『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』横断車道(63)**<2011.3.&5. Vol.68>

2011年05月08日 | 横断車道

東日本大震災の被害の大きさの前に、自然の猛威の巨大さを、改めて思い知らされた。そして、進化した筈の人の社会は、ますます後退する局面に立たされていることを実感させられた▼人の作った筈の金が、巨大化して資本となり、マネーとなると、人の心をコントロールするようになる。儲け本位のために、『安全神話』を創り上げたが、福島原発で自然の警告を受けた。自然の警告より、儲けが肝心の『懲りない面々』は、『想定外』で逃れようとしている。原子炉一基は1兆円の商機。福島原発収束は10年単位の数兆円の商売なのだ▼阪神淡路大震災は16年前だ。この教訓が活かされたのか? まったく活かされていない事に愕然とする。これも金の為せる、人心の迷いなのだろう。長田区で起った大火は、車社会の反作用の典型である。便利に思うマイカーは、日頃は90%ガレージに眠っている。災害の際に、一斉に公道に出れば、渋滞で機能しないのは、冷静になれば当たり前だ▼神戸の街は六甲山脈と、瀬戸内海に挟まれた細長い街だ。河川は急峻で、その殆どが暗渠にされている。そのことが悲劇を生んだ。海には無尽蔵の水があった。僅か2kmの送水ができなかった。高速道路から一般道の長田区に乱入したマイカーに、ホースは100%破裂させられた。▼お江戸でさえ、大火に大八車を持ち出した者は、処刑されたという。震災時には車はキーをつけたまま、公道の左に寄せて放棄する。これが鉄則である。高価な車も、人の命には代えがたいのである。ガレージにある車は、使用厳禁なのだ▼朝日新聞に教訓というには、余りにも情けない記事が出た。津波避難に、人々は一斉に車に乗ったという。大渋滞が発生し、殆どの人が津波にのまれたという。警察官がドアを叩いて、車を放置して逃げるように言っても、従った人は少なかったとのことである。冷静さを欠いたのか、命より車が大事だったのか?▼防火訓練は、いざという時に効果があるものと聞く。震災時には、どんなにローンが残っていても、廃棄する必要がある。車を買う時には、そのことを徹底しなければ、人命は救えない。それが防災訓練の基本だ。そんなことを言っては、車は売れない。まして、人生の1%にも満たない時間のために、一生の稼ぎの数10%以上も注がなければならないマイカー。金儲けの為に、事実を完全に隠す必要があるのだ▼福島原発のダウンで、今夏はクーラーの自粛が言われている。が、クーラーの発熱は、コンプレッサーの駆動熱しか出さない。室内外の温度はいずれ相殺される。しかし、車は石油を燃やして、莫大な発熱をする。巨大ストーブを焚いているのだ。夏場の気温は、南の和歌山市よりも、北の大阪市の方が高いのだ。その大方の気温を、車による発熱が作っている。エアコン自粛より、マイカー自粛の方が格段に必要なことなのだが(コラムX)

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2 コメント

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miserable (noga)
2013-03-13 09:25:19
安全は大好きだ。神話も好きだ。安全神話作りは得意で、すぐに信じられる。広めるのもたやすい。
我が国の国策 (まつりごと) は、安全神話と深く関係しているに違いない。
だが、最悪のシナリオを想定するのはひどく難しい。
これは、平和ボケのようなものか。

太平洋戦争初期に、フィリピンの米比軍はキング少将もジョーンズ少将も投降して、75000人以上の将兵の命を救った。
太平洋戦争後期に、日本軍は米空軍の飛来をゆるし、1945年3月10日未明、東京の下町の江東地区がB29約300機による空襲をうけ、死者10万をこす被害を出した。
日本人の指導者には、作戦の成否を予測する力はないのか。
人命の尊重はどのように考えられていたのであろうか。



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miserable(noga)さん、コメント有難う (当ブログ管理人)
2013-03-13 23:07:30
コメント頂くとともに、有意義なご意見を有難うございます。
当ブログは、大勢の著作で出来ています。代表して御礼申し上げます。
今後ともよろしくお願いします。
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