Around 50 人生はアドベンチャー!

40代半ばにして再婚
妊活のおかげでベビーを授かりました。
ベビーのこと・日常・野球・読書など気まぐれで綴ります。

ロスト・ケア

2020-04-28 10:21:00 | 読書
(内容)
戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫びー悔い改めろ!介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味…。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る!全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。


葉真中作品は本作品でまだ2作品目。

最初に読んだ「Blue」も良かったが、本作品も良かった。

また、これがデビュー作だと知って驚かされた。

救いようのない重いテーマなのだが、内容はわかりやすくすらすらと読み進めることが出来る。

介護には育児などと違って終わりが見えないというところに辛さがあるともいわれている。

本当に難しい問題だと思う。

クライマックスで明らかになる真相もなかなか凝っていてよかったと思う。



★★★★☆

旅屋おかえり

2020-04-24 14:42:00 | 読書
(内容)
あなたの旅、代行します!売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だったー。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。


コロナウイルス禍で旅行どころか外にも出れない状況が続いている。

せめて気分だけでもと、積読してあった本書を読んだ。

登場人物のキャラ設定もわかりやすく、旅先の情景もよく描かれている。

角館、内子、檮原、いずれも行ったことがないがいつか行ってみたいと思わず思わせられる。

全体的に優しさに溢れていて、楽しい感じでポジティブになれる。

旅小説であり、お仕事小説でもある本作品。

とても楽しめた一冊であった。





★★★★☆

背中の蜘蛛

2020-04-23 08:24:00 | 読書
(内容)
東京・池袋で男の刺殺体が発見された。捜査にあたる警視庁池袋署刑事課長の本宮はある日、捜査一課長から「あること」に端を発した捜査を頼まれる。それから約半年後ー。東京・新木場で爆殺傷事件が発生。再び「あること」により容疑者が浮かぶが、捜査に携わる警視庁組織犯罪対策部の植木は、その唐突な容疑者の浮上に違和感を抱く。そしてもう一人、植木と同じように腑に落ちない思いを抱える警察官がいた。捜査一課の管理官になった本宮だった…。「あること」とは何なのか?池袋と新木場。二つの事件の真相を解き明かすとともに、今、この時代の警察捜査を濃密に描いた驚愕の警察小説。


誉田哲也の最新刊。

久しぶりにどっぷりとした警察小説を読んだ気がする。

一章と二章を読んだ時は短編か?と思ったが、三章で全体像がようやく見えて来た。

そんな流れだったので、入り込むのに時間が掛かった。

テクノロジーの進化と戦争や犯罪と相反することの矛盾を示唆している内容。

結局、人の心が一番大事だということを教えてくれている一冊。

テーマ的には好きだが、前半の引っ掛かりのせいで、のめり込むことが出来なかった。




★★★☆☆

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか

2020-04-21 08:34:00 | 読書
(内容)
世界を変えたのは「締め切りを守る男」だった。世界を一変させたWindows95の設計思想を生み出した伝説の日本人が教える人生を制するスピード仕事術。本書の著者、中島聡氏は、みなさんが今使っているパソコンの「ドラッグ&ドロップ」や「ダブルクリック」などを現在の形にしたことで知られる元マイクロソフトの伝説のプログラマーです。過労死が続出するほど多忙を極め、納期遅れが蔓延するプログラマーの世界で、中島氏は「一度も納期に遅れたことがない男」として活躍。「期限までの日数の2割で、仕事の8割を終えて後は流す」その驚異の仕事術は、「小学4年生から、夏休みの宿題は7月中に終わらせて、あとは好きなことをしていた」というところからスタートしたのです。・午前中だけで1日の仕事をほぼ終えられる・半年以上の長期プロジェクトを最も効率的に進められる・締め切りギリギリになって「終わりません」と言わずにすむ。・メールを返信すべき本当の時間がわかる。・徹夜ナシ、残業ナシで、能力の高い人に勝てる。こんな一生ものの仕事術を、ぜひ身につけてみませんか?-あなたの人生を、楽しい仕事でいっぱいにするために。本書は、そんな本質的なメッセージに裏打ちされた、あなたの仕事をよりクリエイティブにするための「スピード術」なのです。


マイクロソフトで多大なる実績を上げた人の話なので、開発時の逸話を交えて時間の使い方テクニックを紹介されていて、自分の中に取り入れやすく感じた。

また、応用の仕方まで提示してくれていたのも理解力を深めることが出来た。

2016年発刊ということで少し前であるが、もっと早く読んでおきたかったと後悔さえした。

今、コロナウイルス禍で働き方の見直しが大きく動こうとしている。

今まで以上に時間の使い方が問われることになると思われる。

今、この本を多くの人が読んで取り組むと素晴らしい世界が開けて来ると思った。



★★★★☆

人生の勝算

2020-04-16 17:17:00 | 読書
(内容)
お金を稼ぐために始めた路上ライブで、少年は人生とビジネスの本質を知ったー。人は絆にお金を払うと気づいた少年期から、ニューヨークで奮闘した外資系銀行員時代、仮想ライブ空間「SHOWROOM」立ち上げ前夜、SNSのもたらす未来、己の人生のコンパスまでー。大注目の若き起業家が全力で綴った、魂が震え、涙が溢れるビジネス書。


内容にビジネス書と書かれているが、自叙伝みたいな感じである。

彼やホリエモンのようなIT関連でのし上がって来た人を毛嫌いする風潮が年配者に多いが、私もこの前まではその一人だった。

でも、色々調べてみると苦労もしているし、努力もしていることが理解出来るようになって来た。

もう少し早く気付くことが出来れば良かったと後悔している。

本作も生い立ちの苦労話と就職後の努力などが描かれている。

やはり運だけでのし上がることは出来ない。

大事なのはビジョンと実行力が重要である。

当たり前のことだが出来ていない自分を反省する機会を得ることが出来た。



★★★★☆

ツナグ

2020-04-10 17:38:00 | 読書
(内容)
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。


先月読んだ、「ツナグ 想い人の心得」の前作。

小説は読んだことがなかったが、映画は観たことがあった。

だが、、細かな内容までは覚えてなかった。

なので、スムーズに入り込めたし興味深く読むことが出来た。

個人的に好きなのは「待ち人の心得」。

私は逆の順で読んでしまったが、シリーズで続けて読むと歩美の成長も感じ取ることが出来て面白いと思う。

映画を観たせいもあるかもしれないが、どのシーンも上手く描写されていて光景が浮かぶ。

とてもいいシリーズだと思うので、続編も期待したい。



★★★★☆

禁断の魔術

2020-04-08 06:57:00 | 読書
(内容)
高校の物理研究会で湯川の後輩にあたる古芝伸吾は、育ての親だった姉が亡くなって帝都大を中退し町工場で働いていた。ある日、フリーライターが殺された。彼は代議士の大賀を追っており、また大賀の担当の新聞記者が伸吾の姉だったことが判明する。伸吾が失踪し、湯川は伸吾のある“企み”に気づくが…。シリーズ最高傑作!


月イチではなくなったが、定期的に読もうと思っている東野圭吾作品。

ここ最近はガリレオシリーズと加賀恭一郎シリーズを交互に読むようになっている。

理系作家ならではの科学技術的な作品。

自身も理系なので、このシリーズはお気に入りのシリーズである。

偏屈で人付き合いが上手くない湯川教授だが、優しさに満ち溢れていて人間味のあることが本作品でも描かれている。

展開だけでなく登場人物の描写なども読み手を引き込むことが東野圭吾作品のスゴさだと思う。

ガリレオシリーズでもまだ未読の作品があるので、これからもぼちぼち読んで行きたいと思う。



★★★★☆

良い製品開発

2020-04-06 21:40:00 | 読書
(内容)
メーカーの事業の赤字の解決策は常に開発部門にあり、そのシーズ(種)は市場にある。だが多くの企業は、現行製品に新たな機能を付加するためだけの改造設計や、上位機種へのシリーズ展開のための開発、品質問題への対応設計など、積極的とは言い難い守りの開発テーマに甘んじている。本書はそんなお寒い状況にある日本の製品開発を抜本的に革新する「攻めの開発」としての「良い製品開発」を推進するもの。IP抽出、「製品開発企画書」に沿った開発、特許出願200目標など開発力強化の具体策を示す。東京大学大学院藤本隆宏教授解説。

少しずつ現場から遠ざかる立場になりつつある。

久しぶりに原点に戻ってみたくなり、書店で面白そうだったので購入した。

目から鱗の内容ではなかった。

また、少し古くさい開発手法ではあるが、少しずつ忘れつつあるものを呼び戻して来てくれる効果はあった。

我が社では、若い責任者が増えて、効率化を簡略化と履き違えていることが多い。

参考図書として共有したいと思う。

果たしてどれくらいの責任者が共感してくれるか?



★★★☆☆

近鉄魂とはなんだったのか?

2020-04-06 07:05:00 | 読書
(内容)
2004年11月の球団消滅からちょうど15年。個性あふれる球団「近鉄バファローズ」の真実に迫る。
最後の選手会長として球団合併問題やストライキ問題に奔走した礒部公一。彼とともに、梨田昌孝、栗橋茂、金村義明、ラルフ・ブライアント、水口栄二、岩隈久志ら近鉄に在籍した監督・選手に加え、最後の球団代表だった足高圭亮や、いまも近鉄バファローズを愛し続ける熱烈なファンなど、多数の関係者に徹底取材。近鉄バファローズの歴史をトピックごとに伝える9つの「表」章と、今回深く取材した選手ら近鉄関係者、個人の想いに迫った9つの「裏」章が交互に展開していく、まさに野球のような「表・裏」構成のプロ野球ノンフィクション。


小学生の頃、トリコロールカラーの帽子にスゴく憧れて近鉄ファンデビューした。

その頃からの球団エピソードや選手にスポットをあてて描かれている。

もちろん、懐かしく、楽しく興味を惹かれ、面白く読むことが出来た。

OBのインタピユーも多く掲載されているのも良かった。

こういうスポーツ系のノンフィクションは大好きである。

近鉄バファローズがなくなってから、はや15年。

強い時も弱い時もずっと近鉄バファローズと共に生きた。

球界再編問題が今となっては野球界発展に少しでも貢献したのであれば、近鉄バファローズファンとしても浮かばれる。




★★★☆☆

蟻の菜園

2020-04-02 07:28:00 | 読書
(内容)
婚活サイトを利用した連続不審死事件に関与したとして、殺人容疑がかかる円藤冬香。しかし冬香には完璧なアリバイがあり、共犯者の影も見当たらなかった。並外れた美貌をもつ冬香の人生と犯行動機に興味を抱いた週刊誌ライターの由美は、事件を追いはじめる。数奇な運命を辿る美女の過去を追って、由美は千葉・房総から福井・東尋坊へ。大藪賞受賞作家が描く、驚愕の傑作サスペンス!『このミス』大賞シリーズ


久しぶりの柚月裕子作品。

女性ライターが結婚詐欺事件を追いかけて行くうちに深い真相に迫って行くという内容。

近代ミステリーの王道的な展開ではあるが、後半でパズルのピースが一気にハマって行く感じはなかなか上手く描けていると思った。

切なく重い感じの内容はどこか薬丸岳作品を思い起こさせられた。

結婚詐欺関連の連続不審死事件は実際にも起こった事件をモチーフにしていると思われ、現代事件にメスを入れている。

また、児童虐待などの社会的問題に対して提起している内容である。

新刊も先日発刊されていて、気になる作家の一人なので引き続き色々な作品を読んでみたいと思う。




★★★★☆