空色レールウェイ

空は続く、どこまでも

「劔岳 点の記」

2009年07月22日 | 映画


「劔岳 点の記」を観てきました。
以下、ネタバレが含まれています。

【あらすじ】
明治39年、日本地図の完成を急ぐ陸軍は「最後の空白」劔岳の初登頂と測量を指示します。
命を受けた参謀本部の測量手・柴崎は、宇治長次郎に案内役を頼み、劔岳へ臨みます。
一方、小島鳥水率いる日本山岳会も海外の最新装備を持ち、剱岳の初登頂を目論みます。

圧倒的に美しい自然、凶暴な牙で襲い掛かる自然。
劔岳の登頂を目指す2組の運命とは・・・

木村大作監督作品  原作:新田次郎「劔岳 点の記」

「誰かが行かねば、道はできない」

まず驚かされたのは、やはり劔岳の美しさです。
春夏秋冬それぞれ、表情の違う美しさを持っていました。
ただ、どれも人を寄せ付けない気高さのようなものも感じました。
自分は一生ナマで見ることはないと思うので、この映画で見られて良かったです

今フツーに見ることのできる「地図」にこれだけ大変な思いがあるとは、正直知りませんでした。
日本地図にポッカリと残る空白に鎮座する劔岳は、正に剣の山の如く険しい山でした。
「何人たりとも寄せ付けない」という、確固たる意志を持つ山でした

そんな劔岳に臨む、柴崎を演じる浅野忠信さん。
どちらかと言うと寡黙だけど、その瞳の奥には登頂にかける情熱が燃えていました。
浅野さんって、台詞を言わなくても十分に物を伝えられる俳優さんですね。
この映画でそれが良く分かった気がします
当然ですが、映画「鈍獣」でのキャラクターとは180度違いました

ただ、柴崎は劔岳への情熱は、あくまで「測量」の為なんですよね。
「誰も登ったことのない山に登りたい」とか「歴史に名を刻みたい」という思いからではなく、
あくまで「測量の為」なんですよね。
正に、黒部ダムを造った方々のような、仕事に対してのプロフェッショナルだったんだろうと思います

方や、仲村トオルさん演じる日本山岳会の小島鳥水は、
「歴史に名を刻みたい」という思いから初登頂を目指します。
正に「登山家」・「冒険家」ですよね。
その思いで山に登るのも素敵だと思います・・・ロマンがあります

しかしこの映画では、「名誉」の為ではなく「測量」の為に過酷な山に挑み続ける柴崎に、
小島鳥水は心から感服します。
頂上へ行くのが目的の小島、頂上へ着いてからが目的の柴崎。
目的は違えど、同じ頂を目指す2人には、相通ずる物があったんでしょうね。
海外の最新装備を見に付け、垢抜けた格好の仲村トオルさんは格好良かったです

そして、案内役の宇治長次郎を演じる香川照之さん・・・実は大好きな俳優さんなんです。
大河ドラマ「利家とまつ」での秀吉役、映画「ゆれる」での兄・稔役・・・などなど・・・
背中1つ、目の動きや目線のやり方、それだけで色々なことを表現されていて、
そうした仕草を見るのが好きなんです。
この映画でも存分に堪能することができました・・・やっぱり素晴らしい俳優さんです

1つの事に、真剣に全てを投げうって挑む姿は、劔岳の自然以上に美しかったです。
だからこそ、「死の山」劔岳は、彼らの登頂を許したのではないかと思います。
登頂後のエピソードは切なかったですが、彼らの行ったことが色褪せることはありません。
自分も何かに打ち込まないとっ

最後に、予告編を貼り付けておきます!良かったらどうぞ

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