『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』芦屋市の行政は中央主導型になりつつある**<2000.6. Vol.5>

2006年01月02日 | 芦屋道路問題ネットワーク

芦屋市の行政は
中央主導型になりつつある

芦屋道路問題ネットワーク
三木悦子

 地域環境を守る会は、山手幹線計画予定地にお住まいの地権者と、行政との話し合いの会を、平成12年4月23日に市民センターで開きました。

 地権者35名、行政側は、市長、助役をはじめ10名、守る会役員8名、傍聴者2名、大勢の熱気と緊張の中で始まりました。

●市長談 山手幹線は震災復興計画の中で市民が安心して快適な生活を送る為には、安全な街づくりに必要不可欠な道路でございます。地域交通の円滑化、災害時防災機能の向上、生活の利便性、等の点から市民の自主性、協力が必要で地権者の方々にもご理解いただきたいと願っております。

◆市民の独り言 5年間何の進歩もなく変わりない挨拶です。住民の悲痛な叫びが聞こえていないのか、聞えないふりをしているのか?

●助役談 山手幹線予定地用地の買収率70%を越えました。国からお金が出ていることだから、広域的立場で考え、物流関係、防災対策等、芦屋市2300mだけの問題ではないことを分かって欲しい。
 予定としては16年度完成の目標で地権者の方々にはご理解とご協力を願いたい。優秀なスタッフを揃えておりますので、納得のいくまでお話し合いして下さい。

◆住民の質問 50数年間放置していた道路を今、復活させたのは何故なのか?
 
●部長談 今回は補助金を沢山とってきてもらったことだし……

◆住民の感想 山手幹線の総事業費は390億円です。国庫は特定財源としてガソリン税や重量税の収入が年間8兆円を越すとか聞きますから道路行政にはどんどん予算を出すでしょう。しかし半分は芦屋市の負担で、95%を起債にたよる財政です。もうすでに現在の芦屋市の財政は震災復旧のためふくれあがった借金が総額1869億円です。
 大切な基金を取り崩しても借金はふくらむ一方の状況で、迫りくる財政危機により赤字再建団体(倒産)への転落の危機にさらされているのです。

◆住民の質問 市道路線の認定について、市民も地権者も住民も知らぬ間に本会議、建設常任委員会も通過してしまい、新聞報道で知った人々が大半でした。せめて地権者に一言知らせてくるのが当然でしょう。

●助役談 市道認定は都市計画決定から道路法上の手続きの問題で、現状と何ら変わることはありません。

★住民の感想 これは芦屋市では初めてのことです。道路はなく家がびっしり建っている土地をここは道路ですよと、土地の持ち主には何の断りもなく決めてしまう。非常に理不尽な決定です。区域決定により街路として線引きしておくと、ライフラインなどの地下埋設物、特に大阪ガスに対する市の対応の優位性を示す目的があるようです。
 何がなんでも道路は完成予定を目標に通すんだの意気込みは大きな力となり、住民無視の状態でどんどん進めています。

◆住民の発言 芦屋市都市計画部街路課発行の山手幹線のバンフレットによりますと、芦屋川付近断面図に、上り、下り2車線ずつ4車線と歩道片側のみ4mと示されています。
 トンネルの中に歩道は必要ありません。人の通る道は現在ある地上の道路で充分まにあっている。車道7.5m×2=15mあれば良い。月若町の場合、計画変更で34mの道幅に拡げるから立ち退き区域が広がり自分の土地も線内に入ってしまった。
 決定事項は、幅広く住民の意見を聞きながら考えるべきだ。

●助役の答弁 これにつきましては、検討し報告いたします。

◆住民一同 そこが間違っている。同じテーブルについて一緒に話し合おうと言っているのだ。そうだ、そうだ、拍手。

 後は、時間がなく仕方なく終会となりましたが、これでおしまいではありません。次回も又次も、納得いくまで話し合いは続けましょうと、散会しました。

★感想 上記以外にもたくさんの意見がでましたが、答弁はすべてのれんに腕押しで何も得るものはなかった。市の財政危機を何とか突破して、豊かさを取り戻してからその時の社会状況を勘案のうえ、地域住民とゆっくり話し合う開かれた市政を望みます。

 平成12年度の人事異動で、財政担当部長(総務部参事)を自治省から招き入れ、市の財務をしっかりにぎられます。国からは補助金を出しているんだ、山手幹線は計画どおりに完成させろと予告されているかのように感じます。地方分権、地方自治が叫ばれている昨今、補助金が交付されたばかりに国のお目付役に財布の紐を握られ、芦屋市の行政は、助役につづき財務部長まで国から受け入れ、中央主導型となり時代を逆行しています。

 これでよいのでしょうか? 行政も市議会も財政問題を投げ出してしまったのでしょうか、機能不全に陥っています。それでも山手幹線はやめられない、補助金をもらったばかりに苦境にたっている市長。北村市長は、将来の芦屋市民のために様々な予測の上にたって重大な決断をされたのだと推察いたします。市長みずから住民にわかりやすい形で財政見通しを明らかにしていただきたい。

 大型車の通過道路にすぎない山手幹線道路は、芦屋市にとって公害と借金を残すだけです。大原工区のみ完成のあかつきは、東工区、西工区共に延期し、市の借金増の加担を防ぐ努力をしなくてはなりません。

 私たちの血と汗の結晶である税金の行方をきちんと見定め、行政に市議会に市民の声を反映させる行動を起こさなければ、閉鎖的な体質を変えることはできません。

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