空色レールウェイ

空は続く、どこまでも

「3時10分、決断のとき」

2009年11月19日 | 映画


「3時10分、決断のとき」を観てきました。
以下、ネタバレが含まれています。

【あらすじ】
抱えた借金よって家族との絆が冷めようとしている、小さな牧場主のダン。
彼は、逮捕された強盗団のボス・ベンを刑務所のあるユマ行き・3時10分発の列車に乗せる護送を引き受ける。
報酬は200ドル・・・ベンの部下がボスの奪還を目指し襲ってくる・・・

そんな中、ダンとボスの間に様々なものが芽生えてきます・・・
目的地に着くも、ベンの部下に取り囲まれる・・・諦めるか、命をかけて続行するか・・・
ダンがこの仕事を請けた本当に理由とは・・・そして衝撃のラストとは・・・
西部劇の傑作がここに誕生しました!

ジェームズ・マンゴールド 監督作品

この作品は人気作家エルモア・レナードの短編小説を映画化したものですが、
1957年に「決断の3時10分」というタイトルで1度映画化されています。
今回はその映画のリメイクということだそうです。
「サブウェイ123 激突」もそうでしたし、リメイクブームなんでしょうかね

借金を抱え子供から軽蔑され、護衛役を買って出る牧場主をクリスチャン・ベイルが好演しています。
家の中で子供や妻に蔑んだ目で見られるのは本当に辛いですよね・・・
そうした状況を打開する為、借金を返済する為に危険な道を選ぶのは理解できます。
ダンは南北戦争で片足を失っているのですが、再三無くした理由をベンに聞かれるのですが答えないんですね。
で、ラストにその理由を語るのですが、「男」らしかったですね・・・「父親」らしかったですね・・・
そして、とてつもなく格好良かったです・・・憧れますね

そして強盗団のリーダー ベン・ウェインを演じた、ラッセル・クロウ・・・
漆黒の帽子に、漆黒の衣装、そして漆黒の銃・・・その銃を抜けば「神の手」と呼ばれる早撃ち・・・
もう格好良すぎるじゃないですか・・・最高のワルじゃないですか・・・
「サブウェイ123 激突」同様、「悪さ」が輝いてます

微笑めば愛想の良い憎めない表情なんですが、そこはやっぱり「悪」ですから。
かなり冷酷だったりします・・・仲間を何のためらいもなく殺してしまいますしね・・・
ラストに見せたあの極上の表情と、あの早撃ち・・・凄すぎる

言ってることは結構筋が通ってますし、カリスマ的なオーラも身にまとっています。
父親に軽蔑しているダンの息子が、一時憧れの表情でウェインを見ていましたが理解できますね~
悪いんですが、ある種のヒーロー像でもありましたから・・・

だけど、物語が進むにつれ息子は父親の大きさに気付くんですね。
カッコイイとは言ってもやはり「悪」は「悪」ですし、そこはやっぱり偶像なんですよね・・・

実直に現実を生きる父親、全てを賭けて生活を守る父親、息子を思う父親。
夢を見るような目でウェインを見ていた息子が、最後はしっかりと父親を見るんです・・・
やっぱり、お父さんっカッコイイですよ

護送の道を行く、ダンとウェインの間にもある種友情が芽生えるんですね。
不思議とその列車に向かう道中に協力しあって行きます。
ダンが護衛を受けたのは「お金」だけが理由だと思っていたウェイン。
「お金」が理由ならば、今まで出会った男達と同様に寝返らせるのは簡単だと思っていたでしょうね・・・
だけど、ダンは「お金」では寝返らなかった・・・そこにウェインは惹かれたんでしょうね

同じくダンもウェインに惹かれていましたね。
「悪」とは言え、彼に言う理屈も分かりますし・・・男が憧れる男像ですし・・・
そりゃ誰だって憧れますよね

ラスト5分は確かに衝撃でした・・・
そこで、もうこれはラッセル・クロウの映画だよ・・・と思わされました・・・
ウェインの部下がそれほど悪いことをしたとも思えないんですが、ちょっと可哀想でしたね。
しかし、あの銃の撫でるように握って、部下を睨むウェインもといラッセル・クロウの殺気ったらなかったですね。
もうメラメラメラメラと音が聞こえてきましたよ・・・

皆川亮二著の「ピースメーカー」というコミックにハマっていたので、西部劇はツボに入りました。
色々なヒーロー像が楽しめる、素晴らしい作品でした

最後に、予告編を貼り付けておきます!良かったらどうぞ

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