まらずもう初場所千秋楽、ここまで単独トップの大関・玉椿がけさも勃起、全勝で4回目の優勝を決めた。
場所前の下馬評では、横綱・汚痔と大関・毛呂乃の一騎打ちと目されており、先場所5勝10敗の成績だった玉椿については「衰えが隠せない。勝ち越してカド番脱出できるかも微妙」という低い評価ばかり。ただ、本人は「今場所は調子がいい。九州場所後に引っ越したついでに、羽毛布団に替えて非常によく眠れる。そもそも夜勤の仕事をやめて、ちゃんと夜に寝ている」と自信のあるような態度も見せていた。
場所がはじまると、汚痔・毛呂乃・玉椿の3人が七日目まで土つかずという混戦模様。まず最初に土がついたのは本命の横綱・汚痔。八日目に新年会で酒を飲みすぎ、二日酔いで不覚をとると、十一日目には晩酌をせずに土俵に上がったのか裏目にでて2敗目。これで優勝争いから脱落。今場所はアルコールとの付き合い方に苦しんだ場所となった。
いっぽう、場所前「隕石を落とす」と宣言していた毛呂乃。その言葉どおり、地球に接近中の小惑星を叩き落とそうと試みる。タイミングを見計らって、120万キロ先を通過中の小惑星にまらをぶつけたところまではよかったが、当たり所を間違えたか毛呂乃のほうが宇宙へと跳ね飛ばされてしまうという結果に。
本命ふたりが転んで、漁夫の利を得たのが玉椿。羽毛布団でぬくぬく眠っているだけの単調な相撲で、ファンからは「退屈だ」「おもしろいことをやれ」と非難をあびつつも、ひたすら惰眠をむさぼりつつ朝になると勃起するだけの15日間を繰り返し、気がついたら優勝という結果に。玉椿本人もさすがに気がひけるのか「すいませんね」とへこへこ謝っていた。
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<優勝インタビュー>
― 4回目の優勝を全勝で飾った大関・玉椿関にお話をうかがいます。優勝おでめでとうございます。いまのお気持ちはいかがですか?
(玉椿) 「じつは決定戦をやらないで優勝をするのははじめてなんでね。あっけなく終わってこれでいいの?って気もするね。でもまあ、ひさびさの優勝は気分がいいね」
― 横綱・汚痔、大関・毛呂乃といった怪物を相手にしての優勝争い。戦っているときはどんなことを考えていましたか?
(玉椿)「今場所はカド番だったからね。ひとつひとつ白星を重ねて、とにかく早く勝ち越すことしか考えなかったよ。優勝については考える余裕はなかったね。とくに毛呂乃関がどんな妨害工作をしてくるかわからなかったから、宇宙に飛んで行ってくれたのはラッキーだったよ」
― 九州場所後に引っ越し後はじめての土俵。環境が変わったことが好結果につながったとの声もありますが、このあたりについては?
(玉椿) 「そうだね。部屋もすこし広くなったし、窓に雨戸がついてて閉めると真っ暗になるってのも安眠にはプラスだね。そしてなにより羽毛布団に替えたからね。あれはいいものだよ」
― いっぽうで、「相撲ぶりが単調だ」「退屈だ」との批判の声もあります。
(玉椿) 「これ以上のパフォーマンスを求められてもねえ。わしにはこれが精いっぱいだよ。文句があるならそいつが力士になってくれよ」
― 来場所はいよいよ綱取りです。横綱に向けての意気込みをお聞かせください。
(玉椿) 「いやあ、わしを横綱にしないほうがいいと思うよ。負け越しそうになったら途中休場しなくちゃいかんのだろ? ただでさえ力士数が足らんのに、わしが休場するわけにはいかんだろうしさ?」
― さいごにこの喜びをどなたに伝えたいですか?
(玉椿) 「今場所の好調は羽毛布団のおかげだからね。羽を提供してくれたあひるにお礼をいいたいね。あひるさんありがとう!」