『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

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『みちしるべ』**第33回 道路公害反対運動全国交流集会 参加報告**<2007.11. Vol.49>

2007年11月01日 | 藤井隆幸

第33回 道路公害反対運動全国交流集会 参加報告

世話人 藤井隆幸

異例の連続でドタバタの参加だった

 10月26日に全国連絡会の事務局長から電話が入り、これから案内を送るので、誰か参加して欲しいとのこと。集会は11月10日(土)~ 12日(月)で、2週間しかありませんでした。正直なところ、案内も来ないので、今年は参加しないつもりでいました。11日は会議が入っていて、急遠、代理をお願いして、 ドタバタの段取りで参加してきました。そのような次第で、今年の開催案内は、皆さんにお届けするのが間際になりました。現地実行委員会の事務局長が体調を崩して、手続きに不備があったとのことでした。2年連続ともなると、大変なのは理解できます。兵庫県で引き受けることは、現状の体制では、不可能であることから考えても、さすが東京と思います。

 今年の集会は、昨年と同じ東京経済大学(国分寺市)で行われました。本来、大阪の順番でしたが市長選挙直前で、実行委員会メンバーが揃わないとのこと。他に予定しているところもなく、例外的に2年連続で東京が引き受けることになりました。来年は大阪での開催ですので、宿泊費も要らず交通費も僅かですので、気軽に参加できると思います。来年は早目に案内をもらって、皆さんにお届けできると思います。

 兵庫からは、中国道・山陽道・第二名神のジャンクションにお住まいの「中の自然と住環境を守る会」の西田さんも、11日の午後に参加されました。

雨の中の現地見学

 初日は遠方からの参加もあり、恒例により午後からです。毎回現地見学が計画されていますが、あいにくの雨でした。東京駅から中央線で新宿まで。新宿駅から集合場所の東京都庁へ。雨天でも総て地下道でつながっているのは、さすが東京。60人ほどの参加があり、観光バスに随行車をつけなければならない盛況ぶり。

 まず、首都高速中央環状新宿線の建設現場を、バスの中から見てまわりました。地下30mにシールドエ法で通しているとのこと。巨大な換気塔(45m)が印象的でした。地上の環状6号線も中央分離帯や歩道。自転車道など、環境対策も取り入れ、幅員40mほどの道路になるようです。ほんの僅かの交通量の削減で、渋滞は解消すると言うのに、巨大な建設工事で、効果はそれほどないばかりか、公害が増加するのは納得の行かないものでした。

 地元の住民運動は、計画中止に追い込むことは出来ないまでも、住宅の地下を通させないとか、色々の環境対策を勝ち取ったようです。中でも驚いたのは、首都高速3号線とのジャンクションを、全面的に蓋掛けにしてしまったことです。大橋ジャンクションと言いますが、巨大な建築物が一部分出来ていて、その大きさに驚きました。その広さはサッカー球場がスッポリ入ってしまうというのですから。高さも10階建てビルほどもあり、雨があがったのでバスを降りて見学しました。

 次の国分寺3・2・8号線は、環状8号線(通称「還8」)の渋滞で、時間がなくなってしまい、現地の運動をしている人からの説明だけに終わりました。

初日の集会テーマは東京大気裁判の勝利的和解

 初日の午後4時半から全体集会で、中心は東京大気裁判の報告でした。東京の裁判は他の裁判と違い、工場排煙を出した企業が被告になっていないことです。それに道路管理者のほかに、ディーゼル自動車のメーカーが被告になっていることです。

 今年の8月8日に東京高裁と同地裁で和解が成立しました。この内容については、重要なポイントがありますので、次の機会に詳述したいと思います。簡単に説明すると、①東京都の喘息患者に対する医療費助成制度の創設。②公害対策の実施。③原告団・国・都で「連絡会」を設置する。④メーカーによる解決金の支払い。

 問題点としては、医療費助成が喘息に限られ、気管支炎や肺気腫などが含まれていないこと。3年の時限的制度であることなどです。これは今後の運動で改善してゆく決意を、原告団の代表者から報告されました。国からは道路建設が環境対策である旨を和解条項に入れるとの主張がありましたが、原告側は「それを入れるなら和解はない。」と突き放したことは評価できます。

懇親会は食べ切れなかった

 昨年の懇親会は、大学食堂のシェフが美味しさ中心に考えてくれました。が、あっという間になくなってしまい、急遠、何品かのメニューを追加してもらいました。その経験を生かして、今回は絶対に量的不満はないとの、シェフのメニューでした。

 さすがは料理人と感心しました。料理の質を落としたり、脂っこいものを入れるなどしてはいません。集会参加者は相対的にお年寄り。美食且つ満足感のある料理に、食べきれず多く残してしまいました。地球上で1日に3万人も餓死をしているのに、食べ物を残すなんて出来ない。でも、食べきれない。

 シェフは予想していた通りで、満足していたようです。それも、手伝ってくれた学生たちが持って帰れる段取りも、キチンとしているところは、環境に配慮した料理人です。持ち帰っても問題のないものが多く、且つ、お持ち帰り用パックの用意も段取りしてくれていました。

2日目は記念講演と分散会

 記念講演は環境自治体会議・環境政策研究所の主任研究員の上岡直見先生が、「道路整備は環境を改善するか~道路政策と計画・評価技術の問題点~」と題してお話がありました。パソコンのパワーポイントを使い、液晶プロジェクターでのビジュアルな説明で、判りやすかったのが印象です。これからの時代は、これでなければと、考えさせられました。

 ただ、専門家らしく、断定的な発言をされないのは、運動団体としては物足りなかったのではないでしょうか。前日の篠原弁護士のように、被告を切り倒すような発言は、爽快そのものです。しかしながら、参加者が理論的に高まればよいことで、学者はそんなものだと思います。

 分散会は3会場に分かれて行われました。私の参加した分散会も、例によって発言したくて仕方のない人が、マイクを握って放しません。カラオケのマイクさながらです。そこは名司会者の配慮で、総ての参加者に発言してもらえるように、心配りが充分でした。主には、自らの運動の説明に終始したと言う感じです。それでも、お互いの素性が交流できて、今後の運動に協力関係も出来ていたようでした。一言しか発言しなかった私にも、広島からご招待の話がありました。

国交省交渉が中止になっていた!

 延べ180人の参加でした。「みちと環境の会」の神崎さんから、パンフレットの販売を頼まれていました。今年は、現地実行委員会から4人の販売スタッフが付いていましたので、総てお願いすることに。例年通り、たくさんの販売があり、特徴はダンピング。出版社製の本が100円、300円のカンパで何冊でもとか。分散会でも紹介したのですが、他にも5冊ほどの売り込みも。結局、3冊しか売れませんでした。

 集会の報告資料集は200冊作ったそうで、余りを200円で販売したとのことですが、集会の終わりには残っていませんでした。今回は皆さんにお渡しするものがありませんので、ご容赦願います。

 集会が終わって、明日は国交省交渉かと思っていたら、既に中止に。2日目のホテルも予約支払済みでしたので、夜のプライベート懇親会に参加して、遅くまで飲んでしまいました。現地実行委員会の事務局長の体調不良は、最後までたたりました。翌日は環境・国交省に、資料請求にとも思いましたが、午前中に帰路に着きました。

 全国連絡会のホームページも更新されず、メーリングリストも書き込みがない状態です。12月8日に名古屋のメンバーの設定で、実行委員会を持ち、今後のインターネット戦略を話し合う予定です。 

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