ココヨリトワニ

野球と文章書きに生きる男、空気王こと◆KuKioJYHKMのブログです。(人が死ぬ創作文があります、ご注意を)

同じだけど違う人、違うけど同じ人

2009-04-03 23:12:10 | 感想
今日は激動の展開を見せる「ツバサ」について語ってみたいと思います。
分析というか、状況の整理ですかね。
ネタバレ全開なので、途中までしか読んでない方、単行本派の方はご注意を。

この物語の主人公は「小狼」であり、ヒロインは「さくら」です。それは連載開始から現在に至るまで、揺るがない事実。
ところが小狼もさくらも、複数登場するというのが話をややこしくしているわけで。
作者ですらマガジンの目次コメントで「小狼が多くて、自分たちですら混乱しています」と書いているぐらいですから。
そこで、これまでに出てきた小狼とさくらを整理してみようと思います。
なお呼び名に関しては、便宜的に登場した順にアルファベットを当てていきます。

○小狼A
第1話から主人公を務めていた小狼。その正体は、飛王が小狼Bから作り出したコピー。
完成直前に小狼Bが自分の心を植え付けたため、性格はBに準拠する。
しかしBの覚醒により与えられた心が彼に戻ってしまったため、飛王の操り人形となってしまう。
主人公から強敵へとまさかのクラスチェンジを果たすが、実はわずかに心が残っており、飛王打倒のため自分の命を捨てる。

○小狼B
小狼CとさくらCの息子。侑子によって元いた世界から玖楼国へと旅立ち、そこでさくらBと出会う。
さくらBの命を救うために、時空を歪めるという禁忌を犯してしまう。
その後飛王に囚われ、何年もの時を水槽の中で過ごしていた。
物語中盤で覚醒し、小狼Aと入れ替わりで主人公となる。

○小狼C
小狼Bの父。侑子を介し、息子を玖楼国へ送る。その後己の肉体を子供に戻し、さくらCと共に謎の筒の中に封印されていた。

○さくらA
第1話からのヒロイン。玖楼国の王女。
その正体は、小狼Bが時空を歪めた反動で生まれたさくらBのコピー。
飛王の陰謀のために利用され、求められた役割を果たしたために消滅する。

○さくらB
真の玖楼国の王女。次元を超えてやってきた小狼Bと親しくなる。
飛王に死の刻印を刻まれ、その死を防ぐために小狼Bは時空を歪めてしまう。
死の刻印が発動する寸前の状態で、真の玖楼国ごと止まった時の中にいた。

○さくらC
小狼Cの妻であり、小狼Bの母。作中での行動は小狼Cに同じ。


とまあ、先週まではこんな感じだったわけです。
ところが今週、ややこしい話をさらにややこしくするかのように、もう一人のさくらが登場してしまったのです。

○さくらD
さくらCの夢の中で、彼女に「杖」を託す。

ええもう、度肝を抜かれましたよ。今まで自分……というか読者の多くは、小狼CとさくらCこそが「カードキャプターさくら」の二人の未来の姿だと思っていたのです。
しかしさくらDがCに託した杖は、紛れもなく「CCさくら」でさくらが使っていた杖。
そうなると、Dこそが「CCさくら」のさくらと同一人物である可能性が非常に高くなったわけです。
そもそもこの「ツバサ」という漫画は、過去のCLAMP作品のキャラが元の作品とは別の役柄で登場するという、一種のスターシステムを売りにしてスタートしました。
だから主人公小狼、ヒロインさくらという構図も、そのシステムの一環としか考えていなかったわけです。
ところがこの二人に限っては、単に同じ名前と顔のキャラではなく、元の作品のキャラと密接なつながりがあることが徐々に明かされていくわけです。
ひょっとしたら、スターシステム自体がこの事をカモフラージュするための隠れ蓑だったのかもしれません。
だとしたら、なんという遠大な計画だったのか……。

そもそも、小狼とさくらに関しては、読者(ひょっとしたら自分だけかもしれませんが)は常に予想を裏切られ続けてきました。
最初に水槽に入れられた小狼Bが登場した時、ほとんどの読者は彼のことを「飛王が作った小狼のコピー」と思ったはずです。
ところが実際には、小狼Aの方がBのコピーでした。
そしてBが本格参戦すると同時に、心を失ったAは仲間を半殺しにして去っていくというとんでもないサプライズをやってくれたのです。
ちなみに全くの余談ですが、自分はこの「主人公が敵キャラ化する」という展開を読んで「MADARA弐」のバサラを思い出しました。
余談は置いておいて、ここでもう一つのサプライズが仕掛けられます。
それは小狼Bが「CCさくらの小狼が使っていた魔法」を使用したことです。
これで読者は「この小狼は、CCさくらの小狼と同一人物なのか?」と考えてしまうわけです。
当時自分がのぞいていたファンサイトでも、掲示板で議論になってましたからね。
しかし「小狼Bの父親も小狼という名前であり、母親の名前はさくらである」という情報が出てきたことで今度は「Bの両親がCCさくらの二人で、魔法は父親から受け継いだのか」という考えが主流になります。
なのに、それをさらに裏切る今週の展開ですよ! もう、CLAMPはどれだけ読者の予想を裏切れば気が済むのかと。
むしろ、ここまで裏切る必要があるのかと。
本当、ここまでややこしい話になるとは連載開始当初は思ってもいませんでしたよ。
ピッフル国で誰が刺客なのか予想しつつ、毎週ドキドキしながら読んでいた頃が懐かしいぜ……。

というわけで、特にオチもありませんが今日の記事はここまでです。
とりあえず、わけがわからないまま完結という事態だけは起こらないように祈っておこう……。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする