おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

電気の未来 スマートグリッド

2011-11-13 18:34:36 | エネルギー
「電気の未来 スマートグリッド」 大山力ほか著 日本電気協会

 電気新聞の連載をベースにQ&A方式で、スマートグリッドについて様々な角度から解説している一冊。初心者にもわかりやく書かれており、スマートグリッドについてよく理解できる。また、冒頭に震災がもたらした電力危機についても説明している。

 スマートグリッドという言葉はいたるところで見たり聞いたりするが、その定義は未だ明確になっておらず、その起源も不明。本書では、2003年頃には使われていたとし、定義は収れんまでしばらくかかるとしているが、電気系統につながっている様々な器械・装置を情報通信技術でつなげていくことは共通と解説している。
 主な記載内容は以下のとおり。
  ・国際標準化の動きが進んでおり、日本の技術がガラパゴス化しないようにすることが大切
  ・スマートメーターの導入が日本は遅れている(イタリアはほぼ設置、スペインは2018年、イギリスは2020年までの導入を義務化)
  ・スマートメーター導入のメリットは、①検針や契約の自動化、②家庭内の機器の監視・制御など
  ・スマートグリッドのキーデバイスとしての蓄電池への期待
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「人口激減 移民は日本に必要である」

2011-11-13 18:02:34 | 政治
「人口激減 移民は日本に必要である」 毛受敏浩著 新潮社

 今後急速に進む日本の人口の減少と少子高齢化。これがもたらす労働力の減少、社会の活力低下といったマイナス面を克服するために、筆者は積極的な移民の受け入れを本書で主張している。
 筆者の主張する移民受け入れのメリットは以下のとおり。
  ・ 農業、医療、介護、中小工場など日本の若年層が従事せず、人手不足に悩む業種へ外国人を受けれる。
  ・ 外国人留学生は日本人より起業意欲が高く、彼らが起業することで日本社会に新しい風を吹き込む。
  ・ 外国人を対象とした新しいビジネスが生まれる。 など

 私も移民の受け入れ拡大に基本的に賛成であるが、本書はあまりにも移民受入れをバラ色の未来で描き過ぎている(筆者は草の根の国際交流の経験が深いようで、その個人的な成功体験の影響を強く受けているかも)。
 例えば、単に低賃金・単純労働の担い手として受け入れるということは、社会の階層化をすすめ、社会の不安定化をもたらす危険もあるのではないかと感じる。
 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仕事ができる社員、できない社員

2011-11-06 21:07:12 | ビジネス(マネジメント)
「仕事ができない社員、できない社員」 吉越浩一郎著 三笠書房

 経営者として実績をあげた筆者であるから、全体的に納得力が高く、自分自身で実践しようと思うことも多かった。
 読み始めた最初のころは、「世の中すべて競争」、「時間を見つけて勉強」、「ビジネスマンであれば独立を志すべき」、「本当に身につけるべきは普遍的な能力。英語はその筆頭」ときたので、ありきたりのビジネススキルの本かと思ったが、読み進めるうちに、次のように共感・納得すべき事項がでてきた。
 ・いい本を読むことで「常識力」が養われる。本を読むときは、内容を咀嚼して自分のものにできるのが仕事ができる社員
 ・仕事が終われば、相手が抵抗勢力であっても、「あなたのおかげで仕事ができた」という考え方で接する
 ・「上司」ではなく「仕事」が部下を育てる。したがって、部下にはできるだけ大きな仕事を与える
 ・仕事のために、健康維持の睡眠と家庭の充実が必要
 ・過去のやり方を新しいやり方にはめ込んでいく

 日々の生活で実践できそうなことが多く、読み終えたらすぐに再度読んでみた。明日から頑張ろう。
 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暴力団

2011-11-04 22:17:51 | 社会
「暴力団」 溝口敦著 新潮新書

 暴力団の概要を理解できる一冊。
 筆者は、日本の暴力団は法的(=暴対法)にその存在が認められた世界的にも珍しい組織であるが、近年の締め付けで衰退してきており、将来的には非合法な犯罪組織として地下にもぐり、マフィア化するとしている。

 面白いのは、暴力団対策法が1992年に施行されてから20年近く経つのに暴力団がなくならない現状を踏まえ、暴力団対策法は警察と暴力団が共存共栄を図る法律であり、警察も本音では暴力団がなくなると暴力団専門の部課がなくなり困ると指摘している点(事実がどうかはわからないが、そう思われてもしかたないかも)。

 また、暴力団に入るメリットがなくなってきていることから、暴走族や不良少年は関東連合OBのように「半グレ集団」を形成し、暴力団の代替勢力として拡大している点もなるほどと納得。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする