋ともなれば見事な紅葉の滝となり、雪が白く覆う冬は、滝壺を囲むように巨大なつららが飾ります。人家などありそうにもない山中に、瀑音をとどろかせているのに、まったくうるささは感じません。かえって、周囲の静けさをいっそう際だたせているくらいです。滝の側に立つと、どこからともなく「この滝は生きている」と、いった思いが心の中に膨らんできます。そんな不思議なチカラを持った滝です。

ブナの森を行く その1

2006年06月23日 | 徳島の山景
サッカー・ワールドカップ日本代表選手の皆さん、お疲れ様でした。決勝トーナメントへの進出は逃したものの、3試合ともいいゲームを見せてくれたと思います。また、次回の南アフリカでさらに強くなった日本の姿を今から楽しみにしています。それにしても、正直ブラジルは強いなぁ。さて、話は徳島県に戻り、県南部上勝町にある高丸山のをご存じでしょうか。西日本第二の高峰・剣山に連なる、標高約1438mの山。よく手入れされた登山道が頂上へ延びており、その歩きやすさから、ハイキングやトレッキング、登山を気軽に楽しむ人々に人気の山です。そしてもう一つ人気の秘密は、県内でも貴重なブナの原生林が広がる森の風景です。ここは、人と自然がともに生きていくことができることを証明する場所として、千年の森と名付けられ、保護が続けられています。新緑から深緑へと季節を移す太古の森。どうです? 歩いてみませんか?

謎の浮世絵師を追う その1

2006年06月17日 | 徳島の古刹・史跡
時代をさかのぼり、江戸時代中期を生きた謎の浮世絵師・東洲斎写楽。寛政6年から7年(1794~95)にかけて、約10カ月の間に能役者や力士をモチーフにした、それまでにはない似顔絵によるデフォルメ(個性描写)作品約140種を残し、忽然(こつぜん)と消息を絶ったと伝えられています。彼はいったい何者だったのか。諸説あるなかで、現在最も有力な説として紹介されているのが、徳島藩主蜂須賀候のお抱え能役者・斉藤十郎兵衛であり、役者業の傍らで絵師としての才覚も発揮したと言われています。写楽の残した浮世絵版画の多くは、海外に流出しましたが、明治43年(1910)にドイツ人のユリウス・クルト氏によって「SHARAKU」が出版され、世界的な肖像画家として脚光を浴びることになりました。その写楽が埋葬されていると言われるのが徳島市寺町にある東光寺です。実際にお墓の前に立つと「本当にそうかもしれない」と思えてくるのです。希代の浮世絵師が消えて200年余り、その名前と作品は多くの人に知られるようになりましたが、依然として謎は深まるばかりなのです。

川上画伯がNHK教育「きらっといきる」に出演!

2006年06月16日 | 徳島の暮らし・人
読者の皆さん! うれしい、うれしい大ニュースが飛び込んできました。今やピジョンズ・パークの広告塔となっていただいている色鉛筆画作家・川上和彦さんのTV出演が決定。すでに徳島の自宅アトリエほかでの取材を終え、残すは大阪でのロケのみとなっています。番組名は「きらっといきる」(NHK教育・毎週土曜・午後8時~8時30分放送)で、7月8日(土)の放送分とのこと。新しく家族に加わった介助犬「たんぽぽ」とのふれあいに焦点をあてた内容とのことですが、もちろん色鉛筆画作品の制作風景やたんぽぽとの買い物、家族の団らんなど、画伯の元気な暮らしぶりをかいま見ることができます。「テレビカメラが回ってると思うと、かなり緊張したよ。全国放送されるそうだし…でも、ピジョンズ・パークのPRはばっちりしておいたでぇ」と、撮影に緊張しつつも、当ホームページに心遣ってくれる彼のテレビ写りが、今から楽しみです。読者の皆さんも、ぜひチェックしてくださいね。
※写真は、川上夫妻とNHKの撮影スタッフの皆さん。「スタッフのみんなは、明るくて元気で、さわやかな若者たちでした」と、川上さん。
※川上画伯のギャラリーはこちら→http://pigeons-park.jp/POPPO-GALLERY/Kazuhiko%27s-art/art1.html

さて、本日はもう一つニュースがあります。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、新コーナーをアップしました。タイトルは「Motorcycle touring of miniature(ミニチュアバイクの旅)」です。もしも自分が1.75cmの背丈で、全長4.5cmのバイクに乗れたなら、世界は今よりずっと広がって見えるに違いない。そんな発想から新コーナーは生まれました。小さくなった分、スケールの大きな旅を楽しみ、小さな幸せをたくさん見つけてみたいと思います。どうぞ、ご期待、ご愛読ください。

※Motorcycle touring of miniatureのアドレス
http://blog.goo.ne.jp/fortune_777/

樫原の棚田で、ぼんやりにひたる。

2006年06月15日 | 徳島の山景
徳島も本格的に梅雨のシーズンを迎えたようで、朝から雨が降っています。雨の強さは、傘を差してもズボンの裾がぬれるほどでしょうか。この時期、湿気が多くなるとジトジトとして過ごしにくいですが、田んぼにとっては、恵みの雨です。ピジョンズ・パーク6月15日号の表紙の写真は、徳島県の山間部・上勝町樫原地区にある棚田です。山の斜面に土手を築き、水を張り、青々とした稲を植えた風景は、日本の棚田百選にも選ばれている景勝です。棚田は、緑のダムとも呼ばれ、降った雨が一度に斜面を流れ落ちることなく、ここに蓄えられ、じわじわと地中にしみこみ、あるいは山肌の植物を潤しながら少しずつ流れていきます。人と自然が折り合う場所、それが棚田なのです。そして、なぜなのか、うまい米がとれるそうです。なにより、この風景を前に、ボクたちはぼんやりできる。小さな幸せを感じます。一段高い場所に登り、棚田を見下ろしていると、時折、強い風が通っていきます。そんなとき、稲たちはざわざわと元気です。山肌を覆う棚田の水面に、何かの加減で日の光が反射すると、棚田の一枚一枚が、まるで銀輪であるかのように見えます。「ああ、大きな魚がうずくまっていたんだ」と、そんな錯覚も楽しいものです。

上勝町で巨樹を見上げる

2006年06月13日 | 徳島の山景
徳島県上勝町を走る幹線道・県道徳島上那賀線を、役場から約15kmほど西へ進むと、ほとんど民家は見えなくなり、周囲はよく手入れされた杉の山となります。県道は舗装されているものの、広くはなく、またカーブが多いため、それほど車のスピードをあげることはできません。そのため山際に建つ「センベルセコイヤ(日本最大)」と記さされた看板を見落とすことはないでしょう。この看板の背後に、幹周約4m、樹高約30mのアメリカ中央部を原産とする立派なセコイヤの木が立っています。セコイヤと呼ばれる木には、大きく3種類あるそうで、センベルのほかにメタ、ギカンといったものが知られ、とくに日本ではメタセコイヤがほとんど。そうした中でセンベルセコイヤの種は珍しく、またこれほどの大木には、なかなかお目にはかかれないといったようなことが、看板の説明を読むと書かれていました。枝打ちされ、まっすぐ天に延びた杉の木々を周囲に従え、その圧倒的な大きさで、森の主といった風格をまとう巨樹。その前で、人はただ見上げることしかできないのです。

眉山中腹に神武天皇像あり

2006年06月10日 | 徳島の古刹・史跡
徳島市のランドマークとして知られる原生林の山、眉山(標高277m)は、山頂からの眺望で観光の名所。その麓から頂上への道路や山道は、ウォーキングやジョギングのコースにもなっています。また山の北側中腹にサクラの名所があり、シーズンには花見桟敷が設けられ、毎年大変なにぎわいとなります。そこの広場に建っているのが「神武天皇像」です。日清戦争の記念として、明治30年に建立された銅像は、見当ですが約6mほどもあるでしょうか。銅像前に刻まれた碑によれば、神武天皇の銅像は日本に2体しかなく、阿波徳島と日向(宮崎県)のみとのこと。今、新緑を深める眉山で、徳島市内を睥睨(へいげい)して立つ神武天皇像は、風雨にさらされ重ねた時間の中で、重厚な風合いをいっそうまとっているように見えます。神武天皇像の足下まで車でも行けますが、眉山の麓・徳島市寺町の春日神社脇から石段の参道が延びています。これを辿っていけば、ゆっくり歩いて約10分で到達することができます。お弁当をさげて、ぶらりと出かけてみてはいかがですか?

瀑風吹き付ける轟の滝

2006年06月06日 | 徳島の川景
徳島県最南端の海陽町を流れる海部川は、知られざる清流とも呼ばれています。徳島県中央部を流れる四国三郎・吉野川や高知県の四万十川のような知名度はありませんが、水流豊富で四万十川に勝るとも劣らない水質を保ち、この川を知る人の多くは、川辺でキャンプやバーベキューを楽しんでいます。また魚種も多く、シーズンにはアユやアメゴ、ウナギ漁も盛んに行われています。その海部川の上流部にそそいでいる支流・カレイ谷になかなか見応えのある滝が落ちています。高低差約30mの轟の滝(とどろきのたき)です。滝壺を囲うように谷の両側から巨大な岩盤がせり出しているため、滝壺を見るためには、瀑風(ばくふう)に逆らって、流れの中を近づかなければなりません。ところで、この滝がある谷が王余魚(カレイ)谷と呼ばれる、こんな由来があるそうです。「昔、大きな津波が町を襲い、さらには海部川を伝い、轟の滝まで到達した。その際、轟の滝の淵で、流されてきたカレイが泳いでいたから」「昔、海陽町あたりを治めていたお殿様が轟の滝まで遊山に来た際、滝を見ながら食べたお弁当にカレイの料理が入っており、食べ終えた後に、魚の骨を水に投げたところ、それが泳いで去っていった」というもの。こうした伝説はおいて、現在でも、この滝は地元の人々の信仰を集めています。山に入るとき、何かの試験を受けるとき、どうしてもかなえたい願いがあるとき、人々はここで頭を下げるのだそうです。夏、滝のそばにある轟神社の祭りが行われます。男たちが神社から神輿を担ぎおろし、そのまま滝壺に入って禊(みそ)ぎを行う勇壮な祭りです。ぜひ、一度は見てみたいものだ、いや神輿を担いでみたいものだと、本気で思ったりするのです。