「たまゆら」とは、一瞬あるいはかすかを意味する古語です。江戸後期文化三年の刹那の出来事を綴った、という意味でタイトルは付けられたものと推察します。装丁に関しては、もっと地味でよかったんではと思います。前半は、犬の“ごん”、後半は“お茶”の描写が度々で煩いかなという印象はありましたが、風景や情景がみえるような描き方で結末も実にあっぱれでした。五十両を拾ったばかりに厄介ごとに巻き込まれるという、単純明快なストーリーで分かりやすかったですし、面白く読めました。一汁一菜の質素な食事とか、身分制がゆえの心付けがあったことも時代を感じさせました。
以下、例によって漢字です。
倦(う)む・・・退屈する、嫌になる、飽きる
咎人(とがにん)・・・罪人
水屋・・・台所。方言で「みじゃ」「みんじゃ」というのはこれに由来。
半纏(はんてん)・・・読めても書くのは難しい。
石女(うまずめ)・・・子どもの出来ない女。これに対して「妾腹」とは、(本書では)男児を宿した妾という意味。
据(す)える・・・置く、設ける
好々爺(こうこうや)・・・善良でやさしい老人。
熾(お)きる・・・火が炭に移る。
胃の腑(ふ)・・・胃袋
内儀(ないぎ)・・・他人の妻を敬う語。
朝餉(あさげ)・・・朝食
丹田(たんでん)・・・腹筋
普請(ふしん)・・・家を修理したり建築すること。
伝法(でんぽう)・・・粗暴で無法な振る舞い。
知らぬ顔の半兵衛・・・竹中半兵衛がモデル。
有卦(うけ)に入(い)る・・・幸運にめぐりあってよいことが続く。
インケツ・・・最低、最悪。
費(つい)える・・・むだに使われる。
誂(あつら)える・・・仕立てさせる、注文する。
月代(さかやき)・・・頭部を半月形に剃り落とした髪型。
剣呑(けんのん)・・・危ないさま、不安なさま。
下っ引き・・・岡っ引、御用聞き、目明かし。親分と呼ばれる町内の顔役に委任された非公認の警察。本書では十手を持ってますが、実際は必要時に貸与されてたようです。
問い質(ただ)す、鐘を撞(つ)く、敏捷(びんしょう)
居丈高(いたけだか)・・・威圧的な態度。
火急(かきゅう)の用向き・・・(火のついたように)緊急の用件。
鷹揚(おうよう)・・・鷹が空を飛ぶようにゆったりしているさま。
以下、例によって漢字です。
倦(う)む・・・退屈する、嫌になる、飽きる
咎人(とがにん)・・・罪人
水屋・・・台所。方言で「みじゃ」「みんじゃ」というのはこれに由来。
半纏(はんてん)・・・読めても書くのは難しい。
石女(うまずめ)・・・子どもの出来ない女。これに対して「妾腹」とは、(本書では)男児を宿した妾という意味。
据(す)える・・・置く、設ける
好々爺(こうこうや)・・・善良でやさしい老人。
熾(お)きる・・・火が炭に移る。
胃の腑(ふ)・・・胃袋
内儀(ないぎ)・・・他人の妻を敬う語。
朝餉(あさげ)・・・朝食
丹田(たんでん)・・・腹筋
普請(ふしん)・・・家を修理したり建築すること。
伝法(でんぽう)・・・粗暴で無法な振る舞い。
知らぬ顔の半兵衛・・・竹中半兵衛がモデル。
有卦(うけ)に入(い)る・・・幸運にめぐりあってよいことが続く。
インケツ・・・最低、最悪。
費(つい)える・・・むだに使われる。
誂(あつら)える・・・仕立てさせる、注文する。
月代(さかやき)・・・頭部を半月形に剃り落とした髪型。
剣呑(けんのん)・・・危ないさま、不安なさま。
下っ引き・・・岡っ引、御用聞き、目明かし。親分と呼ばれる町内の顔役に委任された非公認の警察。本書では十手を持ってますが、実際は必要時に貸与されてたようです。
問い質(ただ)す、鐘を撞(つ)く、敏捷(びんしょう)
居丈高(いたけだか)・・・威圧的な態度。
火急(かきゅう)の用向き・・・(火のついたように)緊急の用件。
鷹揚(おうよう)・・・鷹が空を飛ぶようにゆったりしているさま。