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物品とサービス税(GST)が施行された後のレシートの見方を説明する

2015年05月03日 | マレーシア生活の案内と知識

2015年4月1日から物品とサービス税(GST)が施行されました。税率は6%です。GSTとは日本で言う消費税と同類の税です。なお事業者がGSTを課税しなければならない要件は、そのビジネスの年間売上高がRM 5万を超える場合です。

マレーシアの物品とサービス税(GST)ではかなりの数の非課税品目があります。生活必需品、生鮮食料品、公的医療、飛行機を除く公共交通機関、新聞、などは非課税です。

そのため非課税品と課税品の区別は覚えるしかないでしょう。例えばレギュラーガソリン(RON95という名称) は非課税ですが、ハイオクガソリン(RON97という名称) は課税です。また書籍は一般に非課税、しかし雑誌は課税品目に分類されている。

医薬品に至ってはいささかややこしい面がある。Intraasia の 『マレーシアの新聞の記事から』 から2つの記事を再録しておきます。

「公共医療サービスは全て物品とサービス税(GST)から免除されています。
一方薬局で薬を買う場合を含めて、民間の医療機関でのサービスと薬品においては、たくさんの分類に分かれており、これが消費者を困惑させそうです。

薬品はGSTの下では、品種と購入場所に基づいて 3分類されている: 
・約 4200種の薬品は税率ゼロと分類され、薬品登録番号 " MAL 8桁数字” の後ろに ”Z" が付いている。
・上記の免税薬品の他に、私立医療機関の医師が処方し私立病院または医院で購入する薬品は税率ゼロとなる、しかしそれを薬局で買うと課税される。
・私立の医療機関において、そこで雇われていない医師が診断した場合で且つその医師が年所得RM 50万以上の場合は、患者は支払う料金に物品とサービス税(GST)が課税される。」

別の記事
「物品とサービス税(GST)において、医薬品では 4215銘柄が国民必須医薬品表に載せられて非課税扱いとなっている。 この国民必須医薬品表は現実として320種の化学成分だけを含有した医薬品を載せている、この意味は異なる分量または包装から構成される 500種の医薬品ということです。(Intraasia 注:4215銘柄でも実質的な医薬品種は500ということだと理解される)

従ってマレーシア薬事協会によれば、マレーシアで保健省に登録された医薬品 約1万2千銘柄の内で、この国民必須医薬品表掲載の医薬品は約25%に過ぎないことになる。同協会はそのリポートの中で、糖尿病、心臓病、がんなど慢性病の治療に用いる先進薬品の多くが物品とサービス税(GST)の課税品となっている、と報じている。

民間医療分野の場合です、多くの医師は私立病院や医院に直接雇われているのではなく独立した契約者として働いているか、またはアウトソースサービスと分類されている。そこで診察料と専門医師に診てもらう費用は物品とサービス税(GST)の課税対象となる。」
以上

【スーパー、コンビニなどで受け取る買い物レシートにはGSTが明示されている】

さてスーパーマーケットやミニマート・コンビニで買い物すると、ほぼ全ての店で物品とサービス税(GST)が明示されたレシートを受け取ることになります。
幾つかの異なる企業に属する店舗でもらったレシートをよく比べて見ると、その印字フォーマットは同じではないがよく似ています。つまり物品とサービス税(GST)課税者の発行する買い物レシートは、税関庁が定めた一定の形式に準じていることだと理解される。

Intraasia がこれまで利用した店の中から、MYDIN のレシートを例に取り上げます。マレーシア国産企業である MYDINは大手のスーパーマーケット・ミニマートの1つであり、各地に店舗展開をしている。レシートをスキャンして画像化しました。



レシートに加えた数字の注書き
1.GST ID
物品とサービス税(GST)を課税しなければならない業者は全て税関庁に登録する義務がある。そこでその登録業者としての登録番号です。このID番号を印刷せずに GST を課すことは規則違反となる。

2. Rounding Adjustment
マレーシアはたいへんユニークな方式を採用しています。
マレーシアの通貨リンギット(RM)の補助単位はセント(マレーシア語では sen センという)であり、RM 1= 100 セント。一般市場でも、公共料金においても、計算上ではセントの単位までを用いる。

しかし実際に通貨を扱う段階では、セントの1桁数字をいわば四捨五入式に切り捨て、切り上げを行い、1セント硬貨の使用を省いている。既に1セント硬貨は流通していません。セントの1桁数字の規則:1と2は切り捨てて 0 にする。3と4は 5 に切り上げる。6と7は 5 に切り捨てる。8と9は 10 に切り上げる。
具体例: 買い物した品々の合計がRM 34.32 の場合、実際に払うお金はRM 34.30 となる。電気代のような公共料金の請求書の額が RM 54.14 の場合、実際に支払う金額は RM 54.15 となる。買い物した品々の合計額が RM 76.98 の場合、実際に支払うお金は RM 77.00 となる。

Rounding Adjustment の欄はレシート・領収書における切り捨て/切り上げしたセントの値を記している。この実例では 0.02 即ち2セントが切り上げられる値です。

3. Total After Rounding
切り捨て/切り上げした後の実際に支払う合計金額

4.GST Rate  
物品とサービス税(GST)の税率です。GSTが課される場合、その税率は6%です。

5. Amt Excl GST
Amount Excluding GST の省略形です。意味は GSTを含まない金額つまり課税前金額。

6. Tax
税金つまり物品とサービス税(GST)額のこと。

7. Z = 0%
物品とサービス税(GST)は税率6%と決まっているが、コメなどの生活必需品や生鮮食料品などは税率 0% の非課税扱いと定められている。分類上は免税ではなく税率 0% と分類されている。そのためこの項目が設けてあると推定される。

【別企業の買い物レシートの実例】

レシートの形式はどの小売業者であれよく似ている例として、ある全国的スーパーマーケットチェーンのレシートの画像も掲げておきます。



TOTAL SALES INCLUSIVE GST:  GST を含んだ合計購入額
MYDIN のレシートでは単に TOTAL となっているが、この企業の店舗ではGSTを含むと明記している。どちらのレシートも意味するところは同じです。

GST Sumary 欄ではGSTの明細が記されている。
”ここに注目”の部分 Z: GST 0%      3.58     0.00
物品とサービス税(GST)の税率が零%である品物の合計金額が RM 3.58ということを示している。当然 TAXは 0 となる。 購入した品物である、マンゴとトマトは税率 0% 品目に分類されているからです。

以上でおわかりのように、受け取る買い物レシートにおいて、印字形式は企業によって多少は異なるが基本的情報は必ず含まれている。当ブログの説明を頭に入れて何回かレシートをご覧になれば、レシート内容はすぐにわかるようになりますよ。




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