超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 2巻/谷川ニコ

2012-05-22 22:38:11 | 漫画(新作)






谷川ニコ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」2巻読了。






これは相変わらずキッツイわあ・・・所謂ぼっち系の漫画なんですけど
2巻が終わっても誰かと繋がりが出来るどころか、夏休み丸々ぼっちの退屈な日々って顛末で
どっかの誰かと同じような道の誤り方してるから心情的に泣けて来て仕方がない。
同時にこの智子ってキャラは本当に自分の分身みたいで
確実にほっとけないな、っていうか・・・。
きっと分からない人には絶対に分からないけど、分かる人には分かり過ぎるくらい分かってしまう
そんな哀しくも愉快で、でもちょっぴり哀しさの方が後に残る、そんな漫画。
一言で形容するならば「闇のはがない」って感じですかね(笑)。ここまで悲惨だと、もう一つの芸術だと思う。


そんなぼっちデイズの中でもきーちゃんっていういとこの新キャラが出てくるんですが
この子が本当に天使のようないい子でねー。別にロリコンじゃないんだけど
きーちゃんの可愛さと天使レベルには降伏せざるを得ない
どの辺がっていうと
とにかく純粋で他人想いで、智子よりも何枚も上手なその人間の出来てる具合が素晴らしくって
おまけに最終的には智子の嘘も間抜けさも許して、ある程度悟った微笑を投げかけてくれるところとか・・・。
本人にしたら同情されてるって事実があるから微妙は微妙なんだろうけど
でも不思議とちょっと百合っぽい雰囲気/要素もあったりして
この子らの将来が色々な意味で楽しみだな、っていう。
実直に百合展開にしなかったのは、きっと智子が報われるって展開を完全にカットしようとしてるからなんだろうが
それでもきーちゃんの純粋無垢な優しさは最低限は保たれていたのが一つの救いではありますよね。
一度は幻滅しつつも、あまりにも他の人間よりも弱いって事実が浮き彫りになって
考え方を変えてくれたきーちゃん
でもそれってある意味智子が心からの悪じゃない
本当は自分にいいとこを見せたかったって本心も垣間見れたからで・・・
何だかんだいって酷い部分は目立つけど、智子って憎めないキャラでもあるんだなー、って
このエピソードを読んでたら実直にそう思えてしまいました。しかし土下座とそれを見られてたのには笑った。
あれって最高に間抜けだし、きーちゃんにとっても一種の恥でもある訳で・・・
しかしきーちゃんはきーちゃんで優しい性格だって分かったから
その点は読者にとってはプラスなんですよね。
だっていくらいとこの姉ちゃんとはいえ、あそこまで勇気出してつっこめるパワーって凄いと思う。
智子のダメダメっぷりに反してきーちゃんの行動できる女っぷりが際立ってたけど
そんなコントラストもまた滑稽で面白かったかな、と。
取り合えず、智子はこれからもきーちゃんを大切にしなきゃね!(笑)。またきーちゃん再登場希望です。


その他にも花火のお話と声優の握手会のお話が特に面白かった。
前者は最終的には誰かと一緒になれたんだけど、花火を見てるのは一人・・・っていう
誰かと一緒にいてもぼっちっていう悲しき定めが如実に現れていて(笑)。
なんか微妙に共感しつつも、笑いつつも、若干切なさが目立ってたお話でした。
 後者に関しては、まず最初から汗だくの姿の智子って時点で笑っちゃったんですけど
あえてその後の声優さんの姿を描かなかったのが智子に対する一つの優しさだよなあ、とも思った。
それまでが酷すぎたから、この話は実直に智子を良い気分にさせてあげたかったのかな、とか。
それにしてはやっぱり他人に「うわぁ・・・」って思われるIDもまた顕在だけど(笑)。
順調にあっちの世界に移行している智子のヤバさが可笑しかったお話でしたね。
その他にも番外編の父親のさりげない優しさの描写も良かった。
何だかんだいって父と母はいつまでも味方なんだよな。
それにしても他の身内がリア充って内容にはシンパシー感じ過ぎて若干寂しい気分になりますね(笑)。
いまではそんな感覚ですら麻痺して何も感じなくなっちゃったけど、
逆にこういうのを読んでると焦燥感が蘇るって言うのは何気に反面教師的な役割もあるな、と。
動物だけには好かれるとか、えさの為に懐かれるのとかもまたあるよねー。
ここまで古傷を抉ってくる作品も早々ないですが
そんな共通感覚こそがこの作品の最大のウリと楽しみなんだろうな、と改めて感じられた2巻目でした。
取り合えず、智子よ3巻でもまた頑張れっ!ここまで応援したい主人公もあんまいないッス。






後は、自分の席に大して面識のないクラスメイトが座ってて、話しかける勇気もないから
そのまま廊下とかでずっと過ごすのとかもまたよくあったよね!って
そういうネタで共感出来る人は是非読んだ方が良いと思う。そんな漫画です。





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