ニルヴァーナへの道

究極の悟りを求めて

島田裕巳氏のプレイボーイインタビュー

2007-03-27 17:03:15 | カルト

http://m-playboy.shueisha.co.jp/playboy_interview/index.html
月刊プレイボーイ最新号のプレイボーイインタビューに島田裕巳氏が登場していた。
立ち読みさせてもらったが、なかなか興味深かった。
ちょっと、ショックだったのが、島田氏の年月の経過を感じさせる風貌であった。あの若々しかった朝まで生テレビでの姿はどこにいってしまったのか。時よ止まれ!!と言いたくなるが、この世界は無常なんですね。人は必ず死ぬ、絶対死ぬ、これは永遠に変わらない真理ですねえ(苦笑)。島田氏の姿を拝見して、猛烈に無常を感じた私でした・・・・。

島田氏をはじめて知ったのが、あの有名な朝まで生テレビでの、オウム真理教と幸福の科学との討論会で、新進気鋭の宗教学者として出演された時で、非常に的確な、バランス感覚のあるコメントをされていて、大変印象に残った。
それからも、オウムに関しては、『いま宗教に何が起こっているのか』(講談社)、『仏教は何をしてくれるのか』(講談社)などの著書で、主に、宗教社会学的な視点から、日本仏教の抱える問題点、なぜ、オウムや幸福の科学が注目を集めるのか、などを論じておられた。

私が、島田氏の本を本格的に読み始めたのは、地下鉄サリン事件以降です。
特に、島田氏の『オウム~なぜ宗教はテロリズムを生んだのか~』(トランスビュー)は宗教学者として底力を感じさせられました。
オウム事件以後、それ以前に、オウムに関して、比較的好意的に論じておられたことや、メディアでの誤報が元となったバッシングなどが原因となって、大学教授の地位を降りざるを得なかったご自身の宗教学者生命を賭けられて、渾身の力を振り絞って書かれてのがあの『オウム』でした。
この本では、以前の宗教社会学的な視点から、さらに、より深くオウムの教義の中にも踏み込んで、なぜ、オウムは地下鉄にサリンを撒かざるを得なかったの、その根源にあるのが、オウムの独特の教義であるマハームドラーである、という仮説を立てられた。

さらに、近著の『オウムと9.11』(メディア・ポート)では、何故、殺人肯定のヴァジラヤーナが説かれだしたのか、その背景にメスを入れている。
島田氏によると、殺人肯定のヴァジラヤーナの教えで、殺人が行われたのではなく、田口事件や坂本一家殺害を正当化するために、ヴァジラヤーナの教えが説かれだしたのだ、というのだ。なるほど、この説は、かなり説得力がある。そして、凶悪な事件の実行犯となった信者たちの中の少なからずの人たちは、そのような教団の「内部事情」(密教)を知らないままに、自分たちは、崇高な宗教行為を実践しているのだという「錯覚」のもとで、重大な犯罪行為に及んだことになる。そういう意味では、実行犯たちも、教団の犠牲者だとういうことになる。

さて、プレイボーイインタビューで、紹介されている、島田氏の新著『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』(亜紀書房)である。あの地下鉄サリン事件に関して、中沢氏は元サマナ高橋英利氏との対話の中で、「ね、高橋君。オウムのサリンはどうして十人、二十人のレベルだったのかな。一万人とか、二万人の規模だったら別の意味合いがあったのにね・・・・・」と語っている。これには、さすがの高橋氏も違和感を感じて、手記を「宝島30」に発表された。それで、この中沢氏の発言をご存知の方も多いだろう。「宝島30」最終号の、岩上安身氏と宮崎哲弥氏との対談では、中沢氏が中沢氏と親しかった元オウム信者に語ったといわれている、「一万人、二万人規模の人間が死ねば、東京の霊的磁場が劇的に変化する。」という中沢氏の言葉も紹介されている。

島田氏の今度の本で、この中沢氏の発言の真意を探るべく、中沢氏の著書や入手できた過去の発言を辿りながら、中沢氏がいまだに心の奥深く密かに抱いているかも知れない、地下鉄サリン事件の「本当の意味」を考察をされているそうです。非常に楽しみにしています。
あの地下鉄サリン事件は、別の意味合いになるような要素があったのか、そのような宗教的意味合いがあるようなものであったのか、そこを、中沢氏は、ハッキリさせるべきではないのか、曖昧にしておくべき事件ではないのではないか、ああいう無差別殺人事件は、完全に否定しておかなければならないのではないか、そこを中沢氏に突きつけている、と島田氏はインタビューで述べています。かなりシビアな表現で中沢氏を批判しているらしく、中沢氏からの「法的措置」にも堂々と受けて立つと、語っておられる。

この本の原稿を有田芳生氏が読まれたそうで、有田氏の『酔醒漫録』というブログでその感想を書いておられる。まだ、出版されていないので、詳しい紹介はされていないが、この有田さんの感想を読んでも、かなり論争を呼びそうな内容のようです。

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5 コメント

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ご紹介ありがとうございます (さくら)
2007-03-27 23:47:47
たいへん興味深いですね。

紹介されている有田さんのブログの
地下鉄サリン事件と中沢真一(2)では
さらに島田さんの@@発言も紹介されてますね。

ご紹介の本さっそく入手したいです。
間違えました (さくら)
2007-03-27 23:53:59
有田さんが紹介されているのは
中沢さんの(@@;)な発言ですね。

さくらさん (Kaivalya)
2007-03-28 01:16:37
コメントありがとうございます。
この本は、かなり刺激的な内容のようで、読む前から、わくわくしています。
Unknown (蓮華)
2007-03-31 01:52:00
島田さんの新刊、楽しみですね~。

上祐氏のブログで、中沢新一さんにオウムの総括をしてほしいという記事がありました。
中沢さんは、事件直後には、「邪宗門」に匹敵するような本を書く、と言われていたのに、
その後全然その気配はありません。
中沢さんには、島田さんの予想を裏切って、島田さんの新刊に対する反論?をぜひともお願いしたいものです。
蓮華さん (Kaivalya)
2007-04-01 00:33:55
>上祐氏のブログで、中沢新一さんにオウムの総括をしてほしいという記事がありました。

『虹の階梯』の解釈のどこが間違って、あのような事件を起こしてしまったのか、などを示してくれたら非常に勉強になるのに、というようなことを書かれていますね。

>中沢さんは、事件直後には、「邪宗門」に匹敵するような本を書く、と言われていたのに、
その後全然その気配はありません。

週刊新潮の記事によると、中沢さんの著作活動において、ご自身の見解を示しているとのことですが・・・・。

>中沢さんには、島田さんの予想を裏切って、島田さんの新刊に対する反論?をぜひともお願いしたいものです。

そうですね。期待したいです。