洗礼式は、スウェーデン語では
dop、英語では
baptising。
簡単に言うと、公に「信者になります」という儀式らしい。
今日は中世の教会であるdopに行ってきた。
最近では宗教よりも昔からそうしているからという伝統でやるのだそう。
小さな赤ちゃんがするのが多いが、判断できる年頃まで待って本人に決めさせることもある。
考えてみれば、
日本の七五三だって神社にいって祝詞を神主さんにあげてもらうけど、
神道だからというより伝統だからと多くの人が答えるのと同じこと。
今日はエスビョンの近く1歳になる子のdop。エスビョンも習慣でしているだけだと言っていた。
いずれにせよ、日本では映画でしか見たことがないこの儀式、興味シンシンだ。
でも、まずはマナーが分からない。
日本の冠婚葬祭までとは言わなくても
暗黙のルールがあるはず。
エスビョン本人に聞くのも何なので、学校のクラスメートに尋ねた。
が、聞いた相手が若すぎた。
「行ったことないもんね」
と返された。
ここは、アメリカから来たクラスメート(注:ここにアメリカ人は複数いる)が
私よりもずっと年上だから経験者のはず!すると
「さあね。行ったことないよ。だって熱心な信者、周囲にもいないし」
あらら。
この一言だけで米国の洗礼式事情を想像するのは危険だけど、アメリカではスウェーデンのように
「伝統行事」ではなく「宗教行事」なのかな。
それとも彼の出身エリアはシカゴ近辺なので、地域性や都会かどうかも関係するのかも。
さらに数人に尋ねてリサーチして大体のマナーは分かった。
服装
学生ならジーンズでもいいけど、こぎれいな格好ができるならした方がいい。
プレゼントを持参する
1:子供が大人になった時に使えるもの 2:今使うもの(おもちゃ)
のどちらか。
渡すタイミング
洗礼式の後は、教会の側の集会所のようなところでfika(ティーブレイク)があるので、
そこで。普通はプレゼントを置くテーブルがあって、勝手に置くだけ。
両親や子供に手渡さなくていい。
ふむふむ、これで十分でしょ。
後、何かソソウがあれば異国の人ということで勘弁してもおう!
服は一応、黒のパンツ。
その上にブルーのワンピースを重ねた。
靴は...シューズしか日本から持ってきてないので、選択の余地なし。
14時スタートなので13:30を目指し、自転車にまたがりひとっとび。
写真1
開催場所のTegelsmorakyrkaという中世の教会(
2/22に雪の中でとった写真あり)は、
エスビョンの家へ行く途中、寮から4kmほど行ったところにある。
この教会の側にエリック・サルストレムの銅像がある。
もちろんお墓もここに。墓石にはニッケルハルパが彫ってあります。
この学校に来ることがある人は、散歩がてらにいかが?
写真2
教会に入るとまずエントランスホール。ここには中世の壁画が当時のまま残っているが、
半分は消えかけている。
写真は教会の内側から撮ったエントランス。小さくて見えないかもしれないけど、
ドアの右には悪魔らしい絵が見える。古い教会の絵は大聖堂などで見られる絵とは違う。
ちなみに教会内部の絵は修復の際、消されてしまったそう。
絵が施されていたら、
Tolftaの教会のようだったでしょう。
写真3
洗礼式の後移動した集会所。
これが、そのプレゼント置き場。部屋に入るなり、「ハハァーンこれが」とうなずきプレゼントをおきました。
テーブルにちっちゃいニッケルハルパも写っている。
ここでコーヒー、紅茶、こけもものジュース、ストロベリーケーキ、各種ケーキ、
クッキー、サンドイッチなどなどが振舞われた。
多分、全部、エスビョン一家の手作り。
プレゼントは曲でもいい。ヴェーセンの有名な
ジョセフィーヌ・ドップヴァルスという曲は、
ジョセフィーヌの
dop-のときに作曲されたワルツだ。
ちなみに
brud-と頭につく曲は結婚式関係。ブルドヴァルスなら結婚式のワルツ。
写真4
まず、お母さんが銀の壷に入った水を何との呼ぶのか分からないモノに注ぎます。
そして神父さんが子供を抱き、その水を手で救い、子供の頭にパシャパシャかけます。
泣きもせず目をぱっちり開け、手足をバタバタさせていた。
後で聞いて驚いたのだけど、神父さんは200kmはなれた遠方の知人にお願いしたそう。
ひょっとして顔見知りでなかなかったのかも。
この子、私のこともちゃんと認識してるみたい(覚えている)だし。
それに加え、地域の神父さんをオーダーする必要がないというオープンな所もちょっと驚く。
写真5
子供を頭上に抱え上げ...意味は分かりません。
ニッケルハルパの歴史学者、兼、レコード会社やっているPer-ulfが隣にいたので
尋ねたけど「さあ...?」とのこと。
写真6
その後、神父さんが子供を抱いて私達、お客さんの間を歩きます。
ちなみにこの子の衣装は
ウップランド地方の民族衣装。
お母さんの手作り。本物の衣装からの生地を使ったリメイク。
(特定の村のものかどうかは不明。村単位でデザインが異なることが多い)
今日の空は真っ青で澄み切っている。
Per-ulfが言うには「こんなクリアなスカイブルーのときは、大抵、北風」
つまり、乾燥していて寒い。
確かに!寒い!
新聞の天気予報は最高気温10度だったけど。
帰りの自転車は無理かも...という心の叫びが聞こえたのか、
「僕の車の後ろに自転車つんで乗ってく?」
助かった