軌道エレベーター派

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エクアドル初の衛星、旧ソ連の宇宙デブリと衝突

2013-06-10 22:29:56 | 気になる記事
エクアドル初の衛星、旧ソ連の宇宙デブリと衝突
エクアドルが4月に初めて打ち上げた衛星が、旧ソ連ロケットの残骸と衝突した模様だ。引き続き軌道に留まっているようだが、送信は途絶え、制御不能となっている。(後略。msn産経ニュース 5月28日)

なんたる理不尽! ヽ(`Д´)ノ
 いやもうお気の毒としか言いようがない。エクアドルには何の非もない、とばっちり以外の何物でもなく、子供向けの教育用キューブサットというのがまた泣けます。まあ軌道投入する際の中国の技術には少々引っかかるものがありますが。
 宇宙条約では、締約国が打ち上げた物体が他の締約国またはその国民に損害を与えた場合には、当該締約国が直接に損害賠償責任を負わなければならないことを定めています(7条)。また宇宙損害責任条約でも過失責任が求められています(3条)。今回の場合両国とも締約国ですし、そうでなくても両条約とも国際慣習や法の一般原則とみなせるので、法的責任の所在に関しては議論の余地がないように思われます。
 じゃあこれで、旧ソ連の国家主権を継承したロシアが、すんなりエクアドルに賠償するのかというと、けっこう怪しいのではないでしょうか。4年前にロシア自身が同じような目に遭っていて、小型の科学衛星が中国の衛星破壊実験で生じたとみられるデブリと衝突し、中国は「ウチの国の衛星(の破片)じゃないもーんだみのもーんた」とゴネて揉めたらしいです(どっちもどっちだぜ少しは反省しろよう)。今回ロシアも同じ態度をとる可能性は決して低くなく、国際法の常として罰則がないので、すっとぼけられても追及が困難なのですよね。ちなみに4年前の件はその後どうなったのかは詳しく知りません。情報をお持ちの方、ご提供いただければ幸いです。エクアドルが保険に入ってるといいんですけど。

 いずれにせよ、ここんとこデブリの被害が深刻化してきているように見えます。もうケスラーシンドローム目前だという指摘もありますから、一日も早い、包括的な取り組みが望まれます。私的には、デブリの根絶には軌道エレベーターしかないと決してネタづくりではなく大真面目に確信しているのですけれども。
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