ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

橋、そして地下道  或る晴れた土曜日の午後

2009-11-09 11:33:32 | 第1紀 生きる
先週、土曜日の午後は穏やかな天気だった。

店を早めに従業員に任せ、街の探索に出る。

それなりのテーマはあった。

しかし、最初の仕事の「目的」、そしてワタシの食い意地を満たすはずの「うどん屋」はあるべき場所に無かった。

ろくに調べもせず、確信めいて道をたどるが、往々にしてそこにはないという場合が多い。

ただの思い込みであれば、またネットでググりながら訪れよう。

もう胃の中は「うどん」の気持ちで満たされていたので、他のものを食べる気にもなれず、空腹のまま駅前のコイン駐車場に車を止め、街をさまよう。

駅裏、いや「裏」ではない立派な都市、駅「西口」への地下通路を渡ると、空き地で何か催事をやっていた。

ああ、これも今日の目的と忘れかけていたものを取り戻す。

役所仕立ての催しは、やはり取ってつけたようなものだったが、以外に真面目な地方団体やその外郭団体など参加も多く、見るだけの勉強はできた。

そのまま、線路に沿って、北の方向へ歩く。

初めての道。

たぶん、この付近にお住まいだろう方の後を見ながら、見知らぬ道を歩く。

右には東北本線の幅広い線路があり、高架道路しか行く道はないのかと、見当をつけながら歩くと、何の予告も無く広い道の真中に地下通路がおいでおいでをする。



以外に利用者が多いのは、やはり鉄道で遮られた東西の行き来が多いからなのだ。

盛岡は、川と鉄道に遮られた街なのだとつくづく思う。

その地下道を抜けると、ワタシには見知らぬ街が待っていた。



そして、さすがにシャッターの締まり切った店も多いが、遠い昔の商店街がそのまま残った風情で、居酒屋もスナックも布団屋も駄菓子屋も和装店も郵便局も、あるべきものはみな揃っている、猫も軒先の花の鉢も広報の看板も、ああ、ここは今でも「街」なのだ。

夕顔瀬という、これも風情のある名前を持った街の大通を歩き、見慣れた広い道路に出る。

先程はすれ違えば挨拶が自然に交わされる街だった。

広い道路に出て、反対側の歩道をしばらくあわぬ知人夫妻が歩いていたが、片側二車線、右折車線付きの交差点の向こう側まで声が通らぬと思い、黙って見守る。

挨拶などできもせぬ広い道が、たぶん「便利」な道なんだろうと思うしかない。

車様中心の、そう税制も補助金も、そりゃあそうだ産業の中心だなどと、ぶつぶつ自分に言い聞かせながら、交差点を渡り、夕顔瀬橋へ。





川に降りる大きな木の根元に、「巌鷲山(がんじゅうざん)」の名が刻まれた石塔。

少し山頂付近に雪を頂いた岩手山が川の向こうに見える。

思ったより駅からだいぶ歩いたみたい。

土曜日、午後。

「材木町よ市」の裏口にたどり着いた。

今日の散歩の目的、その三 である。

開始時刻3時前であるが、出店者はすでに準備が整っている。

「よ市」も今月を残すだけ。

12月から冬の期間はお休み。

産直の野菜も冬のものとなって、果物も多く出ている。

知り合いに何軒か声をかけながら、今日はドイツパンにも、古美術とやらにも、カツサンドにもひっからず、いや五枚橋さんのリンゴワインを相方のために一本選んで正面口に抜け出る。



いつも開店前に売れ切れてしまう、目当てのだんご屋は今日は見かけず、心残り。

芋の子汁、三百人前を用意するという知り合いの町内会事務局の方にも声をかけて「よ市」を去る。

冬が、いまそこで待っている。





(旭橋から巌鷲山=岩手山を望む)



(またまた地下道。旭橋の地下道は迷路で、迷う方多し。公共迷路である。公僕どもはなんと考えているのか。その地を知らぬ利用者に、地名だけの看板ではわからぬだろうと、気も回らぬのなら、一日、地下道にいて利用者に聞いてみたらいいものを。)


PS:「よ市」の定例メンバーで、つい最近まで大通店のお隣で営業していた「Velvo」さんが、城西町の「マルイチ タストバン」の向いにオープンしたそうです。カレーと燻製の名店。日月火は17:00~24:00、水・金・土は20:00~26:00。定休日は木曜日。電話番号は019-624-3909。「よ市」「民謡酒場」には毎週出店しているようです。写真を参考あれ。



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