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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

ドン・ジョヴァンニ

2009-10-10 10:00:00 | Weblog




 オーストリアの名門、ウィーンの森バーデン劇場演ずるモーツァルトの名作『ドン・ジョヴァンニ』は、稀代の色事師の末路を描く快楽喜劇。
チケットは、夫から誕生日プレゼントとして貰った(...というか無理矢理買わせた)

 学業も観劇も予習が肝心!
数日前からネットで『ドン・ジョヴァンニ』のあらすじを調べて、しっかり頭に入れておいた。
さらに事前の準備も怠りなく、モーツァルトが一晩で書き上げたという序曲や、代表的なアリアをYouTube で何度も聴いて学習した。
耳に馴れた曲がいくつかあることは、初心者がオペラを楽しむためには大切な要素である。
3時間の上演に耐えるためには、体調をしっかり整えておくことも重要だ。

 それにしても昨日は朝から大変忙しかった。
庭に出て台風一過の後始末。落ち葉の量が半端ではなかった。
その上二日後に控えている姑の三回忌法要の準備のために、仏壇の掃除をしたり買い物に行ったり.......
ゆっくり休む暇もなく夕方になり、慌てて盛岡市民文化ホールに急いだ。

 お洒落に着飾った紳士淑女が集まってくるホールの入り口で、普段着に毛の生えたような控えめな服装で来た私は
「しまった!もっと頑張るべきだった!」と臍をかんだ。

 座席は前から12列目のど真ん中。
この位置は、左右にある翻訳と解説の電光掲示板を見るのには実に都合が悪く、めまぐるしく変わる掲示板を必死で読んでいると舞台の様子が全然目に入らない。
しかも翻訳文が、まるでエキサイト翻訳で訳したような珍妙な文章で意味が全然通じない。

 ......などと考えていたのも束の間、その後の記憶が私には全くない。
どうやら昼間の疲れで睡魔に魅入られてしまったらしい。
全体の八割以上を見落としてしまい、なんて馬鹿なことをしでかしてしまったかと後悔してももう遅い。
フィナーレで、私の両隣の席のご婦人たちが立ち上がって「ブラボー!」と叫んでいたが、私はただ恥ずかしくて消え入りたかった。
聴いていなかったのだから拍手するのも気がひけた。

 後の席に座っていた二人組のオヤジ...いや、紳士たちが
「エガッタなぁ!」「ンだ!感動したじゃ!」
と、もの凄く興奮していた。
紳士たちがそこまで言うのなら本当に素晴らしい公演だったのに違いない。
私は悄然とうなだれて帰途についた。