諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

昔話「牛方と山姥」は、素戔嗚尊と瀬織津姫との戦いを描いたのではないか。その2

2022年12月06日 18時07分25秒 | 瀬織津姫
続きます。

「牛方と山姥」のストーリーに付いてですが、この話、沖縄から青森まで伝わっています。当然、話の細部は違っていたりします。どれが本当なのかは分かりません。

まっ、そういう事なので、今回は東北に伝わっている「牛方と山姥」のストーリーで話を進めます。私は東北人なので。

その前に「牛方」に付いて説明します。牛方は牛に荷物を載せて運ぶ仕事をしている人です。

因みに私の父方の祖父は「馬喰」でした。

馬喰は「馬を喰う人」と言う意味ではなく、馬の売買をする人。馬の調子を見て治す人。或いは馬で人や荷物を運ぶ人です。クルマがない時代のタクシーや運送屋となります。

さて、「牛方と山姥」のストーリーです。

正月が近づいて牛方は旦那に頼まれ、山を越え正月用の魚を港で買い求め、旦那の家に向かう途中だった。峠に入った時点で日は暮れていた。冷たい風が吹いていた。
その風と共にしわがれた声で「牛方、魚食わせろ」との声が。振り返ると赤い目をらんらんと光らせた山姥が恐ろしい形相で立っていた。
牛方は恐ろしくなり牛の背から魚を取り、山姥に放り投げる。山姥は魚を頭から貪り食う。
また魚を要求する山姥。牛方は何度も魚を投げる。そして全ての魚を食べてしまった山姥。
次に山姥は「牛方、牛の足を喰わせろ」と要求。牛方は山姥の要求に逆らえず牛を与える。山姥は牛に飛び付き、牛の足全てを平らげた後、胴体も全て食べてしまう。
それでも山姥の食欲は満たされない。そして「牛方、お前を喰わせろ」と叫ぶ。
牛方は脱兎の如く逃げた。そして一軒家を見つけ助けを求めて中に入った。誰も居なかった。
やがて戸が開き、家主が返ってきた。その家主は山姥だった。牛方は焦り屋根裏に隠れた。
山姥は囲炉裏に火をつけ、餅を焼きだした。魚を喰い、牛一匹を喰い、餅まで喰う。山姥の食欲は限度がない。
そこで牛方も空腹となった。山姥が水屋(台所??)に醤油を取りに行った。その隙に牛方は屋根の萱を一本抜き取り、餅に刺して吊り上げ全ての餅を食べた。
水屋から帰った山姥は餅が全て無くなり、「餅を喰ったのは誰だ」と怒り狂う。
牛方は小声で「火の神、火の神」と囁く。
山姥は「火の神なら仕方がない」と呟き、今度は甘酒を沸かしながら居眠りをする。
その隙に牛方は萱で甘酒を吸い上げ全て飲み干す。
山姥は目を覚まし、甘酒が無くなっているのに気が付く。そして「甘酒を飲んだのは誰だ」と叫ぶ。
牛方はまたも「火の神、火の神」と囁く。
山姥は「また火の神の仕業か。しょうがない、もう寝るか」と呟く。
それを聞いた牛方は「釜の中が良かろう、釜の中が良かろう」と火の神の声まねで命ずる。
山姥はそれに従い釜の中に入り鼾をかいで寝る。
牛方は屋根裏から降りてきて釜に蓋をして大石を載せ、釜に火をつけた。釜からは蒸気が沸騰する。鼾が止まり釜の中の山姥が暴れ出すも大石が蓋に載せられているので出られない。
牛方は枯葉や枝を追加し更に釜を熱する。山姥は暴れるのを止め、家の中は焦げ臭い匂いで充満。
牛方は釜をそのままにして、振り返りもせず里へ帰って行った。
目出度し、目出度し。

まっ、こんな感じですね。


続く。





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