1/31虫

2009年01月31日 | 虫写真
2008年8月上旬写真。

一応目を合わせようというそぶりはみせるカメ子。
ですがその心はどこか遠くの桃源郷をさまよっているようです。


こちらは関心を示すふりをする労すらとらないカメ子。
その面貌は、仏様のそれすら彷彿とさせる穏やかさです。


もはや無心を通り越して、幼虫でありながらすでに枯れ果てているカメ子。
世に従へば身苦し。従はねば狂ぜるに似たり。
ならば、従わず逆らわず、流れの外に身を置くのも一興かもしれません。


カメ子のひそみに倣い無私たらんとするも、まだ執着に体が強ばっている、クチブトゾウムシの類。
己の心身を損なうのは常に己の我、欲望です。
虫とは無私、ムシの境地は奥が深いのです。

1/30虫

2009年01月30日 | 虫写真
2008年9月上旬写真。

爽やかな秋空に輝くススキの穂にひっつく、むさいカタマリ。
コアオハナムグリのようです。
一般に花に来る虫というのは、どういうわけかむさ苦しい輩ばかりです。


ススキは風媒花のような気がするのですが、あきらかに頭を潜り込ませてます。
暑苦しい容貌を恥じて、ところ構わず顔を隠しているだけなのかもしれません。
外見は野獣でもハートは乙女です。


一方こちらは全身脱毛済みの、ツマジロカメムシ?
ただ、あざといまでのてかり具合と屁をこきまくる性癖から、人気はいまひとつ。


当人は委細お構いなし、上機嫌でお食事中。
やはり一番幸せなのはただのバカです。

ゼラニウム

2009年01月30日 | その他植物

2008年5月写真。

ゼラニウム。
別名・テンジクアオイ(天竺葵)。

南アフリカ原産で江戸時代に日本に持ち込まれた、鉢花としておなじみの、ペラルゴニウム属の園芸品種。
温度さえ確保できれば周年開花し続ける人気の鉢花だが、茎葉になんとも形容しがたい悪臭を持つ。
ハーブとして利用できる「ハーブゼラニウム」と呼ばれる種類もあるが、これまた芳香と呼べるかどうかは微妙。

ゼラニウムもペラルゴニウムも同じ仲間だが、一般的にゼラニウムと呼ばれるのはゾナーレ種とインクイナス種を親とした園芸品種。
ペラルゴニウムの名で出回る鉢花は、ゼラニウムとは別系統の園芸品種で春から初夏の一季咲き、また臭いもあまりきつくない。

「ゼラニウム」はリンネによる旧属名。
和名は「天竺葵」だが、渡来したのはオランダから。「天竺」というのはインドのことではなくて、舶来ぐらいの意味合いらしい。


 フウロソウ科 ペラルゴニウム(テンジクアオイ)属
属名のPelargoniumは、ギリシア語のpelargos(コウノトリ)に由来し、実の莢がコウノトリの嘴に似ていることから。
花言葉は「安楽な生活」「尊敬と信頼」「真の愛情」「決意」など。

1/29虫

2009年01月29日 | 虫写真
2007年8月下旬写真。

羽が透けてるからといって少々図に乗っている、ツゲノメイガ?
何様かは知りませんがふんぞり返りすぎです。


下々に興味はないといわんばかりの澄まし顔。
蛾というやつは、ちょっときれいだからとちやほやされると、すぐこれです。


増長はとどまるところを知りません。
ひっくり返って蝶よろしく4本足で止まったりと、見せびらかしにもほどがあります。


なにより許せないのは、メイガ科ではなくツトガ科出身であるというのに、名門の「メイガ」を名乗っていることです。
貧乏くさいツトガなどとは、もう一緒にされたくないということなのでしょう。
ぽっと出の人品卑しい成り上がりものが考えそうなことです。
こういうのは「ツゲエモン」で十分です。

1/28虫

2009年01月28日 | その他
2007年8月下旬写真。

サンショウの葉っぱについた、ごく普通のアゲハ幼虫。
色つやといい、模様といい、申し分のない鳥糞ぶりですが、とりたてて興味深いものではありません。


あにはからんや、正面からだとアゲハ子もこんないい顔をしているのです。
イラガをほうふつとさせる、トゲイボまで生えています。
アゲハはイラガへの進化の途上にあり、いずれは毒を持つようになるのかもしれません。
この暗い世相の中、未来への希望がわく展望です。


対して品性のかけらも見いだせない、ツマグロキンバエ?の顔。
こういうなめた態度の輩は刺してもいいというのが、社会のルールです。
こういう他人の誠意を食い潰すだけの輩を甘やかすから、世の中殺伐としてくるのです。
皆さんもナイフの1本くらいは常に懐に忍ばせ、いざという時はぐさっとやりましょう。


反り返ってまで目を合わせようと必死な、ハエトリ。
相手を不快にさせるくらいなら自分が多少の不満を飲み込む、これぞ誠意というものです。

紫華鬘

2009年01月28日 | その他植物



2008年5月上旬写真。

ムラサキケマン(紫華鬘)。

道端などに普通に生える、ケシ科の二年草。
ニンジンに似た葉を地面に広げ、春に独特の形をした筒状花を咲かせる。
茎葉を傷つけると悪臭のある黄色い汁を出すが、ウスバシロチョウの食草らしい。

よく似ていて黄花を咲かせる「キケマン(黄華鬘)」というのもあり、そちらは暖地性。
「ケマンソウ(華鬘草)」は別属で花も似ていない。

「華鬘」というのは仏殿内にかけられる透かし彫りの装飾具で、この花をその華鬘に見立て、また紫色であることから「紫華鬘」。
ちなみに華鬘は元来、本物の花輪を堂内に飾ったもので、のちに仏具となったらしい。


 ケシ科 コリダリス(キケマン)属
属名のCorydalisは、ギリシア語のKorydallis(雲雀)が由来。

1/27虫

2009年01月27日 | 虫写真
2008年7月上旬写真。

お楽しみ中のハムシの一種。
デジカメを向けると、♂はたちまち逃げ腰だが♀は泰然としたものです。
♂のほうがよくいえば羞恥心に自覚的、悪くいえば臆病なのは、虫も人間も同じです。


お楽しみ中なのだが楽しんでるようには見えない、オオチャバネセセリ?
蝶というのは、♂♀ともにツンデレ属性なのかもしれません。


「べ、別にあんたなんかに興味ないんだからねっ!」といいながら尻を擦り付けあうというのは斬新なシチュエーションです。
単に、互いの顔を見て萎えないように手早く済ませているだけだろう、と見るのは夢がなさすぎるというものです。


一方、どこにでもいるのでやることはやってるはずだが、交尾している現場はとんと見ない、クロマイコモドキ?
というか、去年あれだけ発生したマイマイガ・カシワマイマイの交尾すら目撃できず。
じつは蛾の倫理観念というのは、虫の中で最も高度に発達しているのかもしれません。

1/26虫

2009年01月26日 | 虫写真
2007年8月下旬写真。
そうそう毎日、PCに向かった瞬間でまかせが浮かんでくるわけでもないので、今日はいたって普通に虫記事。

ヒメウラナミジャノメ?
一瞬シジミチョウかと思うほど小さいジャノメチョウだが、羽裏は非常に印象的。
でもジャノメチョウなので表はお察し。


宙に浮かぶ謎の「げそ」。
生きたクモのようだが、はなはだ自信なし。
抜け殻がぶら下がってるだけかもしれない。


なんの変哲もない、エンマコオロギ。
子どもがなんとなく捕まえてみる虫ランキングの上位に位置する虫だろうが、捕まえたあとの記憶がないところをみると、きっとその後、口では言えないようなことをしたのでしょう。


クロサビイロハネカクシ??
ハネカクシというのはだいたい薄暗くて湿った場所ばかり這いまわっている、陰険な虫。
それを大の大人がしゃがみこんで撮影しているのはどうなんだろう、なんて考えたら負けです。

花桃

2009年01月26日 | その他植物





2008年4月下旬写真。

ハナモモ(花桃)。

モモは中国原産の果樹で古くに渡来し、縄文時代にはすでに栽培されていたという。
モモの中で、特に花を観賞する園芸品種がハナモモ。
ハナモモは普通、八重咲きだが、ウメぐらいの実をつける。

桃の節句で飾る切り花は、花芽のついた枝を温室で促成開花させたもの。

「桃」という漢字は中国名より、「もも」という訓読みは、実が赤みがかっていることから「燃実(もえみ)」が変化したものらしい。
「桃色」はモモの花色から。


 バラ科 プルヌス(サクラ)属
属名のPrunusは、ラテン語のplum(スモモ)より。
花言葉は「気立てのよさ」「恋のとりこ」など。

1/25虫

2009年01月25日 | 虫写真
2007年9月下旬写真。

毎日厳しい寒さが続いております。
気分も沈みがちになる冬を乗り切るには、やはりケムシです。
そのふかふかした毛皮と、一生懸命にもこもこ歩くさまは、身も心も暖めてくれます。
というわけで、キドクガ?です。


2本の毛ツノを振り立てながらもこもこするケムシ。
思わず触ってみたくなるのが人情ですが、名前通り毒を持つ数少ないケムシのひとつ、触ってはいけません。
そもそもケムシ鑑賞は紳士の趣味、毒があろうがなかろうが、そっと見守るだけにとどめるのがマナーです。


「けーむしごーろごろ」と歌いながら寝転がってみるのも、ケムシ気分が味わえていいかもしれません。
ただご家族などに目撃されると、いろいろと疑われるので注意が必要です。
ケムシはあくまで密やかであるべき、紳士の嗜みなのです。


では皆さんも、それぞれケムシの楽しみ方を見つけてください。
もちろん、ケムシは紳士のみに許された高尚な趣味であることだけはお忘れなきよう。
紳士にもとる振る舞いはくれぐれも慎みください。