情熱の時計?

2007年08月01日 | その他植物
クダモノトケイソウ(果物時計草、パッションフルーツ)。

和名については説明を要しないだろう。
この摩訶不思議な花を時計の文字盤に見立てて「時計草」。

で、「パッション」だけど、これは「情熱」じゃなくて「キリストの受難」。
「passion」というのはもともとラテン語で堪え忍ぶ意味らしい。
「passive」「patient」も同じ語源だとか。

これのどこがキリストの受難かというと……。
5本の雄しべがキリストの受けた傷。
中心の雌しべが釘。
子房柱が十字架。
10枚の花弁(正確には花弁5枚、がく5枚)が10人の使徒。
その内側のヒゲ状の副花冠はイバラの冠、あるいは後光。
さらに蔓の巻きヒゲは鞭、葉は迫害者の手。

……唖然。
開いた口が塞がりません。
17世紀、南米の密林でこの花を見出したスペイン人宣教師たちは、熱病に頭をやられてたんじゃなかろうか。



 トケイソウ科 パッシフローラ属
花言葉は「信じる心」「聖なる愛」「宗教」「信仰」「宗教的な情熱」「神聖な恋」「恋の激しい苦しみ」

……なんかイヤだ。

ちなみに原産地の言葉では「マラクージャー・アズール」、花が青くて実がひょうたん形で食べられるものという意味らしい。
健全な感性だ。

中国名は「西蕃蓮」、西洋のハス。
台湾名は「時表仔花」、日本名と同じ意味らしい。
アジア人も健全だ。



これが実。
さて、熟すのはいつか?



2 コメント

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わたしばかりでごめんなさい. (yyzz2)
2007-08-01 22:22:56
ギリシア語でpassionに対応するのは
pathosですけども,こちらの方がネガティブなニュアンスは強いようです.
(災いが降りかかってくる感じ)

キリストの受難は,人類に対する神の愛の現れですからねえ。
ありがたいのでしょうねえ.
でもなあ….
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yyzz2さんへ (ふにょ)
2007-08-02 00:17:36
いえいえ、いつもありがとうございます。
パトス……、ああエートスの反対ですね。
って、すみません、よく分かってません。
元理系です。学もないです。

キリストの受難で罪は贖われたはずなんですけどねえ……。
世の中いろいろしんどいですねえ……。
第二のアダムの子たちもあんまり隣人を愛してない気がしますねえ……。
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