『秋田県・秋の宮温泉郷・稲住温泉』
秋田県の山道を走っていたら、緑濃き秘境の中にひっそりと佇む稲住温泉があった。
静かな景観、豊富な湯量。武者小路実篤などの文人たちにも親しまれていたという。
大浴場の扉を開けると、目の前に和室が...いや、浴室にびっしりと20枚の畳(畳風敷物?)が敷かれていて思わず歓声を上げた。
お風呂場が畳というのはとても落ち着く。ゴージャス&リラックスタイムを満喫してきた。
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急用ができて数日間横浜の娘の家に出かけてきた。
娘たち夫婦は昨年戸建ての住まいに引っ越した。
しまった! 彼らに大事なことを教えるのをすっかり忘れていた。
滞在三日目の朝早くのこと、玄関のチャイムが鳴って婿殿が出たら、隣家のマダムが緊張した面持ちで立っていた。
「お宅様の敷地の中の伸びた雑草、私が抜かせていただいてもよいでしょうか?
それともお宅様では(草を)可愛がって大事に育てていらっしゃるのでしょうか?」
言われてみて気がついたが、狭い敷地の囲いに沿ってドクダミが40センチほどに頭をそろえて群生している。
マダム隣家、我慢と怒りの度合いがついにMAXとなって警告を発しにやって来た模様。
自分の若い時を省みて断言する。「若者の辞書には草取りという言葉がない!」
戸建てに住むと、敷地内外の草取りのことでトラブルが発生することが多いから気をつけるようにと、厳重注意しておかなければならなかったのだ。
私は恥ずかしいやら申し訳ないやらでおろおろしていたが、彼らの若さは、マダム隣家の苦言を素直に受け入れることが出来たようだった。
「秋になったらどうせ枯れるのにね~♪」
などと言いながらドクダミ取りをしている姿はなにやらとても楽しそうだった。
そう言えば我が家の店子(娘と同い年)の場合
「木の枝が道路に飛び出していて危険だからなんとかしてくれ!」
ご近所さんからの通報で慌てて確認しに行ったことがある。
荒れているのは庭木だけではなかった。
玄関先の草までも5・60センチに伸びていて、人が住んでいるのに廃屋状態。
これでは毎日草をかき分けて家に入らなければならない。
このような異常事態ですら平気なのだから、地域社会の中でのルールとしての草取りの大切さ(北国では除雪も加わる)を、若者にはしっかりと教えていかなければならないのだ。
かく言うnihaoも昔、ある朝目覚めたらどこかのどなたかの仕業で、自宅前の草茫々の景色がきれいさっぱりになっていたという苦い経験がある。
無言で見せつけられるほうがショックは大きい。
「畑に草がたくさんはえてきました。さてどうしたらよいでしょう?」
...あらっ、またどうでもよい昔のことを突然思い出してしまった。
これは息子が小学校1年生の時の理科のテストの問題。答は三つの選択肢から選ぶ。
三択問題って普通、大正解とひっかけと、これは絶対違うだろうというサービス誤答例の三つのパターンで出来ているから、特別運と勘がよくなくても正解は出る。
この問題のサービス誤答例は
「土をかけて草を見えなくしてしまえばよい」
あはっ、いかにも「臭いものには蓋」の泥縄式の対応策で笑ってしまう。
いくら一年坊主でも、これを選ぶアホは絶対にいないだろう。
ましてや私の賢い坊やなら、これが根本的な問題解決にならないことは当然分かっているはずと思っていたら......あっ!
ああっ 以下省略。 ご想像にお任せだ