おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

秀吉の接待

2008-06-29 19:19:29 | 歴史
「秀吉の接待」 二木謙一著 学研新書

 本書のような地道な研究が、歴史に埋もれた真実を明らかにし、歴史の解釈・探求に貢献するのだろうけれど、個人的にはつまらん。
 ブックカバーを読んだ印象では、秀吉の軍門にくだり、遂に上洛して秀吉に接見する毛利輝元の心中の葛藤・揺れのようなものが記載されていると期待したが、誰に会った、同席者は誰だった、土産はなんだった、服装はなんだった、というように、淡々と事実が繰り返されている。退屈。

 唯一面白かったことは、足利義昭の記載。今まで、織田信長に京を追放されてからは、歴史に中に埋もれて淋しく死んだと勝手に思っていたが、その後が記載されていた。
 義昭は信長に京から追放された後、毛利家の保護のもと、12年間にわたり毛利の領内に滞留し、その後、豊臣秀吉に許され京都にもどっていた。1万石の知行を与えられ、出家していた。
 徳川慶喜もそうだけど、最後の将軍て幕府の終りとともに、華々しく散るのではなく、地道に余生を過ごしている。幕府存続のために尽力して死んでいった部下は浮かばれるのだろうか...
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日本経済、どん底への転落

2008-06-22 20:57:32 | 経済学
「日本経済、どん底への転落」 水谷研治著 NTT出版

 まったくもってそのとおり。膨大な財政赤字を抱える日本が、このまま何もしなければ、悪性インフレに突入するという警告書。

 現在の国民は、財政赤字によって、総じて幸せな生活を得ているが、国債はいつか国民が返済しなければならない借金。すなわち、今の子ども世代は、自らが作ったわけではない借金の返済に追われることとなることは自明。

 筆者は、3年~5年程度の不況を覚悟し、今こそ財政再建・増税が不可欠と主張。子どもを持つ私も同感。なぜ、この国は、高齢者を優遇し、この国の未来を背負う子どもに冷たいのか。誰が見ても国家が破綻しているのは明白なのに、政治家は目の前の選挙しか考えないのか。メディアも、長期的な視点にたって、財政赤字の削減の必要性をなぜ訴えないのか。
 悲しい。
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一度も植民地になったことがない日本

2008-06-15 08:20:24 | 国際(欧州・米国)
「一度も植民地になったことがない日本」 デュラン・れい子著 講談社

 国際結婚して海外に住む筆者の異文化体験を中心に書かれた本。学者による体系的な分析ではなく、あくまで筆者の体験であり、これで海外から日本人がこう見られてると断言できるもではないが、読んでいて楽しい本。

 このての本は、だから日本はダメ、みたいない内容が多いが、海外で孤軍奮闘し日本の代表者のごとく日本を擁護している筆者に共感。がんばれ!

 駅弁は世界に誇る食文化とか、個人向けの宅配便は日本だけとか、マンガはフランス語になっているとか、日本のすばらしい点を紹介している。

 驚いたのは、マスターズ・カントリーという英語があること。和訳すれば「ご主人様の国」、すなわち、ヨーロッパ人から見れば、他のすべての地域は、植民地となったことがあり、征服された地域でったということ。これって、差別意識だな。

 
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不機嫌な職場

2008-06-07 09:55:14 | ビジネス
「不機嫌な職場」 高橋克徳ほか著 講談社現代新書

 中間管理職のサラリーマンの私。納得・同感できる部分が極めて多い。現在の会社における職場環境を分かりやすく・的確に分析している。

 IT化と成果主義が一人ひとりの仕事を明確にし生産性の向上をもたらした反面、職場のあそびをなくし、他人への協力関係を低下させたこと。厚生行事や飲みなどのインフォーマルな活動の縮小・廃止が、社員の評判流通や情報共有機能を低下させたこと(知った人からの頼みはなんとかしてあげる、という人の自然の思いが働かない)、企業による終身雇用が空約束となったことから、社員が自らのスキルアップに有利不利で行動すること(会社のため、同僚のため、という行動の低下)。
 すべて、そのとおり。まさにこれらが、職場による協力関係を低下させている。

 仕事は個々人の成果の足し算だけでなく、協力し組織力を発揮することで高度化するもの。ここの重要性を分かりやすく説明してある。

 これらの解決方法として、グーグルやサイバーエージェントなどの取り組みを紹介。すばらしい解決方法だが、均質で若い社員の集団であることも利点のような気がする。
 歴史の長い大企業で、社員の年齢・考え・専門分野も多様な組織では、なかなか社員を同じベクトルに向けることは難しい。
 
 でも、いろいろ示唆に富む解決方法もある。私も、同僚・部下の話は前向きに聞く、業績意外でもいろいろと承認する(ほめる)、インフォーマルな集会・活動にも顔を出し縦横ナナメの人間関係を構築する などはどんどんやろう。
 
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原子炉の暴走

2008-06-01 12:52:27 | エネルギー
「原子炉の暴走」 石川迪夫著 日刊工業新聞社

 こんな本が出版されるのを待っていた。原子力に反対する方にぜひ読んでほしい。文系の私にもわかりやすく,原子炉とは何か,臨界事故とは何かを説明している(もっとも,細部を気に出すと物理学の高尚な世界であり分からないことが多いが,それは読みながした)。
 原子炉の安全性を確保するために,アメリカのSL-1事故をきっかけにどのような研究が積み重ねられてきたかは,大変興味深く読める。
 
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