『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

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『みちしるべ』**山手幹線街路事業 熊野工区に関するコメント**<2009.11. Vol.61>

2009年11月03日 | 山手幹線の環境を守る市民の会

山手幹線街路事業 熊野工区に関するコメント

山手幹線沿道の環境を守る市民の会
代表 山本 甫

 

 まずは基本的には四車線拡幅は必要なしであり反対である。

  最近の社会情勢を見ても車社会から環境優先に基軸が置かれていることは周知の通りである。車社会と謳われ道路重点に公共事業をなされてきた時代は今や考え直すべき時にきています。それを西宮市は旧態依然と同じことを住民の意志を無視して強引に押し進めようとしていることに怒りを覚えます。若者は職もなく、未来に夢を持てず、苦しい生活を強いられ車を乗り回して休日を楽しむことが出来るのはかぎられています。

 かつて日本の自動車5000万台、6000万台、7000万台と増加してきました。しかし今後10年、20年後の所有台数の予測を西宮市はどのようになされているのか。人口においても飛躍的に減少するだろうことを予測されています。

 又、高齢者が早4人に1人となりつつある今日、免許の更新はおろか返却を強いられています。このような現状は嘆かわしい社会ではありますが、事実として受け止めなければなりません。今後の道路事情に多いに影響があることは必至であります。

 この事業に22億円もの費用が必要であるそうですが、西宮市の負担金はいかがでしょうか。

 今年3月31日地域の住民の永年の念願であった甲子園口駅のバリアフリー化が達成されました。これは永年の住民の戦いの末、最後は住民が大臣のところまで陳情に行き着手されることとなった経緯は当局が一番良く承知されているはず。10年越しでやっとできたわけです。ではなぜそこまで時間がかかったのか、それは当局がいつまで経っても5000万円以上は出せないと頑なに住民を無視してきたからです。

 ではこのたびの熊野工区についてはどうでしょうか、22億円のうち1/2が市の負担と伺っていますが事実であれば10億円以上のわれらの税金を使うことになる。その上、コメントを出させてあたかも住民との相談の結果のような市のやり方はポーズとしか考えられません。一方的に事業ありきの文書を説明会で配布し、募集期間をすでに半分過ぎた時点での日程で行われたことは、いかに住民を蔑視した傲慢な姿勢といわざるを得ません。

 現政権においても、無駄な事業を極力廃止し、ソフトの面でのより充実した国民への支援を目指しております。私たち西宮市に於いても市民人口の増加に伴い、また、少子化や高齢化のためになさなければならない保育所の問題、学童問題のため、また介護問題の施策が優先されるべきではないのか。現在の熊野工区は地域住民のための生活道路として住民は満足しております。一部時間帯の渋滞についても受忍の限度を超えているとは考えられません。将来の子供たちに先輩として胸を張れる地域づくりのために市当局と相対してまいりたいと願うものであります。

 また、コメントを提出させるための第一段階の説明会で、この工区の事業決定もなされていない時点で、神戸までを現在二車線であるところも全て四車線に突っ走ることを言明するような説明会を開いた愚かな担当者というか、担当局長の行政マンとしての人間性を疑いたくなるような西宮市に落胆すら覚えます。過去の苦い経験が何も生かされていないと言わざるを得ません。まさしく住民の気持を逆撫でし、反発を招いているに他ならない行為であり、何のための、誰のためのコメント提出であるのか誠に遺憾であります。

 平成14年5月31日、山手大橋完成に伴い尼崎市とつながり、当然のごとく交通量は以前の3倍にもなっている。平成7、8年頃の市の説明会にて、平成22年に28,000台の交通量を予測してきたことはご存知の通りですね。現在20年度の調査で二車線供用で20,000台を超えている事実をどのように説明されますか。地域の住民との「環境基準を守れる道路にする」との約束もあってないが如しの状況であることは当局が一番承知している筈ではないか。その当時より熊野工区以西のフラットの地域については十分な対策が出来ないことを市も認めてきたことをまさか忘れたとは言えまい。

 現実に二見町以西。特に甲子園段上線以西については基準オーバーは常時である。平成8年の振動及び交通量のデータ、それ以後の市が毎年行ったデータの一覧表の提示を求める。上武庫橋工事期間また北口の大型商業施設の工事期間及び開業後のデータこれら全てを公開するよう要求する。

 大型商業施設の建設時には説明会にて大いに交通量の増加が懸念され、阪急側も調査を行い、予測も出したが住民としてはなかなか納得出来なかった。が、しかし、架橋後の交通量は土、日曜日の午後に集中している。

 昨年秋商業施設開業後についてもほぼ変わらない状態である。 当局は車が増えるから車線を増やせば解決するという将来の見通しのなさを嘆かざるを得ません。その考えは改めるべきであり、間違っていることを自覚すべきであります。

 過去の当局との話し合いの席上にてわれわれが散々指摘してきことです。現に、架橋されて増えた車が住宅街の抜け道を探し生活道路が脅かされていることをこの7年間実感している事実を当局はどのように解決の手を差し伸べてきたか。市民と一緒に協働し、より良いまちづくり、より住みやすい西宮を目指すならば、平成3年以来西宮市始まって以来の大住民連動において、市政始まって以来の、税金を納めている市民を裁判にかけ、罰金まで取るぞと脅してまで強行した行政の汚点を反省すべきではないか。

 真に市民のための行政を目指すのであれば、まずは市民の信頼を得るべく話し合いの持ち方の努力をすべきではないか。そして市民のための街づくり、道路づくりを共にめざすべきではないか。市の職員が一度でもこの山手幹線の通学時に歩道を歩いたことがありますか。自転車は車道を走れと言っても危なくて走れない状況であり、幼稚園から小、中、高校生までの通学時開帯はほぼ同じです。危険と隣りあわせでお互いに通行している状況であります。市民に優しい市攻とはこのような問題にこそ取り組むべきことであり、改善をなすべきではないのか。

 この山手幹線の都市計画をなされたのは昭和21年とか、戦後の野原に線引きした都市計画であります。今63年後の地域の形態は変わり、単に線を引いた計画を何が何でもその通り実行しなくてはならないという発想はナンセンセスです。時代は変わっています。以前、架橋をやめて貰いたいとある政治家に話しました。橋を作る話ならいくらでも国から金は取ってきてやるが、辞めろという話は乗れないといった故老がいました。今は違います。辞める勇気が求められています。それが出来る西宮市の市政を切に望みます。何がなんでも四車線ありきの話からはじめる当局に対して不信感を抱くとともに、その手法を改めることを要求します。

 今の二車線道路は生活道路としてわれわれには十分であると考えます。

 税金は市民が納めたものです。その税金は市民のために有意義に使われるべきであり、子供からお年寄りまで安心して、安全に暮らせる街、いつまでも住んでいたい街に、そんな街づくり、道づくりを市民とともに作る。そんな行政を目指していると信じている市民への裏切り行為であります。

 行政マンは市民と同じ目線で話し合いをすべきです。上から、オカミ、にお願いの時代ではありません。ひざを突き合わせての話し合いが出来て初めて信頼関係が生まれるものです。あなた方の仕事は市民のためによりよく働く公僕であることを自覚し、忘れてもらっては困る。

 過去の山手幹線街路事業、松並工区事業の際、市が市民に誇れるようないい道を作ると約束して出来たものです。熊野工区についてもそれと同じく地域住民にとって喜ばれるような道作りを期待するものであります。西宮市の中でも熊野町、二見町といえば最高の住宅地であります。又高齢者の割合も高い地域でもあります。そんな住宅地の中に通過道路としか言えない四車線道路は環境悪化を招くのみであります。

 又、交通事故が多発することを懸念し、地域の住民に害をあたえるだけの道路であってはならない。それを市の面子のために住民が犠牲にされることは断じて許すことはできません。

 最後に、今後の話し合いについては沿道住民を分断するような姑息なことをせず、全ての人が納得できる会の開催を要求しておきます。

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