blog-cafe

マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

海だべがど.........

2009-08-27 09:00:00 | Weblog
 30日の投票日が勤務日となった夫。
ひとりで家にいるとつい億劫になって選挙権を行使しないことにもなりかねないので、夫につき合い、私もついでに期日前投票を済ませてきた。

 投票所で懐かしい友人の姿を見かけ、しばし立ち話。
同い年の友人だが、痩せて白髪が増えてめっきり老け込んでいた。
「ねえ、私と彼女とどっちの方が若く見える?」
と夫に訊ねたら.......
「馬鹿たれ!どっちもどっちだ。二人とも婆サンだ!」
と言われ、はたと目が覚めた。
オバサンと婆サン......第三者から見たら歴然としているこの違いも、本人が冷静に見極め納得することは難しい。
夫は正直者だ。よくぞ言ってくれた。ありがとう、バカ 

              ※
              ※
              ※

 例年この時期になると、葡萄の発送依頼のために大迫町の産直に出かけるのだが、お天気がよかったので種山高原の方に足を伸ばしてみた。
種山高原は奥州市・住田町・遠野市などにまたがる北上山地にある。
宮沢賢治がこよなく愛した地で、この地のイメージから『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』などの傑作が生まれた。
以前風の又三郎さんのブログで、種山高原にある風の又三郎像の写真を見て以来(あら、ややこしい?)、ぜひ一度この目で確かめてみたいと思っていた。


             


                  





 これは種山高原のリゾート施設『星座の森』の中にある。
なんとも清々しいブロンズ像で、又三郎少年の美しい姿はまるで童話の世界から抜け出してきたかのよう。いつまで眺めていても飽きない。
少年の視線は花巻の方角を向いている。
このままの姿で永遠に時を刻むはずの立像なのに、一瞬の儚さを感じさせるのはなぜだろう?
強風に乗ってマントが大きく翻り、今にも飛んでいなくなってしまいそうだ。

   海だべがど、おら、おもたれば
   やっぱり光る山だたぢゃい
   ホウ 髪毛(かみけ)風吹けば
   鹿(しし)踊りだぢゃい      
  
 山々が海のように見えたという賢治の詩『高原』を思い出した。
これは岩手に居住した当初真っ先に覚えた詩だが、方言の調子が面白くてイメージが全然湧いてこないままいつも口ずさんでいた。
眼下に広大な蒼い山並みを見下ろす種山高原......海だべがと思ったら山だべさ!
30年来の謎がやっと解けた。


             
                  ※今夜婆サンは渋谷に出没