夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

倉田松涛 その3 達磨の凧揚げ圖 

2012-04-07 07:13:02 | 掛け軸
倉田松濤の作品はなんでも鑑定団に出品されて、それなりの評価を受けたようですが、今後もっと評価されるべき画家とも評されたようです。

乱暴に描かれているように見える作品が多い画家ですが、その技法はしっかりとしています。かなり修練したように思われます。

本ブログでは第3作目となります。第1作品 布袋様

第2作品 鐘馗様

このたびまとめて4作品を入手しましたので、整理順に投稿します。

手も足も出ないと表現される?達磨が手と足を出して、凧上げをしている図です。寅年なので寅の絵を描いた凧です。二人?の達磨がとても表現豊かです。


達磨の凧揚げ圖 倉田松涛筆
紙本水墨 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦2020*横425 画サイズ:縦1310*横335




賛は「甲寅元旦試筆 百三段(出身地秋田新谷の旧地名)書□□ 松涛 白丸印」とあります。




1914年(大正3年)の作であると推察される。干支であるトラの凧を題材にしており、49歳の時の作品です。



巻き止めには「「甲寅 松涛画伯之筆 達磨凧揚之圖 佐藤蔵 第参拾九号 昭和弐拾居壱年九月二十五日 贈 為病気平癒記念 佐々木明子江」とあります。


倉田松濤:(しょうとう 慶応元年~昭和3年7月11日)日本画。本名斧太郎。秋田市新屋比内町生まれ。号百三段、耄碌先生、来世菩薩、雅気大将。もともと倉田家は仙北郡太田町横沢の出で、祖父が武士になり新屋海岸警備詰めを命じられ、新屋に移住した。松濤は二人兄妹の兄。父虎之助は渋江内膳配下の武士で、武術に長じていたらしい。幼くして角館の平福穂庵の門にはいって、画業に励んだ。少年時代から放浪の画家となる。巽画会・日本美術協会会員。昭和3年(1928)歿、63歳。


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