地球が誕生したのは46億年前の事です。生命の起源に関しては、諸説ありますが明確ではありません。ともあれ、人類の発生は数百万年前の事です。1mの地球年表があったとすれば、人類史は何分の1mmの線が入ったに過ぎません。万物の霊長などと吠るには、未熟過ぎると言わねばなりません▼孫悟空がキントン雲に乗って、空を飛び回って自慢したけれども、お釈迦様の手の平の上で、戯れていただけの事であった。人類文明史も、お釈迦様にとってみれば、瞬きの間に生まれて消えた奇妙な生物の一つにすぎないのかも知れません▼或る学者が、「人類はいつ頃滅びると思いますか?」と問いました。確かに、永遠に不滅なのは巨人軍(長島語録より)くらいです。すべてのものは、いつかは滅びます。問われた人は、一瞬、戸惑いました。あなたの一生が死を迎えて、いつかは終わるように、人類の終焉も、いつかは訪れます。あなたが一生涯を大切にするように、人類の一生も大切にしなければなりません▼環境問題を語るとき「地球に優しい」と言う言葉があります。これは正しくない。人類の棲息条件を、出来るだけ守うということなのです。熱帯雨林が大切なのも、希少生物の絶滅を防ぐのも、総ては人類の棲息条件を破壊しないためです。人類の棲息条件が減少し、滅亡したからと言って、地球に言わせれば「知ったことではない」のです。1mの年表の中の僅か1mmが消滅したにすぎないのです▼未だに「お尻に優しい、100%バージンパルプ使用」のトイレットペーパーが、日本ではスーパーに並び、それが罪悪感もなく買われている。ちょっと進歩して、「地球に優しい牛乳パック15%使用」というのが出始めた程度です。てめえのケツを拭くくらいは、人に迷惑をかけないように、100%古紙使用の再生トイレットペーパーを使ってほしいものです▼大企業は古紙よりパルプの方が安いので、利益だけしか考えない。日本政府も古紙利用の促進を、大企業に不利益になるので、サボタージュ。若者が命を大切にしない。面白くないだけで、無差別殺人を行う。人の命を軽んずる傾向には、深刻な思いがあります。それは企業家や政治家が、人類の一生を我が身の利益の為に軽んじる事に通じる▼人々は日々の生活に追われて、深く考えずに与えられた生活を、無批判に過ごしています。車社会は人類史に大きく陰を落とし、日本の戦後50年の道路行政が作りだした急激な変化の矛盾を、今、問い直す最後のチャンスです。環境破壊・財政破綻・交通戦争・都市計画の破綻などなど (コラムX)
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