奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

文化は人生を面白くするスパイス~若市議東北ブロック研修Part2~

2016-10-17 21:48:38 | 日記

今日は、午前中に横手かまくらFM「もっと教えて、横手市議会」の収録があり、午後からは本会議場にてタブレット端末の操作講習会が行われた・・・

詳細は改めるとして、まずは前回の続き。


仙北市役所田沢湖庁舎での研修を終え、宿泊地であり翌日の会場でもある、あきた芸術村「温泉ゆぽぽ」へ移動。

秘書時代から何かとお世話になっていて、いつも来る度ごとに感じていたことであるが、わらび座の皆さんのおもてなしの心、さりげないお心遣いにはいつも感動させられる。

「たざわこ芸術村」から「あきた芸術村」へと名称が変わったことからも、この場所は秋田の財産であり、お客様に自信を持ってお勧めできる郷土の誇りである。

2日目の研修は、あきた芸術村・㈱わらび劇場の山川社長のご講演。



「今、地域劇場がおもしろい。」

東京からくる文化でなければ価値がないという時代は終わりを迎え、クリエイティブに表現する力、そのセンスを地域がどうやって身に着けるのかが重要だということである。

そういう意味でも、秋田人というのは四季の移ろいを体質として備えており、わらび劇場のモットーは、「衆人愛敬~心を育てるビジネスを通じて社会に貢献」ということで、「奇人」、「変人」こそが時代を突破できるのだという山川社長の熱い想いに、序盤からすっかりと引き込まれてしまった。

わらび座の歴史を紐解くと、さかのぼること1953年。

東京や大阪でなければ文化は成功しないと言われていた時代に、9名のパフォーマーが東京から秋田へ移り住んできたことがすべての始まりである。

地域に溶け込み、地元農家の方々の作業を手伝いながら、歌踊りを習ったというのがわらび座の原点とも言える。

全国800万人からの寄付を下に、田んぼの真ん中に建てられた「奇跡の劇場」は、今や年間200ステージ、5万人の来場者を誇る。

修学旅行の受け入れも年間150校を越えていて、観劇だけでなく受け入れ農家700軒と連携した農業体験も一体的に行っているそうだ。

インバウンド対策というものは、全国の地方の奪い合いに他ならない。だからこそ、周遊観光という意味でも北東北、東北一円がまとまっていくことが大切だということである。

地域連携、広域連携・・・

課題は明白、それしかない。

㈱わらび劇場が現在、ホテル経営や温泉、地ビールやブルーベリーの生産、工芸館の運営などを行っている理由はただ一つ、公演活動、劇団を守るためだそうだ。

それが、あきた芸術村の「芯」なのだ。

地方の第三セクターが行き詰まりつつある理由も、地方創生の名の下に、それぞれのまちが何をオンリーワンとして売り込んでいったらいいのかということを考えた時、よくよく考えていかなければならない大切な視点であるように思う。

「文化劇術と教育」というお話では、発達障害やひきこもりなどの問題というのは、言わば現代の社会構造が引き起こした産物であり、「演劇情動療法」という考え方の下、例えば認知症患者に演劇を観せることによって、「楽しかった」という感覚が脳の奥底を刺激し、豊かな表情を取り戻しているという事例も実際にあるようだ。

また、民間企業と業務提携を結び、社員教育を行っている点については、人気番組「カンブリア宮殿」でも取り上げられている通りである。

「コミュニケーション力とは、空気を読む力ではなく、互いの差異をすり合わせること。考える力より感じる力。喋る力より聞く力」という言葉がとても印象に残っている。

学力日本一と言われている秋田の子どもたちに、この感じる力が加わったら・・・

考えるだけでワクワクしてくるではないか。

物を売る物販があるように、感動を売る、文化を届けるというしかけをわらび劇場は取り組んでいるのである。

最近は「地域の宝物シリーズ」ということで、大曲の花火や、今冬には横手のかまくらを題材にした小劇場公演も予定されており、ぜひとも地域の子どもたちには、地元の宝をわらび座のミュージカルを通じて感じてほしいし、そのことによって更なる「感じる力」を育むことができるものと確信している。

私も小学生の頃、母校の小さな体育館のステージで、わらび座の劇を観させて頂いたことが、今でも強烈に印象に残っている。

本物を味わう経験というのは、人が豊かに育っていくうえで欠かせないスパイスなんだと思っている。

山川社長がおっしゃっていた、「地域に根差し、東北が一つになって」という理念は、私ども若市議の活動と一致している。

このご縁を大切に、これからも様々な場面でご指導頂きながら、東北の活性化のために共に歩んでいければと思っている。


午後からは、現在公演中の「ハルらんらん♪」のご案内を頂いていたが、地元行事のために失礼させて頂いた。

想えば、3年半前に秋田に帰ってきてからもここしばらくは、わらび座のミュージカルから遠ざかってしまっている。

そういえば、妻にもまだ観せたことがない。久しぶりに時間をつくって楽しませて頂こうと思っている。


改めまして、わらび劇場の身様には、心温まるおもてなしを頂きましたことに深く感謝申し上げます。
仙北市の地方創生特区の取り組みと同様に、わらび劇場の挑戦に、これからも心を寄せて参りたい。



追伸・昨日、横手市民会館を会場に行われた「第1回横手市子ども伝統芸能発表大会」。

地方創生事業の一環で今年度から始まった「横手を学ぶ郷土学」を具現化させる取り組みの一つである。

地域の祭りや伝統芸能というものは、それぞれの地域に根差したものである。

ともすれば、同じ横手市と言えども別の地域のそういった歴史伝統文化には、これまであまり関心を寄せてこなかったのかもしれない。

横手市民一人ひとりが、横手を改めて見つめ直すこと、横手の魅力を改めて深く知ることに繋がるとても大切な取り組みであると思う。

これからも、皆さんに支えて頂きながら、意義深いものに育てていかなければならないと思っている。

ありがとうございました。








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