♪スノー・レディ 雪ちゃん♪
今年の冬は特に寒さが厳しい。
寒さが応えるのは年齢のせいばかりではなく、どうやら26年ぶりの大寒冬になるかもしれないという予報が出た。
一日のうちで暖房を止めている時間は4・5時間だけ。
灯油代のことを考えると頭が痛い。
長年こたつなしで冬を乗り切ってきたけれど、この冬の寒さにはお手上げだ。
忘れられていた省エネ温風パイプ『コタツホース』が久々の出番を得た。
太くて長い蛇腹のホースは部屋の美観を損なうことはなはだしいが、背に腹は替えられない。
リビングのテーブルに大きな布をかけて「にわかごたつ」に仕立てたら、足下からぽかぽかの春の陽気が立ち上がる。
気持ちがよくてついまどろみ、一日の大半を無為に過ごす......だからこたつは嫌なんだって!!
★ ★ ★
マダムHが亡くなって半年が過ぎた。
今でもうっかりマダムHの死を忘れていることがあって...
自分の身の回りで面白い事件が持ち上がったりすると
「マダムHに教えてあげなくっちゃ!」
真っ先に彼女の顔を思い浮かべることがあり、はたと我に返る自分が情けない。
来盛しているマダムHの姉上たちから「一緒にランチでもいかが?」とのお誘いの電話をいただいた。
姉上たちにとってもマダムHの死は早すぎるし辛すぎることである。
しかし自分の知らない妹のことをもっと知りたいと、盛岡に来ると私のことを思い出し誘ってくださる。
私にとってもマダムHにつながる姉上たちとのおしゃべりは嬉しくもあり心和む時間でもある。
忙しい時間を割いてこのような気遣いをしてくださることがありがたい。
マダムHは三姉妹。三人とも顔も個性も全然似ているところがなく実に面白い。
今回は母親の【テルさん】も一緒に愉快なひとときを過ごした。
テルさんは数え年で97歳になったそうだ。
何だかテルさんの歳のとり方が早いような気がするのだが...
「もうすぐ百です。」と嬉しそうに何度も仰っていたから、きっと百歳になることが大きな目標なのだろう。
いまだに手仕事が大好きで、目が疲れたり肩がこることもないというから羨ましい。
週に2回利用しているディサービスで、みんなのお世話をすることが生き甲斐だというスーパーおばあちゃん。
驚くほど元気でしっかりしている。
でも私のことをすっかり忘れていて「どちらさまでしたか?」と言われちょっとショックだった。
「次にお会いした時私はまた忘れています。その時はまた教えてくださいね。」
現実を素直に肯定した自己分析が出来るテルさんは素晴らしい。
マダムHが健在だったら、いっしょにテルさんからミニチュアの着物の作り方を教わることになっていたのに。
テルさんにはマダムHのぶんまで頑張って長生きしてほしい。