オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

■ご案内■

2008-07-14 10:48:49 | Weblog
●盂蘭盆ネット句会/2007年8月17日(日)など、このブログの続きは、下記アドレスです。
http://blog.goo.ne.jp/npo_suien146

●5月句会(第79回オンライン句会)ご挨拶とお礼

2007-05-20 06:39:47 | 5月句会
■□5月句会ご挨拶/高橋信之(オンライン句会主宰)
オンライン5月句会を終ります。お楽しみいただけましたでしょうか。今回の参加者は、今年最多の人数となり、盛会であったことを、主宰として嬉しく思っています。多くの方から、投句、互選をいただき、いい句会でした。また、今月の特別選者として、吉田晃さん、岩本康子さん、藤田荘二さん、池田加代子さん、選とコメントをありがとうございました。スタッフの皆さん、どうもありがとうございました。来月もよろしくお願いします。楽しみにしてお待ちください。


■□5月句会ご挨拶/多田有花(オンライン句会スタッフ)
新緑を吹きすぎる風が心地よい季節になりました。一年でももっとも過ごしやすいこの時期、都会のビルの間にも若葉が育ち、野山や花壇の花々が目を楽しませてくれます。農家の方には田畑での作業が増え、お忙しいことでしょう。今月もまた新しく訪れる季節の姿を生活の中に発見し、あるいは楽しまれ、あるいは心和ませられたことと存じます。皆様お元気でお過ごしください。5月句会は、高橋信之先生・正子先生のご指導のもと、池田多津子、多田有花でお世話させていただきました。


■□5月句会ご挨拶/池田多津子(管理・集計)
5月も半ばとなり、山々の新緑と水を張って田植えを終えた田の青さが清々しくうれしいころです。今月も多くの佳句に出会い、日々の多忙さを忘れ、ほっと心和むひとときを過ごさせていただきました。皆様、ありがとうございました。日中は汗ばむこともあるここ愛媛ですが、朝夕は肌寒く感じることもあります。皆様、お元気でお過ごしください。また来月のオンライン句会で多くの皆様の俳句と出会えるのを楽しみにしております。

■□5月句会ご挨拶/高橋正子(オンライン句会副主宰)
さわやかな五月の一日が句会の日にあたったことを、特にうれしく思います。第79回オンライン句会となります今回は、初参加のみなさまを含めて、先月以上に大勢の皆さまにご参加いただき、大変盛り上がった句会になりました。入賞の皆さま、おめでとうございます。特別選者として、吉田晃さん、岩本康子さん、藤田荘二さん、池田加代子さん、ありがとうございました。池田多津子さん、多田有花さんにはオンライン句会のお世話をいただき、ありがとうございました。これでオンライン5月句会を終ります。来月を楽しみにご健吟ください。

●5月句会入賞発表①(金銀銅3賞)

2007-05-20 06:38:01 | 5月句会
【金賞】
★一村を覆いつくして麦を焼く/おおにしひろし
麦を焼く煙は、本当に村中を覆いつくしてしまう。太陽さえも隠す。松山市の郊外には、麦畑が今でもあるが、田園地帯の麦秋の景。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
田植えの準備として代田が掻かれる。すると田水が濁るが、一日をかけてゆっくりと代田水が澄んでゆく。代田を見守る目に良い観察がある。(高橋正子)

★風鈴を風の高さに吊りにけり/宮本和美
「風の高さ」は、風の通る高さのことで、その高さに風鈴を吊って、いい音色を楽しもうというのだ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
忌日に供花とされた百合の花が、忌日をすぐると、埋め尽くすように一斉に花を開いた。どれも白の百合。(高橋正子)

★葉桜や人の集いの真ん中に/いなゆきの
葉桜を真ん中にして、みんなが集まっている。葉桜の作る緑陰に人はおのずと集まったのだ。(高橋正子)

★白服で画家上京す絵画展/齋藤良一
絵画展に出品して、地方からはるばると上京し、自分の作品の前にあたふたと汗を拭きながら立った画家を想像する。さっぱりと清潔な白服は、地方から出てきた世ずれしていない純朴な画家の人柄そのままのようだ。(高橋正子)

●5月句会入賞発表②(特選)

2007-05-20 06:36:55 | 5月句会
【高橋信之特選7句】
★夏場所や大川渡る触れ太鼓/宮島千生
大きな景を詠んで、骨太の句だが、「触れ太鼓」の軽快な響きがあって、初夏の快い水の流れや風の流れを感じさせてくれた。(高橋信之)

★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
白百合が咲き忌日がめっぐてきます。亡くなられた方のお姿も偲ばれるような静かで凛としたものを感じます。(黒谷光子)

★一村を覆いつくして麦を焼く/おおにしひろし
この景、この山梨にも時折見受けます。曇り空の日などは、村中にその煙の匂いが籠もりなんともいえない郷愁にしたります。 (湯澤まさえ)

★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
田植えの準備が整ってゆく田が、ゆっくりと澄んでゆく情景が懐かしい。 (中村光声)

★風鈴を風の高さに吊りにけり/宮本和美
風に鳴るように風鈴をつるし、夏の訪れを楽しんでいる様子がとてもさわやかです。(笠間淳子)

★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
初夏の若葉の明るさ、清々しく爽やかな季節感を感じさせていただきました。(藤田洋子)

★カーネーション脇に抱えて風が吹く/高橋句美子
抱えていらっしゃるのは、母の日の赤いカーネーションでしょうか。爽快な五月の風の中、お母様への感謝の気持ちもいっしょに抱えて歩かれているのでしょうね。(多田有花)

★葉桜や人の集いの真ん中に/いなゆきの
花見の宴とは違って、葉桜の集いには、日常のいい安らぎがある。 風光り、風薫る季節である。(高橋信之)

【高橋正子特選7句】
★カーネーション脇に抱えて風が吹く/高橋句美子
カーネーションを脇に抱えて、帰りを急いでいるのだろう。風が、カーネーションに、また自分の顔に吹くのが感じられた。(高橋正子)

★白服で画家上京す絵画展/齋藤良一
いいお天気の昼間は汗ばむことも多いこの季節、個展を開かれたのか、画家ご自身が上京してこられました。白服に画家の清新な気持ちも現れているようです。(多田有花)

★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
ご両親の忌日を迎えられ、過ぎた日のことを思い返していらっしゃるのでしょう。思い出の中で亡き人は微笑み、あるいは語りかけてくれたりもします。(多田有花)

★一村を覆いつくして麦を焼く/おおにしひろし
村を覆いつくすほどの煙、こういう風景はなかなか見られなくなっているのではないでしょうか。(多田有花)

★葉桜や人の集いの真ん中に/いなゆきの
お花見ではなく、葉桜になってなおそこに人が集う、緑陰を求めてでしょうか。人の生活の近くにある桜の姿がほほえましいです。(多田有花)

★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
何もかもインスタントに速く速くという世の中ですが、一日をかけて澄む、という表現に作物が育つ自然のリズム、変わらぬ自然の時を刻むテンポ、が織り込まれています。(多田有花)

★風鈴を風の高さに吊りにけり/宮本和美
風を楽しむ夏という季節を迎えた喜び、風が通る場所を選んで軒下に風鈴を吊られたのでしょう。”風の高さ”が見事です。(多田有花)



■特別選者

【吉田晃特選7句】
★薫風や胸広げ行くサイクリング/松原恵美子
「胸広げ行く」に物理的な効果と心理的な効果があります。軽快にペダルを踏む作者の笑顔が見えるようです。(吉田晃)

★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
代掻きは結構時間と手間のかかる作業である。稲を植えるのであるから、泥は細かく処理されていなければならないのだ。何時間もかけた代掻きが終わった。そのときから、少しずつ泥が沈殿し、水が透明になっていくのである。目に見えない時間の流れをうまく表現している句であり、静かな中にも力強さを感じる。(吉田 晃)

★城跡の風万緑を揺らしおり/中村光声
石垣の残る風景であろう。そこに吹く五月の風が、城の移り変わりを見続けてきた木々を揺らしているのである。作者はそこに武士(もののふ)の姿を見ているのかもしれない。 (吉田 晃)

★万緑や乗馬クラブの赤き屋根/矢野文彦
緑ゆれる下に赤い屋根の家がある。馬の息づかいがして、時折いななきが聞こえ、目に映る風景が生き生きとしている。これから暑さに向かうのであるが、健康な喜びが満ちているように感じられる。季語「万緑」が作者の心の有り様をよく表している。(吉田 晃)

★青葦に水の匂いの空暮れる/藤田洋子
夕暮れの景色を落ち着いた言葉でうまく切り取っている。多忙であったのであろうが、よい一日が終わりかけていることが想像できる。「葦」は非常に生命力の強い植物であり、水は全ての命の源である。その水の匂いが夕暮れの中にあるというのだ。(吉田 晃) 

★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
白い百合は、心穏やかに故人の冥福を祈っている作者の心であろう。感謝の心の供花を、故人は微笑んで見ていることであろう。派手な飾りは全くないが、それに勝る作者の心が見える気がする。(吉田 晃)

★卯の花の小さく連なり食卓へ/高橋句美子
卯の花は、邪悪な土地の精霊を追い払う役目を持っているという。そんなことまでは意識していないであろうが、白い花群れ咲く一枝を食卓に飾る、家庭を大切にしている家族の心が伺える。(吉田 晃)

【岩本康子特選7句】
★若葉抜け空へ空へと子の声は/高橋信之
若葉を抜けて可愛いこどもの声が青空に高く広くどこまでも響く明るい句だと思います。(岩本康子)

★紫陽花のまず葉の色に咲き初めぬ/かわなますみ
紫陽花の花の咲き初めをよく観察され見事に詠まれた句だと思います。(岩本康子)

★川風を腹一杯に鯉のぼり/吉川豊子
文句なしに気持ちのいい句です。鯉は本来川や池に棲んでいるものですから、川風はさぞかし美味しかったことだと思います。(岩本康子)

★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
どんな建物が造られていくのでしょうか。図面を見ている人々の夢と希望が感じられます。(岩本康子)

★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
掻いたばかりの代田の濁りがゆっくりと澄んでいく様子がよく分かります。実際に代掻きを経験された方でないとこのような句は生まれないと思うのですが......。(岩本康子)

★薫風や大樹を揺らすざわめきに/小川美和
社や森の青々と茂った大樹が風を受け、次第に大きなうねりとなりざわめく景が目に浮かびます。(岩本康子)

★人去りて色しずもりし藤の花/大給圭泉
藤棚の下に人が集まって賑やかな時は藤の花も華やかに明るく見えたが、その人々も去ってしまうと急に静かになり、藤の花の色までどこか寂しそうである。それを「色しずもりし」と詠まれたところに惹かれました。(岩本康子)

【藤田荘二特選7句】
★代掻きの初めの列の水澄めり/吉田晃
代掻きの途中で汗を拭いながら振り返ったのでしょうか、それとも時間をかけて見守っているのでしょうか、澄んでいく水に初夏の太陽の光が反射したり、緑が映ったりする情景が眼にうかびます。「初めの」の明るい語感と「水澄めり」の静かな
語感が素敵です。(藤田荘二)

★嵐去り夏山むっくと現るる/藤田裕子
「むっく」が初夏の山の表情、空気が澄んで鮮明に、近づいて見える量感をうまくとらえていると思いました。平野から見る初夏の山のイメージ通りです。縦走の途中とみると夏を通してもこの「むっく」はいい表現だと感じました。(藤田荘二)

★紫陽花のまず葉の色に咲き初めぬ/かわなますみ
言われてみればそのとおりですが、やはり紫陽花はその葉のみずみずしい葉の色からはじまり、梅雨の時期の鮮やかな色彩を準備するからこそ「紫陽花」です。紫陽花の花の時期の移り変わりをあらためて教えてもらいました。(藤田荘二)

★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
時間をかけてつくった田をいとおしみながら見ている作者の気持ちを感じました。どんな景色が水を張った田に映っているのか、いろいろ想像させてもらいました。晴れた空や緑、曇り空、あるいは静かな雨、いづれにしろ時間の流れのしっとりと
した情感があります。(藤田荘二)

★新緑を蹴り上げ足下の空青し/飯島治蝶
鉄棒での元気の良さが「新緑を蹴り上げ」で的確に伝わりました。「足下の空」という視点の変化にもスムーズにつながって歯切れの良い表現と思いました。(藤田荘二)

★初夏の雷まよい心の弾きけり/大給圭泉
梅雨明けの大きくとどろく激しい雷ではなく、ちょっと遠くに響く初夏の雷の趣の表現として好ましく思います。「まよい心」に惹かれました。雷の状況と作者の何かに惑う気持ちをない交ぜにした感じですね。(藤田荘二)

★青琵琶を一枝添えて竹筒に/堀佐夜子
青琵琶の青さと質感、量感が竹筒ととてもマッチすることを教えてくれました。これをおいた部屋は大変落ち着いた雰囲気になると思います。「挿して」ではなく「添えて」が活けるときの指の動きの優雅さを思わせてくれます。(藤田荘二)

【池田加代子特選7句】
★緑蔭のはやも生まれて喫茶せり/高橋正子
日差しの強い日に、涼やかな緑蔭に憩うのは、夏のはじめの喜びのひとつです。喫茶店の白いクロス、籐の椅子、看板や庇の赤みなど、緑をより美しく引き立てる鮮やかな色彩も目に浮かび、心地よさを共感させていただきました。(池田加代子)

★代掻きの初めの列の水澄めり/吉田晃
代掻きは、いまは耕耘機でされるので、列という言い方がされている。代掻きの作業が進んでいくうちに、初めのほうは、水が澄んできている。代掻きの経過によって、代田の様子、人の動きなど、情景があざやかに浮かんでくる。(高橋正子)

★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
新築の家屋を建とうとするところに立って、設計図面を広げている。若葉風が心地よく、ここに建つ家に住む人の心地よい暮らしまでもが想像できる。(高橋正子)

★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
整備し終わって田植えを待つ田圃。作業で濁っていた田も、水が澄んできて田植えを待つばかり。その安堵感と、景の美しさが伝わってきて、好きな句です。(高橋正道)

★とびこんで来て胸奥にばらの赤/あみもとひろこ
一瞥にして目に飛び込んできた「ばらの赤」は、一瞬すでに胸の奥に棲みついて離れない。薔薇の花の鮮烈さが読者の心にも残ります。(小西 宏)

★青葦に水の匂いの空暮れる/藤田洋子
★車窓から桐か藤かと楽しかり/いなゆきの

●5月句会入賞発表③(入選)

2007-05-20 06:35:37 | 5月句会
【入選Ⅰ/10句】
★はつ夏の海の眩しき風に佇つ/池田加代子
今の季節の日差しと風を感じる気持ちの良い句。海からの風を心地よく受けていらっしゃる作者の姿が浮かびます。(多田有花)

★万緑や乗馬クラブの赤き屋根/矢野文彦
緑と赤の取り合わせが目に浮かびます。色彩の美しさとともに、広々とした空、馬のたてがみを揺らす風のそよぎも感じられます。(多田有花)

★南瓜苗にまず陽をうけて朝のくる/小川美和
作物を育てられる方の喜びと期待が感じられる句です。自然の恵みに感謝される思いが伝わってきます。(多田有花)

★麦秋や神杉の風吹き抜けり/滑川けいこ
爽快な五月の風が吹き渡ってきます。「神杉」の語が句のスケールを大きくしていますね。(多田有花)

★幸せがのど転がりてラムネかな/古賀一弘
喉ごしに炭酸が弾ける清涼感をうまく表現されています。楽しい句。(多田有花)

★教室に墨書の「成長」若葉時/飯島治蝶
五月も半ばを過ぎ、新しい学校、新しいクラス、新しい友達や先生にも少し慣れてくるころですね。「成長」、子どもたちを見守られる先生全員の願いでしょう。(多田有花)

★乳母車押し軽やかに風薫る/國武光雄
乳母車を押しているのはお母さんですが、いっしょに風も押しているようです。静謐な幸福感が漂っています。(多田有花)

★カーネーション庭の新たな色となる/池田多津子
切花のカーネーションは年中見られるようになっていますが、露地のカーネーションは初夏のもの。「新たな色」に季節の到来を感じていらっしゃる作者の姿が目に浮かびます。(多田有花)

★野の色がふっくらふくらみ豆ご飯/松本豊香
たきたての豆ご飯の香りがしてきそうです。「野の色」というのがぴったりです。(多田有花)

★ポケットに溢れ初採り莢豌豆/黒谷光子
収穫の喜びが「ポケットに溢れ」に言い尽くされています。大規模な農園などではなく、小さな畑ゆえの身近な喜びを感じます。(多田有花)

【入選Ⅱ/26句】
★ゆきのした咲き初む日蔭濃くなりて/あみもとひろこ
我家の前の景を詠んで戴いたようで共感いたしました。大きな桜の下に咲くゆきのしたに日毎その日陰は濃くなってゆきます。季節感のある好きな句です。(甲斐ひさこ)

★乳牛の声のんびりと麦の秋/渋谷洋介
季節感もあり、日本の伝統的な農村の原風景を彷彿とさせる秀句だ。(国武光雄)

★薫風や胸広げ行くサイクリング/松原恵美子
初夏のみずみずしい風を、胸いっぱいに吸い込み、自転車をこぐ、爽快さが、まっすぐ伝わってきました。(あみもとひろこ)

★停車場に空切り燕帰りきぬ/おくだみのる
今年も停車場の軒に巣を作る燕が帰ってきたようです。空を切り颯爽と営巣する燕の姿に勇気づけられるような一句です。 (小川美和)

★街路樹にネクタイかけて昼五月/藤田荘二
★軽鳧の子の水尾を離れず番鳥/小西宏
★初鰹黒南風の海想うかな/高橋正道
★心地よき浜風の吹く夏座敷/篠木睦
★草笛や忘れし過去の日記帳/小河原銑二
★青空につぶされぬよう山若葉/木村修
★青き踏む今日も太陽つつがなき/湯澤まさえ
★母の日を祝われていて厨ごと/村井紀久子
★藤棚の下に吹かれし夏はじめ/甲斐ひさこ
★志摩行けば坂の上がれぬ夕凪よ/大石和堂
★風の若葉日を照り空を広げたる/碇英一
★しなやかにカーブを開き山ぼうし/祝恵子
★露天風呂青葉若葉に洗われる/多田有花
★夕陽浴び真っ赤な罌粟の咲き乱れ/河野渓太
★夏めくや時の流れを語り合ふ/松本千恵子
★黒ずみし先人の碑や虎耳草/前川鳰波
★聖五月すやすや寝息の嬰児は/丸山草子
★五月雨るる草を跳びだす雨蛙/志賀たいじ
★北運河油紋の揺れや五月雨るる/大山由紀
★薫風や少年すでに大志あり/中村光声
★夕闇にほたるぶくろの点々と/徳毛淑
★ばら園に眠る幼な子乳母車/岩本康子

●選者詠

2007-05-20 06:33:51 | 5月句会
■選者詠/高橋信之
★若葉抜け空へ空へと子の声は
若葉を抜けて可愛いこどもの声が青空に高く広くどこまでも響く明るい句だと思います。(岩本康子)

★庭木すっくと八十八夜の雨に濡れ
★雷鳴の留守居の玻璃を響かせ去る

■選者詠/高橋正子
★緑蔭のはやも生まれて喫茶せり
日差しの強い日に、涼やかな緑蔭に憩うのは、夏のはじめの喜びのひとつです。喫茶店の白いクロス、籐の椅子、看板や庇の赤みなど、緑をより美しく引き立てる鮮やかな色彩も目に浮かび、心地よさを共感させていただきました。(池田加代子)

★卯の花に遠雷さざめきつつ起こり
★鯛網の風に吹き散る吹流し

●互選集計結果報告/5月句会

2007-05-20 06:32:37 | 5月句会
■互選高点句/池田多津子集計
□高橋信之修正

【最高点/22点】 
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子

【次点/16点】 
★風鈴を風の高さに吊りにけり/宮本和美

【第3位/13点】 
★紫陽花のまず葉の色に咲き初めぬ/かわなますみ


選句箱

●5月句会全作品

2007-05-20 06:31:05 | 5月句会
■2007年
■5月句会全作品
□下記のアドレスをクリックしてご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/npo_suien126/


投句箱


■5月句会/5月20日(日)のご案内■

2007-05-04 13:35:59 | 5月句会
■投句箱■
投句締切!

▼ご投句、ご選句は、下記の要領で、お願いします。
★投句①:5月19日(土)、句会前日の午後6時までに投句箱へご投句ください。
★投句②:当季雑詠3句。5月句会は、夏の句です。
★投句③:[投稿者欄]には、仮に英字(ABCなど)を一字か二字お書きください。作者の氏名はお書きにならないでください。 [題名欄]は、「投句」とお書きください。 [メール欄]には、水煙ネットに登録のアドレスをお書き込みください。アドレスのない投句は、削除されます。

★選句①:投句箱に書き込まれた句のなかから、あなたの好きな句を7句選んで、その番号だけを書き込んでください。
★選句②:5月20日(日)午前6時から正午までに選句7句を書き込んでください。コメントも(一句)お書きいただければ、幸いです。
★選句③:[投稿者欄]には、ご自身のお名前を、[題名欄]には、「選句」とお書きください。

★発表①:午後3時から入選句を発表しますので、入選句の作者名をお知らせください。
★発表②:午後4時の最終発表で、オンライン句会は終わります。金・銀・銅賞には、後日賞品が送られます。楽しみにして、お待ちください。

■主宰・選者: 高橋信之
■副主宰・選者: 高橋正子
■事務局:臼井虹玉
■スタッフ: 池田多津子・岩本康子・多田有花

水煙発行所

●4月句会ご挨拶とお礼

2007-04-15 09:56:51 | 4月句会
■□4月句会ご挨拶/高橋正子(オンライン句会主宰)
今日の4月オンライン句会をお楽しみいただけましたでしょうか。例年になく早く、花も終りとなりました。北海道では、これからの楽しみとなることでしょうが。長い日本列島の各地からの俳句を楽しませて、いただきました。野辺に咲く花が、農事の暦がわりとなっていた時代もあったそうです。そのように、自然と、周囲と、共に生活する楽しさを句会でも味わわせていただきました。多くの方から、投句、互選をいただき、いい句会となりました。また、今月の特別選者として、多田有花さん、池田多津子さん、渋谷洋介さん、選とコメントをありがとうございました。お手伝いくださった皆さま、どうもありがとうございました。終りになりましたが、信之先生、いろいろとありがとうございました。これで、今月のオンライン句会を終わります。来月を楽しみに、ご健吟ください。

■□4月句会ご挨拶/池田多津子(管理・集計)
木々の芽吹きがそこここに見られ、愛媛は穏やかな一日となりました。年度始め、何かと慌ただしい日々をお過ごしの方もいらっしゃるかと思いますが、ほっと一息のひとときとなったことと存じます。生活の中の何気ない俳句に心和む思いでした。これからますますいい季節になってきますが、皆様お元気でお過ごしください。
4月句会は、高橋信之先生・正子先生のご指導のもと、多田有花、臼井虹玉、池田多津子の3人のチームでお世話しました。

●4月句会入賞発表①(金銀銅3賞)

2007-04-15 09:52:15 | 4月句会
【金賞】
★ゆっくりと栃の芽解け葉の色に/渋谷洋介
芽が解け、葉になるのは当たり前だが、大樹である栃は、「ゆっくりと」芽を解き、緑の「葉の色」になった。自然のなりゆき、造化の秘密をここに見るようだ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★昨日今日欅芽吹きて薄みどり/大山 凉
欅の芽吹きは、繊細で美しい。昨日、今日と欅の薄みどりの芽吹きに出会い、清々しさを覚える。(高橋正子)

★花散れば海光花の中にあり/吉田晃
散る花の間から、海がきらきらと見える。散る花を透かして、海の輝きが見える。句の構成がいい。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★一握のげんげ机上に光満つ/吉川豊子
げんげを一握り摘んで来て、どこへ置こうかと思うが、机上に置いた。日ごろ使う机に置かれたげんげの明るい色が、少女のような気持にさせてくれる。(高橋正子)

★筏ともならず落花の流れけり/かわなますみ
落花は、つながり、筏を組むこともなく、ひとひら、ひとひら、水に流れている。水を流れるそれぞれの桜の花びらが繊細に詠まれている。(高橋正子)

★花屑を手にとり軽さ覚えおり/藤田裕子
花屑を手にした。実際の、あまりの軽さに花の儚ささえ思える。「覚えおり」に詩情が生まれている。(高橋正子)

※選者の句は、入選作品から割愛しました。

●4月句会入賞発表②(特選)

2007-04-15 09:51:27 | 4月句会
【高橋信之特選7句】
★花びらの来しは高々山桜/高橋正子
花びらの「高々」がいい。詩的だ。作者の眼目は、ここにある。(高橋信之)

★黄砂降る百万石の塗り瓦/宮島千生
大きな風景を取り上げているが、焦点が絞り込まれ、百万石の「塗り瓦」にある。骨太なところに惹かれた。(高橋信之)

★昨日今日欅芽吹きて薄みどり/大山 凉
欅の芽吹きは、繊細で美しい。昨日、今日と欅の薄みどりの芽吹きに出会い、清々しさを覚える。(高橋正子)

★花屑を手にとり軽さ覚えおり/藤田裕子
花屑を手にした。実際の、あまりの軽さに花の儚ささえ思える。「覚えおり」に詩情が生まれている。(高橋正子)

★ゆっくりと栃の芽解け葉の色に/渋谷洋介
芽が解け、葉になるのは当たり前だが、大樹である栃は、「ゆっくりと」芽を解き、緑の「葉の色」になった。自然のなりゆき、造化の秘密をここに見るようだ。(高橋正子)

★揺れるたび空へ広がり花ミモザ/藤田洋子
ミモザは小さな花が集まって大きな風景を作る花である。風に揺れる様を「空へ広がる」と表現したところに作者の確かな目がある。(古田けいじ)

★つくし摘む子の歓声や日の溢れ/吉川豊子
親子で春の野に土筆を摘みに出ている。親は無心に土筆を摘み、土筆を見つけた子どもは喜びの声を上げる。春の陽がそんな親子を包むようにさんさんと降り注ぐ。(古田けいじ)


【高橋正子特選7句】
★柿芽吹く朝に厨の窓開ける/藤田洋子
「柿芽吹く」日の朝がすがすがしい。「厨の窓開ける」に主婦の生活を見る。(高橋信之)

★水槽にフリージャーの束の浸けてあり/祝 恵子
作者の身近なところに「水槽」があって、「フリージャーの束」が生活に溶けこんでいる。(高橋信之)

★筏ともならず落花の流れけり/かわなますみ
落花は、つながり、筏を組むこともなく、ひとひら、ひとひら、水に流れている。水を流れるそれぞれの桜の花びらが繊細に詠まれている。(高橋正子)

★一握のげんげ机上に光満つ/吉川豊子
げんげを一握り摘んで来て、どこへ置こうかと思うが、机上に置いた。日ごろ使う机に置かれたげんげの明るい色が、少女のような気持にさせてくれる。(高橋正子)

★花散れば海光花の中にあり/吉田晃
散る花の間から、海がきらきらと見える。散る花を透かして、海の輝きが見える。句の構成がいい。(高橋正子)

★測量士吾に日がなの春の風/おおにしひろし
測量というやや硬質さと対照的なそよ吹く春の軟風がより優しく柔らかに感じます。季節の快さに身を置きながら心和み、仕事に励まれる作者の充実なひとときを垣間見るようです。(藤田洋子)

★つんつんと揺らぎは見せず松の芯/甲斐ひさこ
見るからに新鮮な「つんつんと」伸びる松の新芽が目に浮かびます。揺らぐことなく真っ直ぐなその姿に、新しい季節を迎え成長する松の勢いや強さを感じます。(藤田洋子)



▼特別選者

【多田有花特選7句】
★疾走の子を抱きとめる春野かな/大山由紀
たぶん、3、4歳のお子さんなのでしょう。走るのが楽しくて、きゃっきゃと声を上げながらかけてくる、それを抱きとめるお父さんか、お母さん、生き生きとその情景が目に浮かびます。弾むような躍動感が「春野」にぴったりです。(多田有花)

★鉄棒に春群青の空を蹴る/尾弦
小学生でしょう。校庭の鉄棒で逆上がりでもしているのでしょうか。蹴り上げた足が春の空に届くようで、明るい情景です。(多田有花)

★暮遅し打たせ湯に背を任せおり/小川美和
今日はのんびりと温泉に入って、くつろがれているのでしょう。春の夕刻のたゆたうようなゆったりした感じがよく出ています。(多田有花)

★黄砂降る百万石の塗り瓦/宮島千生
加賀百万石の城下町、金沢。町の伝統と町並みの様子を「塗り瓦」で表現され、どっしり落ち着いた雰囲気が漂っています。(多田有花)

★花散れば海光花の中にあり/吉田晃
散る花の間から、海がきらきらと見える。散る花を透かして、海の輝きが見える。句の構成がいい。(高橋正子)

★柿芽吹く朝に厨の窓開ける/藤田洋子
「柿芽吹く」日の朝がすがすがしい。「厨の窓開ける」に主婦の生活を見る。(高橋信之)
 
★桜蕊もろとも掬う神の水/松原恵美子
目の前にある神聖な水に降った桜蕊。その自然のままが作者の手に掬われるリアリティがあります。神聖なものに触れた時の作者の感動が伝わってきます。(臼井虹玉)


【池田多津子特選7句】
★柿芽吹く朝に厨の窓開ける/藤田洋子
うすみどり色の柿の芽が出て明るい朝。窓を開けて朝の空気がいっぱいの厨に今日の一日がさわやかに始まります。(池田多津子)

★遅れゆくわれに芽吹きのさまざまに/高橋正子
ほかの人たちから遅れて急ぎ足の作者に木々の芽吹きがやさしく感じられます。(池田多津子)

★花散れば海光花の中にあり/吉田晃
花が次々に散っていくその中に、美しい海のきらめきが見えます。いつまでも眺めていたい情景です。(池田多津子)

★春日和海の青さのほどけおり/大給圭泉
冬の厳しい海からゆったりとした春の海に変わってきました。冷たい青がほどけて温かみのある青になったような気がします。(池田多津子)

★筏ともならず落花の流れけり/かわなますみ
落花は、つながり、筏を組むこともなく、ひとひら、ひとひら、水に流れている。水を流れるそれぞれの桜の花びらが繊細に詠まれている。(高橋正子)

★鉄棒に春群青の空を蹴る/尾弦
うつくしい群青の空に向かって足を蹴り上げる清々しさ、元気の良さが、生命感溢れる春という季節に重なって、とても気持ちのよい御句と思います。(臼井虹玉)

★透きとおる赤子の頬に風眩し/丸山草子
春という、光に溢れた眩しく優しい季節のなかですくすくと育つ幼子を見るよろこびが伝わってきます。(臼井虹玉)


【渋谷洋介特選7句】
★燕来る子らの声満つ校庭に/池田多津子
新学期の明るい校庭の、弾けるような歓声が、聞こえます。(渋谷洋介)

★測量士吾に日がなの春の風/おおにしひろし
測量というやや硬質さと対照的なそよ吹く春の軟風がより優しく柔らかに感じます。季節の快さに身を置きながら心和み、仕事に励まれる作者の充実なひとときを垣間見るようです。(藤田洋子)

★野良人の鍬切る空へ揚げひばり/湯澤まさえ
空を切る野良人の鍬の動きと揚げひばりの動きが、春の野の風景に相応しく、長閑でおおらかです。(臼井虹玉)

★花盛り幸せ色に町を染め/篠木睦
町じゅうに満開の桜のある風景は、どこか幸せに満ちているという作者の実感がほのぼのと美しく詠まれていると思いました。(臼井虹玉)

★片栗の掴む日差しの柔らかさ/木村修
春のいっときを、山中や林野の傾斜地に咲く片栗の花が、ふりそそぐ春の柔らかな日差しを存分に受ける様がかわいらしく目に浮かんできました。(臼井虹玉)

★ジョギングの少年たんぽぽ軽く踏み/あみもとひろこ
ジョギングをする少年とたんぽぽの置かれた情景は、何か健康的で明るいものを感じます。「軽く踏み」に優しい感じを受けました。(臼井虹玉)

★久々に絵筆持つ手やチューリップ/安丸てつじ
春らしい花であり、形や色がくっきりと迫ってくるチューリップが、作者が久しぶりに描く対象として選ばれたのかもしれません。久々に絵筆を得て、まるで子供の頃のように嬉々として絵画に取り組む作者の楽しさが伝わってくるようです。(臼井虹玉)

▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。

●4月句会入賞発表③(入選)

2007-04-15 09:50:16 | 4月句会
【入選Ⅰ/10句】
★一村の墓静もりて花の下/黒谷光子
静かな墓とは対照的に、今年もあでやかに咲いた桜。
桜をみるたびにしみじみと故人の事を思い出している村人の姿が見えてきました。(木村 修)

★やまざくら花ぬぎすてて森に戻る/多田有花
山桜は花も嫩葉の同時で美しい。しかしいつの間にか天女が帰るようにいつもの森になっている。下五が山桜の美しさを引き立てていると思う。(清水清正)

★近江路の子供歌舞伎や春深し/前川鳰波
子供達の一生懸命に練習した歌舞伎の所作、うれしい待ちに待った曳山まつりですね。(祝 恵子)

★春愁のデジタル時計秒刻む/矢野文彦
ものみな命の息吹に満ち溢れる季節、それだからこそ逆になんともいえない物憂い思いにとらわれることがあります。時の流れの留まらぬことをデジタル時計が教えてくれるようです。(多田有花)

★渡り来て飛び交う燕夕茜/岩本康子
今年も燕がやってきました。長旅の疲れも見せぬ軽快な飛翔。さっそく巣づくりの準備に取り掛かっているのでしょう。(多田有花)

★春時雨電車揺れては軋みけり/小川美和
★空も地も夕日の色に蕗の薹/石田高志
★新緑は重なりあいてそれぞれに/笠間淳子
★松の芯こぞり大空ゆらぎけり/松原恵美子
★春空の明けゆく小鳥の声に満ち/あみもとひろこ

【入選Ⅱ/20句】
★万葉の風かたくりの花明かり/高橋正道
奈良のどこかでの景でしょうか。「万葉の風」から受けるおおらかな感じと地味だけれど明るいかたくりの花が何故だかぴったりだと思いました。その風に少しだけ揺れている片栗の花を想像します。(岩本康子)

★曖昧な色ひとつ無くチューリップ/臼井虹玉
そのものズバリ。断定した表現がチューリップに似合います。(矢野文彦)

★転職をバネとせよ子よ啄木忌/安丸てつじ
転職をするわが子を激励する親心。若さと転職など季語と共鳴し、より強い励ましの句となっています。(飯島治蝶)

★下萌えを踏めば靴底弾みくる/志賀たいじ
草野のやわらかい感触に春の訪れを感じる繊細な感覚が、素晴らしい。詠み手の喜びの声まで伝わってくるようです。(高橋正道)

★葉桜やすずめは嬉々と午後三時/碇英一
★風光る橋渡り来し美術館/野田ゆたか
★花曇児の背に光るランドセル/飯島治蝶
★花散って疎水の水もさくら色/篠木睦
★片栗の掴む日差しの柔らかさ/木村修
★虎杖の苦きを齧り山歩き/澤井渥
★春陽射すわれといくたり茶房窓/大給圭泉
★洗濯の白眺むれば春半ば/滑川けい子
★槍ケ岳(やり)の水山葵を辛く育てけり/清水清正
★フリージヤ居間の闇に香り満つ/堀佐夜子
★半島に白き雲浮き風光る/丸山草子
★池の面を浮きつ沈みつ散る桜/國武光雄
★わかみどり枝先に伸びる欅かな/河野渓太
★花びらの二三片あり象の背/中村光声
★たちまちに巨船呑み込む沖かすみ/大山由紀
★春蘭の丈へ屈んで写真撮る/古田けいじ

※作者不明の句は、入選作品から割愛しました。

▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。

●選者詠

2007-04-15 09:48:24 | 4月句会
■選者詠/高橋信之
★朝が始まる洗面の春水あふれ
朝の柔らかい明るさに輝く春の水。穏やかな春の一日の始まりの景が、ほの暖かく広がって来ました。 (野田ゆたか)
春の一日の始まりが、いきいきと捉えられていると思う。生きるという事が、豊かな春の水が溢れてくるような、喜びと感じられた。 (あみもとひろこ)

★春天の暁けゆき青の明るさに
早朝の春の空。秋空のように澄み切った紺青ではないが、霞立つパステルの青が好い。枕草子の一節「春はあけぼの」がふと思い浮かぶ。(安丸てつじ)
明け方の空の青さはうつくしく、すがすがしいです。一日のはじめの元気をもらったような気がします。(大山 凉)
夜明けが早くなり、朝雨戸を開ける時の青く澄んだ大きな空が眩しいです。(松原恵美子)

★新緑のその上の空が白い

■選者詠/高橋正子
★花びらの来しは高々山桜
花びらの「高々」がいい。詩的だ。作者の眼目は、ここにある。(高橋信之)

★遅れゆくわれに芽吹きのさまざまに
ほかの人たちから遅れて急ぎ足の作者に木々の芽吹きがやさしく感じられます。(池田多津子)

★くるくると鳴けるかわずに谷戸の水

●互選集計結果報告/4月句会

2007-04-15 09:46:38 | 4月句会
■互選高点句/池田多津子集計

13点 一村の墓静もりて花の下/黒谷光子
12点 鉄棒に春群青の空を蹴る/尾弦
12点 筏ともならず落花の流れけり/かわなますみ
11点 曖昧な色ひとつ無くチューリップ/臼井虹玉
10点 一握のげんげ机上に光満つ/吉川豊子
10点 朝が始まる洗面の春水あふれ/高橋信之
10点 花散れば海光花の中にあり/吉田晃
 8点 疾走の子を抱きとめる春野かな/大山由紀


選句箱