軌道エレベーター派

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君は週刊ガンダムパーフェクト・ファイルを読んだか

2013-10-27 16:33:24 | その他の雑記
 先日発売になった週刊『ガンダムパーフェクト・ファイル』Vol,107、読んだ方おられますか。ガンダムの作品群に登場する様々なガジェットを解説する「西暦ガイド」というコーナー(ほかに宇宙世紀ガイドなど作品によって異なる)があって、とうとう『機動戦士ガンダム00』に登場する「軌道エレベーターと太陽光発電システム」の回が訪れましたよ。 いつか取り上げられるはずだと、なるべくこまめに目を通していたのです。見落とさずに済んで良かった良かった。
 この西暦ガイド、『銀河英雄伝説』のように、ガンダムの世界が現実の歴史であるかのように伝える署名記事のスタイルで書かれています。今回はリョーコ・ウエダという記者による記事ということになっているのですが、架空の人物か、おおかた編集者や関係者の名前をもじったものなんでしょう。せっかく『00』の紹介記事なんだから、絹江・クロスロード(『00』の主人公の1人である沙慈のお姉さんで、ジャーナリストだった。殺されちゃうんだけど)にしておけば良かったのに。で、この記事、程よくまとまっていて、短い割には読み応えもあり結構なのです。。。。が、 

 基本中の基本で間違ってるよリョーコ・ウエダ! (´Д`)
 基本中の基本で間違ってるよリョーコ・ウエダ! (`Д´)


 大事なことなので2回言いました。「軌道エレベーターのサイズ」という部分に「地表ー高軌道ステーション:5万km」とある。3万6000kmの間違いだよリョーコ・ウエダ! そうでなければ太陽光発電衛星がステーションやリングと同期しないじゃないかリョーコ・ウエダ! この記事の通りだと、静止軌道上にはピラー以外何も存在していないことになってしまう。表記自体は非常に目立たないのだけど、ほかにこの点を正しく記述している箇所がないので、全体が誤解されてしまう。これは例えて言うなら、東京スカイツリーの紹介記事で、展望台の高さを間違って表記しているようなものですよ鳳凰院。。。もといリョーコ・ウエダ!

 ガンダムの名を冠する作品は無際限というか無節操と言えるほど増殖しており、進化と分岐を続ける生態系のようなこのカオス状態、全体を把握してる人なんていないんじゃなかろうか? 一つの設定でも作品によって矛盾だらけであろう中で、この雑誌は毎週これだけのクオリティの記事をまとめているのはすごいけど、以前ザックトレーガー(『ターンエーガンダム』に登場した大型の極超音速スカイフック)の解説が載った時も、ちょっと変な記述があったし、どこまでオリジナルの設定書に準じているのか気になります。
 ただし、編集部の肩を持つわけではないですが、以前にも述べた通り、『00』の軌道エレベーターの設定には不可解な箇所があって、とりわけ静止軌道から上の部分に謎が多い(何度見てもバラスト衛星群の描写と大きさに疑問を覚える)。そのため私は「ひょっとしたら設定自体が存在していないのではないか?」とさえ思っています。

 とはいえ、仮に設定に誤謬や散逸があるのだとしても、1stシーズン第1話の描写などからも、この記事の通りではやはり破綻してしまうし、この数値を間違えて書くということは、失礼ながら軌道エレベーターの基本原理を理解していないと思われても仕方がない。
 私は『00』の軌道エレベーターを非常に高く評価しており、このブログで軌道エレベーターの中心構造体のことを「ピラー」と呼んでいるのも、『00』の呼び方がカッコいいのでパクったくらいです。
 記事は劇場版の内容までフォローしていたり、オービタルリングについて「このアイデア自体はイオリアのオリジナルではない」と現実の歴史を踏まえていたりと、丁寧な書き方がしてあって筆致に好感が持てるだけに、惜しい、惜しいよリョーコ・ウエダ!
 今回は残念でしたが、毎回興味深い解説をしてくれているので、これからも楽しみにしていますよリョーコ・ウエダ! いつか『00』の軌道エレベーターの全容が解明されることを祈るばかりです。




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