『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』横断車道(51)**<2008.5. Vol.52>

2008年05月07日 | 横断車道

3月末、芦屋川トンネル工区を除き、市道『山手幹線』が全線開通。今回の開通は、JR芦屋駅北から阪急夙川駅南にかけての、芦屋・西宮市境部分だ。芦屋市では交差する稲荷山線に信号がなく、大事故が懸念され、稲荷山線側を閉鎖・遮断しての供用となった。おかげで交差点を横断しようとする歩行者は、数百メートルも東西に移動しなければならない▼慌てて供用する自治体には、市債を発行して建設し、市債の償還時に国からの補助金を貰うという、財政事情がある。財政逼迫させてまで、造る道路なのか。道路行政に詳しい者なら知っているが、『阪神間縦6軸・横6軸高規格幹線道構想』により、昭和21年の都市計画決定を掘り起こしたもの。芦屋よりの神戸に、阪神高速湾岸線の六甲アイランドから、阪神高速北神戸線の有馬ジャンクションまで、全線トンネルの自動車専用道路(東神戸トンネル)を造る予定があった。また、武庫川沿いに阪神間南北道も予定された。そのアクセス道路として、『山手幹線』が浮上した▼東神戸トンネルは当初、阪神高速道路公団が造るとされた。しかし、公団赤字が莫大に拡大し、神戸市道路公社に白羽の矢が当たった。が、神戸市も神戸空港の市債(借金)の償還の目途もなく、受けることができず、東神戸トンネルは白紙に。阪神間南北道も圧倒的な住民の反対運動にあい、関係市は動くこともできず、事実上の白紙状態である▼アクセス道路の『山手幹線』だけが、チマチマと造られてしまった。国民的・市民的常識では、本体が白紙なので、『山手幹線』も中止である。それが、動き出した公共工事は止まらないという、日本政界の非常識。日本には掃いて棄てる程のお金が、実際に有り余っている。ただ、庶民のためには使われないだけ。それどころか、もっと無駄遣いをするために、『姥捨て山医療制度』などをやる始末▼ところで、この『山手幹線』の芦屋・西宮市境で気になることがあった。市道なので両市で規格が違っている。あの芦屋ブランドが聞いて泣くのだが、街灯一つとっても、西宮市側のほうが立派である。震災で赤字を続けていた西宮市は、年間数十億の黒字になってきている。どうやら120億円ほど埋蔵金を溜め込んでいるらしい。方や芦屋市は、高額所得者の流出で、市財政が逼迫している。それで、何のための『山手幹線』か▼地に落ちた実際と、ブランド力に頼る芦屋市。西宮市を飛び越えて、尼崎市は『公害の街』のイメージが定着している。しかし、現在の尼崎市は、大工場の殆どが流出し、町工場もめっきり少なくなっている。むしろ、市北部の田園地帯は、西宮市よりも情緒のある田舎町を保っている。イメージと実際は乖離しても、人々の思いは旧態依然として引きずられているようだ▼思いはともかく、金余りの日本だが、庶民生活を苦しめる税と使い道は、そろそろ変えなくてはなるまい。(コラムX)

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