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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

【近代くずし字】への誘い

2008-04-21 08:22:02 | Weblog
 私と夫は闇のビジネスの請負人だ。
今回のミッションは、この城下町のどこかに眠っている南部藩埋蔵金の行方を捜し当てること。
手がかりはたった1枚の古文書で、そこに書かれている内容を正確に把握し、埋蔵金に関わる暗号文を解毒...じゃあなかった解読しなくてはならない。
今回の主たる仕事人は夫で、私は優秀な助手として無給で任務についている。
しかしこれは重要機密案件なので、残念ながらこれ以上詳細を述べることは出来ないし、質問も受けつけない。
以下の文書をよく見ていただきたい。

                

 「これが古文書か?」と疑いを抱いた人もいるだろう。
 「私だって読める!」と思った人もいるだろう。
そうか、ばれたか.......。
厳密に言えば古文書とは、江戸時代以前の文書である。
これは明治・大正・昭和の初めの『近代くずし字』というものらしい。
私たちの祖父母の世代は、皆このような手紙をやりとりしていた筈だ。
しかし、これを完璧に読める奴が本当にいるか?
夫も私も読めないぞ!

 ということで、ただ今nihao家は『近代くずし字』にはまっています。
ある日夫が持ってきた1枚の古書を二人で読み下しているうちに、日本語なのに読めないというイライラ感の後に、やがて目が慣れ読める字が増え、パズルの謎を解いていくような面白さを発見したのです。

 しかし旧漢字・旧仮名遣い・漢文調ありの達筆なので正確に読むことは至難の業、書き手の個性や書き癖にも大いに悩まされてしまいます。
文章の前後関係から推測していくことも重要で、読み手の想像力や知性が問題解明の糸口になったり、より混迷を深めたりと全く予測がつきません。
私と夫の基礎学力は、二人でやっと半人前です。

 ある青年詩人の愛のエッセイを読んでいた時......
私は「大版のノートブック」というくずし字を「大股のノートブック」と読んでしまい、夫に馬鹿にされました。ちなみに大版という漢字は原文のままです。
夫の年齢は私よりもいくらか明治・大正に近いのに、口ほどたいしたことはありません。
ひらがなの「そ」のくずし字を、いつまでたっても「いろ」と読みます。
「ミレーの●△■◎」に悩んでいましたが、ミレーとくれば次に続くのは「風景」に決まっているではありませんか!
「おまえ(あんた)は、なんて馬鹿なんだ!」
と、本気で言い争いをしながらの『近代くずし字』の謎解明に、nihao家の春の夜は更けていきます。

                       

 最後に簡単な宿題を出してみましょう。
これは何と読むでしょう?.....私は読めませんでしたが.....