夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

富嶽遠望図 望月玉渓筆

2012-09-07 05:13:39 | 掛け軸
痴呆症の母と家内はなんとなく気が合っているようです。茶道の話等に母も楽しそうにしています。痴呆症になりながら明るい母と母を大事にしてくれる家内と姉に感謝の日々です。親孝行、家内孝行はしとくときにしておかないといつか後悔するときが必ずきます。今は家内と姉にすがっているところがあり、申し訳なく思っています。


本日投稿する画家の望月玉渓については以前に二度、投稿したことがあります。

望月玉渓は玉仙、玉川、玉泉、玉渓と続く望月派の五代目で、子息には玉成がいます。望月派は代々御所に出入を許された家系で、御用絵を描いてきました。

玉渓は花鳥画を得意とし、四条派を折衷したやわらかな自然描写に定評があります。帝室技芸員の父・玉泉に学び、品格のある作品を多く世に出し、伝統的な大和絵の最後の人と言われています。

驕らず謙虚で奥ゆかしく、高雅なる品位を保つその崇高な人柄の玉渓を作品とともに敬愛する人は多かったと伝えられています。





下記の2作品が投稿した作品となりますが、きちんとした絵を描き、贋作がほとんど存在しない画家です。

竜宮図 望月玉渓筆紙本水墨淡彩軸装 軸先鹿角望月玉成鑑定箱
全体サイズ:縦1865*横335 画サイズ:縦*横

松梅図 望月玉渓筆
絖本水墨淡彩緞子装軸 軸先陶製杉古箱
全体サイズ:縦1295*横665 画サイズ:縦633*横525

贋作がほとんど存在しないということはそれほど高価な値段で売買されていないということにもなりますから、購入する側にとっては物足りなさを感じる人もおられるかもしれません。画力を充分理解されて所蔵する御仁向きといえるでしょう。

本日は富士を描いた作品です。




富嶽遠望図 望月玉渓筆
絹本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1170*横440 画サイズ:縦240*横320




望月玉渓:日本画家。京都生。父は日本画家望月玉泉。名は重信・重蔵、別号に玉禅。父玉泉に絵を学ぶ。絵画共進会二等褒状受賞。日本美術協会会員・日本画会会員・京都美術協会終身会員。昭和13年(1938)歿、64才。

参考作品
夏富士之図 望月玉渓筆
思文閣墨蹟資料目録 「和の美」第465号 作品NO35



望月玉渓の作品には気品があります。御所に出入りしていう気概が感じられます。




このような日本画家はもっと評価されていいものと思っています。





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2 コメント

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墨色 (クラフト)
2012-09-07 23:48:17
この方の作品を前にも見せて頂きましたが、青墨の墨色がとても美しいですね。作風が凛として、格調が高いですね。またまた、羨ましい。。。
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青墨 (夜噺骨董談義)
2012-09-08 06:50:38
コメントをありがとうございます。最近、訪問者数は増えてきているのですが、コメントがなくどうしたのだろうかと思っておりました。

「羨ましい」と言わせるのも収集家の嫌らしい醍醐味・・。

「青墨の墨色がとても美しいですね。作風が凛として、格調が高いですね。」というのは望月玉渓の作品の評価にぴったりですね。小生の好きな画家の一人です。

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