誰も知らない。
双熾は凛々蝶の本当の性格や気持ちを誰も知らないんだ、って表現してたけど
でもよくよく考えてみればそんな双熾の気持ちも誰も知らない、誰にも伝わってないと思うので
お互い様って言えばお互い様なんですよね。
完璧超人に思えた双熾に関して言えば、完璧超人っていうよりはそうならないといけなかった
生きてく術がなかった、っていう方が本当は正しいんだ、って事が分かって
感情移入って観点から言えばようやく幅が広がった感じ
でもその過程で
器用にしたたかに他人に合わせる生き方を選んでしまった所為で大切な自分自身を失ってしまった
その分本来そこにあるべきだった自分自身やこだわりを失くしてしまった・・・って訳で
要するに1年間家に篭りっきりだとコンビニ店員とすら話せなくなる、って例のアレですね(違う? 笑)
いやでもそれが当たり前になってしまった、自尊心がないのに慣れてしまったっていうのは
人間としては致命的な欠陥だわな。
それを再び、そんな何かに対して感じる気持ちを呼び覚ましてくれたのが凛々蝶だった
彼にとっては人生を捧げる価値のある恩人だった、って話なんですね。
生まれてからずっと監禁生活を強いられてた彼にとって
ヒヨコの母親っていうか、初めて本心から会話出来た相手であって、だからこそ自分の自由を彼女に使う
それが自分の満足の為でもあるんだっていう。何気に凄く深くてシリアスなお話だったんですが
不思議と重いっていうよりは・・・
純粋だったのかな?双熾のピュアな気持ちばかりが画面からモノローグから溢れんばかりに伝わって来て
その醜さの中にある美しさって表現に対して見惚れてしまった11話でした。丁寧な作りだなあ。
やっぱりね、きれいなだけのものって何か味気ないんですよ。
汚い部分があるからきれいさが輝く
きれいな部分があるから汚さが印象に残る。
表裏一体っていうかそれは切っても切り離せないものだと思うから。
そういう観点から考えると今回のエピソードには本当に納得出来たといいますか
自分としてもちょっと遠くも感じてた双熾が近くなった
これでようやく2人とも裸ですね、っていう
ある種の記念碑的な回だったんじゃないかなあ・・・って個人的には感じますね。
何故双熾があそこまで凛々蝶にこだわるのか
何故そこまで知ってるのか
何故自分を出す事を頑なに拒むのか。そんないくつもの理由や行動理念が明かされて
その事実や過去も凛々蝶に受け入れてもらえて、本当の意味で対等になった感覚は以前より強く
これでやっとお茶会の準備が整いましたね、っていうか
無事に終われそうな気配は満々でね。
原作付きでここまできれいに着地するのも中々ないとは思うので、是非頑張ってファイナル決めて欲しいですね。
映像の美しさは勿論、双熾の心情も包み隠さずに伝わって来て本当に素晴らしい回だったと思います。
蜻蛉のキャラに関しても何気に良い奴っていうのが分かったしね(笑)。
憑き物がちょっと取れたみたいだった。
手紙の中で自分を曝け出してしまった、って事は
やっぱ恥ずかしい部分も含めって事で
どこかで嫌われたくない、完璧な自分で居たいって気持ちも少なからずあったのかなあ。
でも、人間は美しいだけの生き物じゃないですから汚点があった方がむしろ人間らしいんじゃないかと思う。
そんなピュアピュアだったのは双熾くんもだったんだね!って訳で
ますます物語の好感度上がるようなお話でしたね。傑作回。
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