奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

政策の魂を語りましょう~総務文教常任委員会協議会~

2017-05-31 22:58:06 | 日記

先週、24日(水)に開かれた総務文教常任委員会協議会。

新年度に入ってから2か月。やっとの開催である。

私たち総務の案件としては、大きく2つ。「ふるさと納税の新たな推進体制」と「横手デマンド交通について」ということで、ふるさと納税と聞いた瞬間、4月1日付で高市総務大臣より「返礼割合は3割以下とすること」、「金銭類似性や資産性の高いものは送付しない」ようにする旨の通知が出されたことを受け、所沢市など返礼品を送ることを取りやめた自治体も出てきていることから、横手市の今後の方向性を説明するものだと思っていた。

しかしながら担当課長の説明は、業務支援委託先をプロポーザルにより新たに選定したことと、寄付額前年度実績1億円あまりを今年度は3億円を目指すといったもので、その理由が隣りの湯沢市さんが3億円だからだというちょっとよく分からない目標設定であった。

このふるさと納税制度。確かに菅先生が打ち出した当時の理念とはかけ離れてしまった一面もあり、過剰な返礼品競争が繰り広げられている実態があるのも事実である。総務大臣通達を受けて、今まさに駆け込みのように高価な返礼品を求めてネットショッピングをするかのような消費者の姿が報道されている様子をみるにつけ、純粋にその自治体を応援したという気持ちなどどれほど持ち合わせているのだろうかと、少し残念な気持ちにもなってくる。

横手市がこの返礼品送付に参入したきっかけは、市長の「後出しジャンケンに負けてはならない」という言葉だった。

目標額3億円という数字をとってみても、トップの自治体は30~40億円という現状からすれば埋没している。フルーツなどの農産物が人気だというのも全国的な傾向である。横手市だけの話ではない。

だからこそ、数字で日本一を目指さないのだとすれば、横手市はふるさと納税制度にどのような価値観を見出し、何のために返礼品を送っているのかという揺るぎないビジョンがなければならないのだと思う。

応援市民。

横手を応援したいという意思のある方を、前年度1900人程から倍増の4000人まで拡大したい考えのようだ。

倍増というのは簡単な目標設定ではない。相当の覚悟があってのことだろうと思うが、どのようにして達成するのか具体的戦略ははっきりしない。

私は、除雪費はふるさと納税でまかなうという考え方もありなんだろうと思う。

「大雪で大変だよね」という横手を応援したい気持ちをカタチにかえること。そのことが、返礼品競争などという仁義なき戦いから一線を画し、真に横手を想う人に横手を応援してもらう仕組みづくり、その手段としてふるさと納税制度があるという位に割り切ってしまってもいいのだろうと思う。

よりよいものにしたいという現場の努力には敬意を表しつつも、「応援市民制度」という素晴らしい発想を前面に押し出した事業展開にこれからも期待したいものである。

2点目のデマンド交通。

一事業者による不正請求があったという、この制度を根底から揺るがす由々しき事態である。

市として全容解明をしてからとはいうものの、向こうの言い分とこちらの言い分に大きな開きがあるということで、すでに市役所がすべき仕事の範疇を越えているように思う。

問題の背景として、最近急増する高齢者の交通事故を受け、一方的に高齢者に免許返納を呼びかける論調には正直違和感を持っている。

免許証がなくても生活に困らない。安心してこの地域に住み続けられる環境整備は必須であり、まったなしに議論が必要である。

公共交通とはどうあるべきか?

考えてみてほしい。都市部の電車や地下鉄、バスにどんな人が乗っているかということを。

通勤通学の人。学区を越えて私立の小学校に通う子どもたちは、7歳からすでに満員電車を経験している。

病院に通う人。買い物に出かける人。外国人を含めた観光客。

利用する目的は違えども、公共交通というものは、その人にとって今日一日の生活を豊かに送るうえで欠かせないものであり、もっと言えば、人の生きる術でもある。

そこに、都会も田舎も関係ない。

デマンド交通が、私たち地方都市における一つの手法になっていることは紛れもない事実であるが、未来永劫続く答えであると言い切ってはいけないのではないか。

今回のこの事例を深く受け止めて、安心安全のまちづくり、いつまでも住み続けられる横手市にしていくための議論を、多くの市民を巻き込んで展開していかなければならない。

今、そういうきっかけを与えられているのだろうと私は思う。

と、ここまでは前向きに受け止められる案件ではあったが、「その他」でぶっこんできた4件に血管が切れそうになった(笑)

組織機構再編を専決処分で行った?

こんな大事な手続きを忘れたのか、あえてそうやったのか知らないが、あり得ない無責任無関心体制を象徴する事案である。

続いて2つの地域局庁舎整備に関することで立て続けに説明されたのだが、私たちが3月議会に全会一致で認めた予算の解釈を変えたいという方針に、思わず声を荒げてしまった。

3月議会、私がどういう気持ちで予算案に賛成したのかお分かりですか?
議会の議決を何だと思っているんですか?

「認められた予算の範囲内である」という屁理屈で、勝手にエレベーターの設置場所を捻じ曲げたことが許されるという感覚が何も変わっていないということなのだろう。

仮に解釈変更せざるを得なくなったのであれば、担当委員会のしかも協議会にその他の案件で資料なしで口頭で説明するのではなく、その理由を正々堂々我々に説明し、必要になった部分を新たに補正予算として提案すべきではないのか。

そもそもの全体の方向性が何も定まっていないのである。政策の魂を語れないのである。

そのことを現場に求めるというのは酷だと分かっていても・・・

そして、あの増田庁舎のカフェ撤退の件。

これもその他の案件で、出されたペーパーには、時系列に事細かに誰が何を言ったのかという経緯が書かれていた。
まさに、お役人の性である。現場のあなたたちに直接の責任はない。私もそう思いますよ。

奇しくも、地元からはあの場所を有効活用するための提案がいくつかなされているようである。にも関わらず、カフェを運営する事業者を再募集すると言う姿勢には、全くもって理解できない。

増田庁舎オープンリノベーション事業の大失敗を潔く認め、その責任の所在を明確にし、素直に頭を下げるべきである。

そうしなければ、地域の方々を含め、失われた信頼回復などできるはずもない。

3時に始まった協議会が終わったのは6時半。
クールビズが始まったとはいえ、みんな汗だくになりながらの議論であった。

こういう悶々とした流れで6月議会に突入することになる。何だかなぁ・・・


追伸・今日はチャレンジデー。

地元大雄地域では、防災無線で10時と3時にラジオ体操が流れ、途中何度も「家事でも農作業でも散歩でも、体を動かした方は地域局まで連絡してください」という放送があった。

敢えて、スポーツ立市を掲げている横手市。

様々なイベントが行われてはいるものの、この日だけでも広く市民が一緒になってスポーツを楽しむことのできるしかけがもっとあるような気がしている。

「ぜったいに負けられない横手市」。速報の参加率が104%のようだ。これってどういうこと???


リーダーシップ~全国若手市議会議員の会研修会in信州・佐久

2017-05-29 22:55:52 | 日記

今日は、来週6月5日(月)から始まる6月議会の議案説明会が行われた。

一通りの説明に対して議員側からの質疑はなし。私的には唐突感のある案件が含まれていたように思う。聞かれなければ説明しないという姿勢なのであれば、本会議でじっくりやるだけです。

所管委員会でも協議されていないようで、少なくとも事業展開するねらい、背景位は語ってほしいものだ。


さて、昨日のブログで予告していた通り、先週22日(月)に長野県佐久市を会場に行われた全国若手市議会議員の会役員会と研修会の報告をいたします。

本来であればじっくり一泊して同志たちと意見交換をしながら充実した研修会にしたかったところであるが、前日から田植えが始まったということもあり、さすがに2日留守にするわけにもいかず強行日程となった。

もっとも、大宮から50分弱ということで十分日帰りが可能で、冒頭、先般の市長選で再選を果たされた、私たち若市議のOBであり青年市長でもある柳田市長のご講話の中にも、長野県佐久市の優位性ということで触れられていた。

東京から新幹線で75分圏内という近さで、しかも熱帯夜が1日もなく市内に活断層が確認されていないという条件が、市長ご自身が日本一の病院だと太鼓判を押す佐久総合病院を核とする、昭和19年から脈々と築かれてきた地域住民との信頼関係を基軸にした安心安全の健康長寿のまちであるという揺るぎない誇り。

優位性。

真の地方創生を進めていく上で外してはいけないキーワードであると同時に、そこに暮らす住民はもちろん、様々な観点で「選択」される自治体のトップとして必須条件である信念と哲学を持ち合わせた只者ではない青年市長である。

「100が105になる社会は、増えた分をを分配していけばいい。100が95になる社会では、マイナス5を誰が担うのか。そのための合意形成が必要だ」という考え方は、若きリーダーとしてこの国の未来をブレずに見据えている証であるように思う。

引き続き行われたパネルディスカッションでは、柳田市長、全若の伊藤会長をはじめとする幹部の方々を加えての地域医療をテーマとした有意義なやりとりが行われた。

私自身、一昨年の厚生常任委員会の行政視察で佐久市を訪れた際に、健康長寿をキーワードにした勉強をさせていただいたこともあり、大変興味深く拝聴した。

「目の前の人の命を救うこと」

それが医療従事者にとっての最大のモチベーションであって、その意思を最大限尊重しサポートをしていくことが、地域間格差の広がる医師不足の問題を考える上でも、自治体病院の健全な運営を続けていく上でも大切な視点である。

確かに、私たち横手市においても「健康の駅事業」が注目をされており、全国各地の議会から行政視察にお越しいただいている。しかし、「健康の駅」の取り組みは決して完成形ではないのだと思う。

実際、パネラーを務めた各議員から紹介があったように、予防医療の提案ということで、定期診療のパーセンテージを確実に上げていっている自治体や、健康フェスタというイベントを年に4回開催していたり、健康ポイントプロジェクトということで、万歩計を配布して歩いた分様々な特典が得られるという大変ユニークな取り組みをしているところもあるようだ。

私たちも、様々な健康推進事業の取り組みが医療費の抑制にどれだけ結び付いているのか、健康長寿につながっているのかという成果を示していかなければならないのだと思う。

そのことが、高齢先進県である私たち秋田県内の自治体が、「選択されるまち」として生き残っていく術であり、未来につなげていく方策でもあると信じている。

私たちは、何のために全国各地に500人もの若手議員のネットワークを形成しているのか。

東北ブロックの役員として参加するようになってから3年で感じたこと・・・

それは、揺るぎ無い議会改革を進めることによって、市民の信頼、負託を得ていくために他ならない。
そのためのヒントを探す場所であり、井の中の蛙にならずに切磋琢磨し続けていくための刺激的な場所なのだ。



佐久平駅。

先述した通り、一昨年の横手市議会厚生常任委員会の行政視察と全若総会で訪れて以来早くも3度目の、もうすっかりおなじみの場所である。

そして、長野の蕎麦はやはり格別ですね。

地元の小林・大井両議員には改選後の慌ただしい中、大変お世話になりました。北信越ブロックのみなさまもありがとうございました。次は東北でお待ちしております。


追伸・やれない理由を並べるのであれば、そもそも「議会改革」って何なんだろう?合意形成を経てそれを乗り越えていくことが改革でしょうよ。

議会基本条例の検証を丁寧に行い、実情に即したよりよいものにしようと、これまでみんなで一生懸命に議論してきた意味が分からなくなってしまう。

当局と切磋琢磨しながら、市民のためになる真の政策論争を展開できる議会になるためには、当局の姿勢をどうのこうの言う以前に、私たち自身も変わっていかなければならない。議会全体が、である。


田植え終了。いざ、6月議会!

2017-05-28 22:41:26 | 日記

恐ろしく久しぶりの投稿となってしまいました。

この時期は農作業に没頭しているため、夜にパソコンを開く気力がありません。
(何を言っても言い訳ですね。すみません。)

先週21日(日)に始まった我が家の田植えは、途中私の出張やら公務やらで一時中断せざるをえなかったものの、本日無事に終了しました。

雨の日も晴れの日もトラクターの中にいて、考え事をする毎日。





今年は春先から気候が安定せず苗の生育が遅れていて、予定通りに田植えができるか心配だった。
それでも、いざ始まってみれば汗ばむ毎日。腰痛と筋肉痛が、しみじみ達成感となって表れている。

家族経営であることから、私の役目は今年もパワー系の苗運び。水を吸った青々とした苗はずっしりと重く、なかなか消耗するんです。





10分以内に現場に戻ることを自分に課しながら、これ以上面積が増えたら稲作一本の家族経営で対応できるのだろうかと、みんなの体力を考えると不安になってくる。

私たちが普段何気なく口にしているもの。その全てに地道な作業の積み重ねがあり、生き物を育てること、ものづくりの奥深さを痛感している・・・

この3週間、決して田んぼにいただけではなく様々なことがありました。

敢えて特筆しておくべきこととしては、19日(金)に行われた、元三重県知事で早稲田大学名誉教授の北川正恭先生をお招きしての、「これからの地方議員に求められるもの」と題しての意見交換会。

「日々の議員活動をしっかりやれ」と力強いご指導を頂きましたが、特に印象的だったのは、「今は、執行部と議会が対等な関係で競争をする時代」であるということ。

与党とか野党とかそういう関係ではなく、いいことには賛成して、だめなものにはしっかりと反対できなければ、「議会の存在価値はない」というご指摘はごもっともだと感じた。

「当局の提案するものに間違いはない」などという考え方は時代遅れで、チェック機能を果たしていればそれでよかった議会というものは遙か昔の姿である。それ以上に、市民の声を聴いて政策提案していくことが議会の役割だということである。

そのためには、個々の議員がバラバラに自己主張し合うだけでなく、もっと言えば、選挙目当てのパフォーマンスや信念なき正義の味方気取りなど所詮ワンマンプレーであって、チームとしていかに議会全体の権威を高めていけるのかというのは、やはり議会のトップである議長の資質、強いリーダーシップによるところが大きい。

議会事務局の協力を得ながら、終わりなき議会改革に向けてブレずに邁進していくことこそ、二元代表制の意義であるということを強く感じた次第である。

そのことが、「議会って大切だよな」という市民の信頼を得ていくことにもつながるものと思う。

「議会はバラバラだ」というご指導を頂くのは、当局に対する我々の向き合い方、考え方に問題があるような気がしてならない。

この日は全議員参加ではなかったものの、こういう刺激的なお話を共有できたことに意味があるものと思う。

おかしいことにNOとはっきり言えて、少しでも前向きなことに躊躇なく取り組みやすいような雰囲気づくりもリーダーシップなんだろうと思う。

そういう意味で、22日(月)に長野県佐久市で行われた全国若手市議会議員の会役員会・研修会も「リーダーシップ」がキーワードだったし、24日(水)に行われた総務文教常任委員会協議会では、相変わらずの当局の姿勢に思わず声を荒げてしまう一幕があった。議会を何だと思っているのか?

詳しくは次回に。

明日は、6月議会に提出される議案説明会が行われます。
議案書をみる限りでは?な案件がいくつかあります。いずれにせよ、明日の説明を拝聴してからになります。


ゴールデンウィーク。

2017-05-07 22:35:07 | 日記

今年のゴールデンウイークはおおむね晴天に恵まれましたね。
農家にとっても貴重な時間で、月末の田植えに向けての着実に作業を進めることができました。

毎年恒例の堰ばらい(水路の泥あげ)が2日あり、田んぼに水を引くために欠かせない地域活動である。

それぞれの水系によって農地の持ち主に声がかかえるわけであるが、様々な理由から離農する方が年々増えていて、特定の農家や法人に農地が集約されていく状況が私の地域でも起こっている。

4年前、東京から故郷に帰ってきて初めて参加した地域活動がこの「堰ばらい」である。

10年後の横手市農業の姿を想像した時に、見渡す限りに広がるこの農地を誰がどうやって維持していったらいいのだろうか。「担い手の育成」という、言うは易い課題が重くのしかかっていることを今年も実感している。

私自身この連休中は、日中はほぼトラクターの中にいた。



5年目の田起こし作業。リース事業を活用して今年から新しいマシンに乗車している。

決して私の腕が上がったのではなく、機械の性能がとてつもなく進化しているのです(笑)

昨年までは厚手の上着を着込んでの作業であったが、今年からはエアコンが効いている車内でラジオも聴くことができる。

横手盆地のど真中にある私の地域は、地元の横手かまくらFMはもちろん、湯沢市のFMゆーとぴあ、大仙市のFMはなびもかなりクリアに受信することができる。

日本一の面積を誇る横手盆地。FM放送をとってみても、もっともっとこの地域は連携をしていくことができるのだと思う。

田起こしは堅い農地を耕す作業で、焦らず地道に一歩ずつが信条である。

孤独な空間というのは、自分自身を見つめる時間であると同時に、様々なことを深く考える時間でもある。

トラクターが曲がらない程度にですが(笑)

正解なんてないし、先の事は誰にも分からない。でも、やる時はやらなければならない・・・


追伸・3日(水)の夕方、トラクターに乗っていたら父から「火事だぞ」との声がかかり、急いで消防団の半纏をまとい現場にかけつけた。

枯草焼きが隣りの農地にも燃え広がってしまったようで、私が到着した頃には消防車による放水ですでに火は消えていて、煙だけがくすぶっている状況だった。

乾燥している日が続いていることで、「ゴミ焼きや枯草焼きはやめて下さい」という放送が防災無線から連日流されているにも関わらずの火災発生は誠に残念である。

分別して集積所に出せば、家庭から出るゴミは回収してもらえる時代である。何も難しい話ではない。

裏庭で毎日ごみ焼きをするような時代ではないし、そもそも、何のために「クリーンプラザよこて」があるのか。

「自分は大丈夫だ」

きっとそういう心情があるのだろうと思う。

被災地での様々な教訓を聴いてきて危険だなと思うのがこういう考え方である。必ず起こる災害に備えなければならない時、この根拠なき自信が一番危うい。

火災予防と危機管理。

今やるべきことにきちんと対応していくこと。まずはそこから始めなければならないのだと思う。

火の用心。無火災が一番です。