picnic on a frozen river

山登りの記録

2009.10.10-12 針ノ木岳-爺ヶ岳

2009-10-28 12:47:32 | ハイキング
飯豊に行く予定に行く計画が本州縦断の台風の影響が残るようでパス。次点の南アも林道崩壊で、アプローチ敗退のないルートを選択。前週が疲れる山行だったので今回は宴会です。まるおさん、まるこさん参加で、ちょっとだけひねったコースに行ってみた。




(10/10) 扇沢(06:30)-(07:30)大沢小屋-(09:50)針ノ木峠
(10/11) 針ノ木峠(06:40)-(07:26)針ノ木岳-(13:20)種池山荘
(10/12) 種池山荘(05:40)-(06:20)爺ヶ岳南峰-種池山荘(07:37)-(09:28)扇沢

(10/10) 前夜に東京を発ち扇沢の駐車場で前夜泊。既に混雑の始まったターミナルを横に見ながら歩き始める。あまり標高を上げない道を1時間程で大沢小屋に到着。そこからしばらくも緩やかな登りが続き、沢に出てしばらくしてから傾斜が出てくる。鎖場あり。雪渓は殆ど残っておらず(結局最後まで雪を踏まず)、霜の降りた冬枯れの風景の中、ガレた沢を詰めて行く。まだ残っているイチゴとブルーベリーが美味しい。


(扇沢から見上げる針ノ木峠)

2,300mあたりから給水できそうな枝沢を探しながら歩いたが見つからず。上部に小屋のある本沢から採水するのをためらっていたら、それも程なくして涸れた。まるおさんと二人で合計10Lは上げたのでなんとかなるかな。
テン場には10時に着いてしまい、時間があるから蓮華岳往復もと話していたら軽く吹雪いてきてしまった。暖かいテントから出られずに宴会になだれ込む。テントを叩く雪の音に明日の景色への期待が高まる。


(この時はまだ雪無し)


(10/11) テントから顔を出すと一面雪化粧だった。風が強いけれど今日の行程が早速楽しみ。自分は目出し帽、冬用の股引装備にも関らず手袋は薄手一枚のみで、風に吹かれる稜線では指を動かしていないと感覚がなくなってしまう。道は凍っていなかったので持ってきた軽アイゼンはとりあえず使わない。


(針ノ木山頂で自分の影に手を振る)


(剱もちょこっと顔を出してくれました)

針ノ木岳山頂では立山から大きな薬師岳、黒部五郎のカールまで晴れていた。でも剱はガスの中で、黒部湖から上がるガスでブロッケン現象がばっちり。先行していた写真の人は暫くここに居るようなので、踏み跡はここで消えておいしいところでトレース付けが楽しめることになる。しかし...ところどころ滑る足場に弱いので自分はまるおさんまるこさんから遅れ気味。急ぐ旅でもないし、危険もないので適当にバラけて歩いた。




(針ノ木-スバリは冬景色)


(人より雷鳥のほうが多い)

元々それほど登り下りの激しいコースではないけれど、スバリ岳を過ぎればかなり穏やかな楽な道になる。赤沢岳から先は稜線が東向きに変わったこともあり、尾根の南北ではっきりと季節が分かれる。


(稜線で季節が分かれる)

南斜面のトラバースは朝の寒気からは想像できないくらいに暖かく、北斜面に移ればエビの尻尾がキラキラと美しい。遠くに見えた種池山荘も後半は殆ど水平に近い道なので苦も無く距離を詰め、良い時間にテン場に到着した。テン場は整地が行き届いていてまったいらだけれど展望が利かないので、小屋前のテーブルで軽く宴会 - でもやっぱり寒いのでテントに入ってから2次会。
まるこさん食当はトルティーヤで何枚でもいける。
僕はツマミでジャガリコ使用のオムレツを作ろうとしたが、ジャガリコ一つに玉子3つではジャガリコ多すぎ。下界で要調整。




(トルティーヤはツマミ感覚でも食べられる)


(ジャガリコは1/3でいいかなぁ)


(10/12) 朝ごはんは生米から作るリゾットを頂いた。やっぱりアルファ化米より美味しい。爺ヶ岳への登山道は昨日の午後にでも一旦融けたのが凍っていていやらしくなっていた。アイゼン無しで南峰に登ると360度の絶景に巡り会える。八ヶ岳や南アも天気が良さそうだ。


(朝の鹿島槍)


(槍穂の眺め)

暫くのんびりしてから下山開始。テントを撤収し、半袖シャツで秋模様の柏原新道を下った。

2009.10.24 小川山

2009-10-26 21:08:41 | フリークライミング
週末は小川山でした。

東久留米06:20発、中津川林道経由で10:15に廻り目平着。テント設営後、妹岩に向かう。
2年前に登れなかったセンター試験(5.8)を無事RPの後、右奥のyamashi(5.10b)を見に行く。おぉ、登れそうってことで黒板五郎さんにヌンチャク掛けて頂いて、かつホールドスタンスの指導付きで、かなりあっさり目にRP。先週はB-Pumpで垂壁とスラブばっか登った成果か、足は上がるしカチで体が止まるしで楽しい。でも5.10bとなっているグレードは甘いのでは...。川上小唄再登で今日のフリクションが良いのを確認し、tmbさんにビレイをお願いしてリバーサイドのアウトオブバランス(5.9)を無事にRP - あぁ酒が飲める。何回も来ている訳ではないけれど、今までで一番岩の状態が良かった。無理にレイバックにしなくても足がずれないので全然腕の力を使わなかったよ。


(地味~にRPグレード更新)

夜の部の宴会は8時くらいから雨に降られ、お陰で小川山で多分初めてテント内で寝ることになった。
翌日は雨こそ上がったもののガスは晴れずモチ上がらずで、暫く焚き火でフヤけてからほったらかし温泉→塩山の菊亭→高速渋滞避けて140号で帰京しましたとさ。

結局、一度もテンション掛けるような登りをせずに終了。フリーなのに、複雑な気持ち。


(塩山なら菊亭)


2009.10.04 谷川岳・一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜

2009-10-17 10:26:40 | 岩登り
春に仕事の都合でキャンセルしてしまった谷川の南稜に行ってきました。

【メンバー】L.グレ子さん、Gil
【行程】(05:41)一ノ倉沢出合-(06:46)懸垂地点-(08:46)南稜テラス-(12:50)終了点-(16:12)南稜テラス-(19時頃)一ノ倉沢出合

目覚ましを掛け忘れて寝坊してしまった。それでもぼうっとした頭で出発する。ヒョングリの滝の懸垂は2パーティー待ち。ここでグレ子さんから「ここを降りたら行くよ!」と発破を掛けられる。前回は雪渓を歩いたテールリッジに上がるスラブは雪が無いと恐ろしく見えたが、取り付いてみると登れそうだった(でも下降はしたくないな...と漠然と思った)。


(取り付けばそれほどでもだけど...)

前夜の飲み会の後に回収し忘れという事情により沢靴で来たが、実はアプローチシューズより都合が良いように思えた。なお、帰路でお世話になるパーティーの一人も沢靴だった。
衝立岩中央稜基部からは未知の世界。濡れたバンドに怯えながら南稜テラスに到着。既に先行Pは2ピッチ目を登っているようだった。靴を履き替え、ロープを準備して取り付く。


(南稜テラス到着。先行は既にあんなところに)

(1P) グレ子さんリード: チムニーの手前でピッチを切る。
(2P) Gilリード: チムニーはお尻フリクションでずり上がる。ガバが嬉しい。
(3P) グレ子さんリード。グレ子さんが直上したところを支点回収出来る範囲で右にずれてみたり。
草付きの踏み跡をロープを仕舞って歩く。

(4P) Gilリード。広いフェースを左右に良いスタンスを探しながら登った。終了点で下降してくるパーティーとすれ違う。
(5P) グレ子さんリード。左からリッジに上がる。トポ通りに40mくらいロープが伸びた。
(6P) Gilリード。出だしの開放感が堪らない。ビレイポイントは濡れてツルツルで、ハンギングビレイになった。
(7P) グレ子さんリード。壁はビショビショで、グレ子さんもフリーで登るのは諦め。平らなスタンスも少し外傾しているだけで信用出来ない。ビレイ支点が確実なことをグレ子さんに聞いて、ヌンチャク掴んでなんとか抜ける。大A0大会。


(馬ノ背リッジに上がるところ。この先が爽快なんだけれど写真無し)


(酷かった最終ピッチ)

以上、登攀は最終ピッチ以外は淡白に終了。時差出勤につき渋滞に遭わず快適 - ここまでは。

この時点でロープウェイ最終は微妙な時間になる。グレ子さんに判断をお任せし、出合に下りることになった。馬蹄形を縦走中のまるこさんの「頑張って」コールが聞こえたので手を振り、「懸垂で降りまぁす」と返した。AU は不通だったがドコモの携帯が通じ、グレ子さんに会のMLへ計画変更の連絡を入れていただく。内心は、見たことのない5ルンゼの頭より、ツルツルのテールリッジ下降に不安を覚えていた。


(とりあえず降り始めます)

懸垂下降はロープの絡みやピッチを短く切ったところがあったりで時間が掛かり、後続が追いついてきた。登攀2P目のチムニーでは引いたロープが引っかかって回収不能になり、このパーティーに外して貰うトラブルも。テールリッジから沢に下りるところから下降路が良く分からず、ロープ回収をしていただいたパーティに先導をお願いする。どうやって降りるのかと思えば残置ロープにゴボウの連続。当然、一人ずつの通過になるわけで時間が掛かる。沢に下り切る前に日没となり、ヘッ電での沢歩きとなった。

んー、南稜自体より、やっぱり怖いぞアプローチ。こっちこそロープウェー欲しいね。


(テールリッジ上部はまだ序の口。カメラ壊れてノーファインダーで)


しかしまぁ反省点の多い山行だった。
寝坊は論外。登攀自体より、ロープワークに不慣れで時間が掛かってしまった。特に懸垂下降でのロープの纏め方や手順など、ゲレンデでの練習の重要性を痛感した。
また、雪渓の無いときの下降路の下調べが不十分で、他のパーティーのお世話になってしまった。自分がリーダーしないときのいい加減さはなんとかならんものか。

2009.10.03 谷川岳・東尾根

2009-10-15 18:52:19 | 岩登り
【日程】(07:31)厳合新道-(08:11)第一見晴台-(09:27)シンセン沢左俣引き返し-(10:13)右俣合流-(11:35)シンセンのコル-(16:33)登山道-西黒尾根(19:20)
【メンバー】L.グレ子さん、Gil

残雪期の偵察のために谷川の東尾根に行ってきました。

天気予報が思わしくなかったために当初予定の烏帽子岩南稜を日曜日に移し、土曜日は朝の状況次第で東尾根に登る事にする。午後から回復するが朝は雨の残る予報だったため出発を遅らせて厳合新道を歩く。第一見晴台の立派な道標からマチガ沢に下りるとガスは酷くなく、東尾根が幽玄な姿を現していた。


(マチガ沢から見上げる)

雨は殆ど上がっていたので計画続行ということにする。
シンセン沢に入り右俣の検討を付けるが、ひとつ尾根を巻いた先にあると思い詰めすぎてしまう。ワンムーヴが厳しいスラブを越え、その先も沢沿いは厳しいので右岸に乗った時におかしいと思い、あらためて周囲を見渡せば、下流から分かれた右俣がシンセンのコルらしき場所に伸びているのが判った。自分は右俣は涸れていることもあるという情報を得ていたし、そこを通過したときにはグレ子さんが一度疑ったが、普通に流れている左俣に対して全く涸れていたために通過した沢のようだ。あとで分かったが、この日の左俣は朝までの雨で水量が多かったようだ。


(右俣を振り返る)

スラブの下降は難しいので薮をトラバースして右俣に下りた。右俣の上部は傾斜があり、また下まで落ちると怪我では済みそうに無い。岩は濡れていて嫌らしい。あと少しでコルに乗るところで残置支点を見つけ、先行していたグレ子さんにロープの端を投げてリードして貰う。


(コルまでもう少し。右寄りに)


(コルへの最後の詰めはロープを出した)


シンセンのコルで無線交信して東尾根に乗った事を伝える。下降の支点は取れず、もう引き返せない。


(第二岩峰)


(シンセン岩峰を振り返る)

コルから直ぐの第二岩峰は右から巻いた。その先、ところどころに踏み跡はあるが、ガスで次なる目印の第一岩峰が判らない。濡れた岩と草付きで岩壁を越えるたびに、まだまだ続く稜線に落胆させられる。


(濡れていて悪い)

恐らく第一岩峰と思われる箇所は巻くか直登か悩まされた。ホールドはあるが濡れていてスメアの効かない壁だ。グレ子さんが左のバンドを偵察に進んだ後、引き返せるようにロープを投げて引いて貰う。フォローして行くと沢の詰めになっており、渋い草付きを右の稜線まで上がった。
踏み跡は現れては消え、広くなった尾根はルーファイに悩まされる。まだまだ続く草付き、ザレ、ガレに神経をすり減らし、登山道に抜けたときは安心感で一杯だった。


(やっと抜けた)

ロープウェイにはとても間に合う時間では無い。中秋の名月を正面に見ながら西黒尾根を下山した。

登山道に抜けたのが日没1時間前ってのが問題かな。だからちょっと反省してみたりする。
  • シンセン沢を詰めすぎた時に、撤退のためには(スラブの下降が出来ないので)一度薮の斜面に取り付いて降りることになったであろう。シンセン岩峰が同定でき既に抜けることで頭が一杯だったが、出発時刻が遅いこと、沢の水量が多いことを考慮して、多少の手間が掛かっても中止しても良かったのではと思う。シンセン沢右俣に合流できたのは10時を回っていたのである。
  • 時間が掛かった要因は、岩が濡れて状態が悪くルート取りに苦労したこと、そのため僕からの希望で4回ほどロープを出したことが考えられる。
  • 支点の少ないルートで状態が悪い時には、カムや、時間が掛かってしまうがハーケンの使用を選択肢に加えられたら良いと感じた。

無雪期はシンセンのコル以外にビヴァーク適地はあんまり見つかりませんでした。風が強かったしね。

2009.09.19-22 北方稜線-下ノ廊下(その2)

2009-10-14 12:19:05 | ハイキング
シルバーウィーク山行の後半は景色を楽しむ旅。前半はこちら

(9/21) 今日は行程が短いのでゆっくり目に起きる。連日の眩しいくらいの晴天に紅葉が映える。仙人池では逆さ剱が見事だった。ここは池に下りられる場所が二つあり、奥のほうが眺めがよい。仙人池ヒュッテに説明を書いた手拭があり、最初に見ておくと各ピークを同定し易いと思う。


(八ツ峰がすっぽり池に納まる)

しばらく沢沿いに細い道を下って仙人温泉。白馬を背景に朝風呂をいただく。


(囲いのある女湯も別にあります。)


(源泉はこちら)

で、またトラバース気味に少し歩くと尾根道になり、これは結構ガツガツと下ろされた。すれ違う登り組は汗だくで辛そう。



さて、僕の1/5万図では阿曽原峠越えの登山道が記されているのだけれど、これは旧巡視路で現在は廃道になっている模様で、分岐を見つけることも無く道なりに仙人ダムに降りた。ダムからコンクリートの建物の中を抜ければ、突如現れた関電の建物が異様を放っていた。
また少し山道を歩いて阿曽原温泉小屋に到着。テントを設営し、またまた温泉に。ここは1時間置きに男湯/女湯とし、20:30から混浴としていた。


(ちょっと軽量化してます。マーボー春雨+茄子です。)

外で宴会をしているとみるみるテン場は埋まって行く。21時過ぎに到着するパーティーもあり夜中には足の踏み場を見つけるのも大変なほどになった。
(9/22) 今日は下の廊下を歩いて黒部ダムまで。


(仙人ダムの内部)

ヘッ電灯して仙人ダムまで歩き、吊橋を渡る頃には明るくなってきた。左岸の山肌を少しだけ上がると、その言葉の通りの水平歩道がずーっと続く。足下は切れ落ちているところは落ちたら助からないでしょうけれど、まぁまず落ちない。危ないところには壁側にワイヤーが張ってある。足元に気を配りつつも時々顔を上げては渓谷の美観を楽しむ。


(S字峡のあたり)


(十字峡 - 二つの枝沢が同時に合わさる)


(良くぞ作りました)

別山谷には雪渓が残っており、両方の取り付きには長い梯子が緩い傾斜で掛かっていた。雪面にはフィックスロープがありアイゼン・ピッケル等は要らないが、取り付き部分の雪は何時崩壊してもおかしくない。そのためか、傍では大分前に軽装に地下足袋で抜いていった方が監視をされていた。
終盤の見所は内蔵助谷に突然現れる丸山東壁。グレ子さんがルートの解説をして下さる。


(丸山東壁 - 知らなくても目を惹きます)

ここからの道は大分整備されており、程なくして黒部ダムの下部に到着。トロバスの駅までひと登り。

臨時バスの人数制限にギリギリ間に合って扇沢。薬師の湯でお風呂の後もタクシーの乗り合い→バスより一本早いローカル線→臨時のあずさで自由席確保と、なんともラッキーな帰路だった。