ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

ベルトのテンションは何故?

2005年12月01日 | ドライブ系
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ファイナルドライブベルトの調整には写真のようなSSTが用意されていて、10ポンド(約4.5kg)の荷重を掛けてのたわみを調整するとなっています。
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写真はロードキングです。
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クローズアップすると、ベルトガードにはご覧のように窓に目盛りまでついています。
調整の基準値は1人乗りで8mm前後、2人乗りは7mm前後と荷重により調整値は異なるのです。
コレについて考えた事はありますか?
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ハーレーは1G(静止)状態では大抵このようにA、B、Cがほとんど直線上にあります。
Aはドライブプーリー、Bはスイングアーム、Cはリアアクスルのそれぞれセンターです。
AとBの相関関係は不変ですが、CはBを中心に円弧を描くように動きます。
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サスが縮むとベルトは緩む!

荷重が掛かると通常はサスペンションの働きにより後輪は車体に対して上方向に動きますが、そうすると図のようにL1はL2のように距離が短くなってしまうのですね。こうなると当然ベルトは緩みます。

ベルトが緩むと?

「チェーンの伸び」の項で説明したようにチェーンでは数枚の歯でも駆動を伝える事ができますが、ベルトでは滑って空転してしまいます。

結論
荷重が大きくなると、当然サスペンションのストローク量は大きくなり、それによりベルトの緩みも大きくなるので、2人乗車の場合はきつく張るように指示されているのが分ります。

*番外偏
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ハーレーでは車高を変えるのはほとんど低くするでしょうけれど、その場合はもちろんベルトの調整が必要です。
車高を高くした場合はどうでしょう?
国産車のチェーンドライブの場合では、上の図のようにABの延長線の下にアクスルセンターがあります。これを下反角がついているといいますが(これには意味がありますけれど説明はまた後ほどに)、スイングアームを使ったサスペンションで車高を上げると程度にもよりますがこういう状況になりますので、ベルトドライブでやってはいけません。
つまり、L2が短くなった状態でベルトにテンションを掛け、サスがストロークして下反角が0になると(あるいはその手前で)テンションが過大になりベルトが切れてしまう恐れが多分にあるのです。
これは単なる脅かしではなく、現在のビューエルにはベルトテンショナーがついていますが、何世代か前のビューエルがかなりスポーティーになった始めの頃、長いリアサスをつけてベルトを切ったトラブルが多発したのです。
どうしても車高を上げたい場合はチェーンが必須です。



チェーン②

2005年12月01日 | ドライブ系
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チェーンの伸びはピンの磨耗によるということは解明しましたが(まあ遥か昔からOリングチェーンの出現により解決されていますがネ)スポーツスターユーザーにとっては幅の関係で恩恵に授かっていないのですね。
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手元にあるチェーンの幅を測定してみました。
左は安物のチェーンで、恐らく初期スポ-ツスター標準装備のダイアモンドチェーンと同等と思われます。
右はRKの中級のOリングチェーンです。
モッタイブッているようですが、中央のチェーンは?
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カットしてみましょう。
使用している工具はイギリスはレイノルズのチェーンカッターです。
コピー品が昔日本製でもあったような気がしますが、カシメジョイントが普及してからは見かけません。
カッターという単機能だけに非常に使いやすいですヨ。
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この通り極薄のシールが入っています。
このチェーンは今年の始めあたりにリリースされているもので、ご存知のかたもいるかもしれませんが某ショップがオリジナル商品として売っているものと多分同じものですけれど、価格は18000円くらいです。
残念ながらスポーツスターに使えるかどうかは検証していません。
今現在商品在庫がありませんが、入荷しだい紹介させていただきます。