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どこかの馬の骨が…

2013-01-25 12:39:23 | 日記
「どこかの馬の骨…」

OMTを立ち上げたばかりで営業に都内をかけずりまわっていた時に、
ある人からいわれた言葉だ。

インターネットなどのようにお客様からダイレクトに問い合わせが
くるケースは別として、広告やコマーシャルなどの告知手段を使えない
会社は営業の際、必ずこちらからアクションをしかけなきゃならない。

まして、設立して間もない会社(いわゆるうちの会社のことやね)は、
社会に対してまったく信用がない。特に翻訳で仕事をするということは
陳列された商品を選ぶというものではなく、翻訳の品質をお客様が評価して
初めて仕事がくるわけで、お客様にとっても危険極まりない話だ。

そこで、トライアルを無料でやってそれから、という話になるのだが、
すでに発注ルートが定まり、信用も獲得しているところに、さて、新しい
会社を試してみるか、とはなかなかならず、トライアルさせてもらえるだけ
でありがたい。

どんなにカリスマ的な人だって、1回の訪問で自分の魅力を表現できる人
など知らないし、少なくとも私にはそんな魅力はない(自慢か!)

前に取引していた会社がよっぽど信頼を失うか、コケてしまい、仕事が舞い込む
というケースというのもあるかも知れないが、幸か不幸かうちにそういったケースは
ほとんどない。

Webサイトという便利な道具(確かに直接問い合わせがくるというのは、非常に有効な
手段だ。)があるが、Webサービスを専門にしている会社は別として、そこから、
お客様が「選択」するためには別のプロセスが必要だし、まして「信頼」を得るには
さらに先に行かなければならない。
Webからの問い合わせをまんじりともせず待ち続けるというのは工夫がなさすぎる。

私が尊敬しているある会社の社長は、

「スピード、対応力、小さな会社でしかできないこと、
自分に何ができるのかを考えなさい。」

とアドバイスしてくれた。

私は今でもその言葉を大切にして、それを実践するように心がけている。

「何か新しいサービス、他社にはできないサービス」といった自社の「強み」を
訴求していく以外にはない。

結局、「どっかの馬の骨」といわれようが、何度も足繁くお客さんのところに
いって、自分がお客さんに対して何ができるかを探り続ける情熱が必要だ。

確かに私はラッキーだったのだと思う。
この「どこかの馬の骨」に対して、仕事を出してくれたお客さん、そして
仕事を請けてくれた翻訳者の人たちはいた。

最近、仕事の引き合いも少しずつふえてきたが、こういう状況になると
つい大切なことを忘れてしまいがちになる。

何ができるか…
それを考えながら、明日は町に繰り出すことにしよう。

「どこかの馬の骨」が都市を闊歩する(笑)。


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