スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

楽器が届いた! ~番外編

2007-10-29 22:31:10 | 番外編
楽器ができるまでの様子を日記に書いていた。
その楽器が昨日届いたのだ!
発送からちょうど一週間。

エスビョンと一緒に作った楽器は最終調整をするとエスビョンが言ったのと、
私が2台も持って帰れない!!と言ったのとで、スウェーデンから
送られてくるのを首をながーくして待っていた。
その間、スウェーデンからの便りで、「弾いてみたよ!いい音色だね!」というコメントが
あちこちから聞こえ、私も早く触りたい!と待ちに待っていた。
でも完成直後に日本の猛暑を過ごさず、エスビョン宅で過ごしたは正解だったかもしれない。

届いた楽器は、鍵盤部分の動きも完璧(日本に着くとよく湿気で動きが悪くなる)。
音は・・・デカイ!よく響く!エコー音というより残音というのか、かなり長い間共鳴音が残る。
すごいなぁ。
これは弾き方をかえないと、前のような加減で弾くと響きすぎて楽器がいうことを聞かない。
しばらくは研究です!

さて写真左上。これはスウェーデンで友人に「棺おけ!?」と呼ばれた、ニッケルハルパのフライトケース。
とっても頑丈。私のときは800クローネほど。
ソフトケースごと入れるとぴったりジャスト。
Ranarimのニクラスが使っているものと同じモノ。

そしてフタをあけてみると・・・
クネッケブロード(乾パンのようなもの)!!やったね!Tack,エスビョン!
私が日本に持って帰えったものは、早速、小麦につくあの虫がわいて食べれなかったのだ。
Leksand(村の名前)産のがいい!なんて贅沢はいいません。
スーパーで売っているWASAのブランドで十分おいしい!

そして、最後に参加したセミナーの内容のかなり詳しい冊子が。
飛び入りだと言うのに私の名前や写真もある。いい想い出だ。
ほんの数ヶ月前というのが信じられない。

そして中には、コントラバスハルパのA4カラー写真。
フフフ。そうなのです。現在、注文中。
日本初をねらう気はないけど、おそらくこの楽器は日本初上陸になるのでは!?
実は、今、スウェーデンで出回っているコントラバスハルパは、実は伝統的な作りと違うのだ。
今回は、その伝統的手法で作ってもらう予定。
つまり、スウェーデン本国でも珍しいものになるでしょう。
エスビョンにとっても、コントラバスハルパは一台目の作品となる。
(とはいえ、先生として伝統的な手法でコントラバスハルパの作り方自体は教えてはいる)
完成まで、頑張ってお金を貯めます~

さてさて、万一、地震でもきたらアレもコレもかついで逃げれるかな!?
コメント (12)
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トルビョンのレッスン ~番外編

2007-10-08 01:19:53 | 番外編
「イベントお知らせ」カテゴリでも書いた、トルビョン・ネスボム(Torbjörn Näsbom)のニッケルハルパとチェンバロのコンサートに行ってきた。
(東京公演はロバハウスでこれから)

以前、「おススメCD」でもVattenというアルバムを紹介したことがある。
友人Eの先生だったのがきっかけでCDを聞き、一発ノックアウト。
上手すぎる!

来日なので場所は日本。
このブログは一応「留学日記」なので、どうしようか迷いましたが、
特別に受けたレッスンの話もあるので、今回は番外編として書きます。

曲目は、新作CDの曲目中心。
民族音楽と表にあっても、中身はクラシック。
ただ、トルビョンの腕前で(本業はクラシック・バイオリニスト)、かつニッケルハルパでバッハ!?
それは、どんな音色なのか興味しんしんなところ。

コンサートに行って納得。
ラストのラフォリアは特に圧巻。
開いた口がふさがらないというか、弓さばきも軽やかで人間ワザとはとても思えない...

弦楽器を奏でるネッケンは、水の精(06年9/2に書いた、悪魔みたいな精)。
そしてトルビョンはVatten(水)という曲を作曲し、代表曲だ。
私が書道と弦楽器の演奏は同じものを感じると、お寺のお坊さんに話したら、
音楽も書道も、東洋思想では「土」とか「火」とか5大要素の中では「水」になるそう。

なんだか、水つながりだ。

さて、なんとまあラッキーなことに、翌朝はトルビョン直々のレッスンを受けることができた。
トルビョン、「和紙のキレイな折り紙が欲しいな。子供にあげたいんだよね」。
そんなこと言われたらあげたいでしょ!
早速レッスン受けてる間に人に頼んで買ってきてもらった。

レッスンは、いろんな曲を習いたかったけど、テクニックのみにしぼった。
(トラッドでレッスンというと、通常は曲を学ぶ。「伝承曲」というジャンルだからね。)

トルビョンの弾き方はウップランド、または伝統的なニッケルハルパの奏法とは異なる。
クラシックバイオリンをニッケルハルパにあてはめるのだ。
これには賛否両論ある。
(あのヴェーセンのウロフでさえ、バイオリンのような手首の返しは重要でないと考える)
トルビョンの楽器の音色も典型的なものとは違い、バイオリン的というのか、それこ例えるならピアノとチェンバロくらいの違いを感じる。

「好きか嫌いかは自分で判断して。でも自分はこういう奏法だから」というトルビョン。
いやいや、好きだからレッスンを頼んだのです。
優れたプレーヤーの良い面は積極的に取り入れたい。

さっそく立って、椅子にすわる私の手のひらをつかんで引っ張りあげる。
「力ぬいて。もっと、もっと!」と。

「体が水になって床に崩れ落ちるくらいリラックスして!口半開きになるくらい力抜いて」と、白目をむいて弾くトルビョン。
は!ネッケンにとりつかれた!?
いえいえ。

左手の鍵盤部分を押さえる手も力を抜くようにって。
そして完全にリラックスができるよう、最適な楽器を持つ角度を探さないとだめって。
私は高いキーを押さえるときに、左手の形が変わる。これは×なんだそう。

「リラックスすればするほど、音量もおおきくなるよ。もっと"in the string"で弾いて。」
これもバイオリンではよく言われるけど、ニッケルハルパではあまり聞かなかったことだ。
どちらかというと、ノリ、アクセント、パーンとで出しをはじくように弾く弾き方などを中心に練習してきた。
ただ、この"in the string"って、日本語では何というのか分からない。
スウェーデンでも、バイオリン出身者の同級生がよく"in the string"で弾くという表現をよくしていた。
イメージするに、ねちっこく、「水」っぽく、いかにも弓で弾くよいう音を出すことじゃないかな。

レッスンは、とってもエネルギッシュかつ怒涛のトークで(ものすごい勢いでしゃべっていた)あっという間に終わった。
貴重な時間でした。
「移動が多くてお花持って行けないから」と昨夜のコンサートのお花をいただいてしまった。
お花を用意した関係者のみなさま、うちに飾ってしまってごめんなさい~!!

皆様にもおすそわけということで、写真でどうぞ。
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