Un Altro Paese:伊(異)国にて、、、

 イタリア:訪れたお気に入りの場所、映画、小説、音楽なによりも大好きな写真を添えて,独断と偏見による日記帳です。

ローパスレス

2010-03-31 05:33:53 | 写真

Leica M8 Voigitander Nokton 35mm F1,2 UV/IR Cut Filter Iso 320  Firenze

 M8を使ってみて、なんというか画像の透明度が15×20位までのサイズだとまったく違うな、、、と感じました。レンズのお蔭もあるでしょうが、これはローパスのないセンサーの影響も大きいのだな、、と感じています。まっ、、、その弊害がUV/IRなのですけど、、

 他社との差別化、個性を出すために2強以外のメーカーがこれからどんどん、ローパス無しセンサーを搭載して欲しいな、、と使ってみて感じます。だからペンタックスの645Dの叩き出す画像はそれはまあ凄いのだろうと想像できますね。


『羅生門』

2010-03-29 03:06:25 | 映画

Minolta Dynax 9 SAL 50mm F1,4 T-Max 400 Firenze

 

 今年は世界的巨匠、黒澤明監督の生誕100周年、イタリアでもその偉大な経歴を綴った記事が雑誌、新聞などに掲載されている。

 

 実は黒澤監督の世界的デビューというのはイタリア、ヴェニス映画祭に1951年、イタリアのネオリアリズム映画を中心に日本市場を調査、売り込みにきていたあるイタリア人女史がこの映画を見ていたく感激、なんとしても招待したいと親会社大映に出向いて、“この映画は訳が分からん、、日本の恥をさらすだけ、、”と否定的だった大映の永田社長を説得してしぶしぶ了解させた、、、さらに字幕まで断られた彼女は“なんとしてもこの素晴らしい映画を陽のあたるところへ”と願い、自費でこっそり字幕を仕上げ、ヴェネチアまで郵送した、、というエピソードを持っている。GHQからまだタブーとされていた時代劇(軍国主義を蘇らせる危険があるとのことで)の観閲をなんとかクリアーして生まれたその作品は海外の巨匠たちに計り知れない影響を与えたが、そのきっかけは映画を心から愛する一人のイタリア人女性の情熱から生まれたのだった。黒澤監督は自伝で受賞後態度が豹変した大映の永田社長(自分の功績だと高々に宣伝しまくった)をまるで映画『羅生門』のエピソードそのままではないか、、、と皮肉った

 

真実は一つではない、、、己の都合によって解釈が変わる、、、黒澤監督の最高傑作は自分もこの『羅生門』だと思います。当時の技術では絶対不可能といわれた太陽を映像の中に見事に収めたハイキーなB&Wは冒頭の雨が滴るシーンとの対比が強烈、、、何度見ても鳥肌が立ちます。溝口監督の作品でも活躍したカメラマンの宮川一男は見事に完全主義、クロサワの要求に応えた。1982年、50年間に及ぶヴェネチア映画祭、金獅子賞の中の金獅子賞に満場一致で選ばれた席で選考委員でありクロサワ監督をおおいにリスペクトしていたフェリーニは

『我々映画人はクロサワから多くのことを学んだ。クロサワは映画界にとって最大の恩人である。どれだけ感謝しても足りるものではない。映画祭50年にあたり、もっとも優れた映画を1本選べというなら、私は迷わず『羅生門』を推挙する。この偉大な映画を世界で最初に見出したのが、我がヴェネチアだったという事実は、イタリア人にとって何よりの名誉である』、、と感慨深く語っています。

 

 


嬉しい出来事

2010-03-20 22:06:57 | 日記

Leica M8 Summilux 75mm F1,4 Iso 160 S.Giovanni Valdarno

 先日、娘の写真をプリントしたついでに、いろんなカメラで撮ったスナップ、風景写真等、何枚かついでにプリントしておいた、、、偶然訪問された眼鏡のお客様、写真を感心して眺めて“これ、あなたは雑誌なんかに掲載することもあるのか?”ない、、、と答えると“アメリカでだしているトスカーナの情景を載せた雑誌に是非載せたい、、、とありがたいお申し出をいただきました。こういう思いがけない提案は本当に嬉しいなあ、、、イタリアでは口約束で終わることも多いのだけれどもわざわざ雑誌(というより本に近い)を持ってきてくれた、、、最後までどうなるか分からないけれど、、認められたようで嬉しいですね。


待ち遠しい春

2010-03-16 15:34:18 | 日記

Sonyα900 SAL 50mm F1,4  Iso 200 Firenze

 今年ほど春の到来が待ち遠しい年もなかったかも、、、イタリアもはっきりとした四季があったのですが、近年の温暖化で段々二極化してきています。

 ウフィッツィ美術館の辺りが賑わい出したら春はもうすぐ、メディチ家最後の灯火が消え去る前に“メディチ家の所有する全ての芸術作品はフィレンツェ市、市民に属し、いかなるものもこの街から移動してはならない、、、”との遺言を残した末梢、アンナマリアルイザの賢明さのおかげであれだけの莫大な芸術作品をこの小さなフィレンツェで見ることができる、、、あの遺言がなければ我々はダヴィデ像、ボッティチェッリの絵など間違いなくヨーロッパ各地(ウィーン、パリ、ロンドンなど)に散らばっていたことでしょう、、、彼女の先見の明に感謝、、、、


90mm

2010-03-09 16:29:08 | 写真

Leica M8  Elmarit 90mm F2,8 (1st)  Iso 160  Firenze

 ライカのレンズ、私が買った多分最初で最後の新品Mレンズはズマリットの90mmF2,5という渋い開放とコンパクトなサイズ、発色も抜群でライカらしい色がそこからでていました、、、ツアイスのZAを買ったときに手放してしまいましたがいまでもいいなあと思うレンズです、、、ズマリットは90mmが一番だと個人的には思いますね、、、

 この90mmという焦点域、レンジファインダーで無理せず併せられるもっとも長いレンジとしてライカが気合をいれて作り上げてきたレンズ群だけあってどれも本当に素晴らしい、、、開放F4からF2のアポズミクロンまで傑作ぞろい、、、だと思います。

 このエルマリートもクロームボディの小さめなレンズで使い勝手も抜群、、やや地味目の発色、エクタクロームを髣髴させる写りはいいなあ、、と素直に思います。B&Wのフィルムでも使って(こんなことばっかりいってますね)実力を試してみたいですね、、、