機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

LDL/アポEとアルツハイマー病の関係が明らかにされる

2016-07-24 06:06:35 | 
Three Alzheimer's genetic risk factors linked to immune cell dysfunction

July 20, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/07/160720122834.htm


(共焦点顕微鏡confocal microscopeによる画像
細胞は緑色で、それらの細胞に取り込まれたリポタンパク質は赤色で示されている
TREM2の野生型(WT)の細胞と比べて、TREM2の変異体mutantであるY38C、R47H、R62Hを持つ細胞はリポタンパク質をそれほど取り込んでいない

Credit: Felix Yeh, PhD, et al.)

TREM2に特定の変異を持つ人はアルツハイマー病を発症するリスクが高い
しかし、研究者たちはその理由を理解し始めたばかりである

Genentech社の研究によって、ある免疫細胞がどのようにして凝集したアミロイドベータの除去を助けるのかについての詳細が明らかにされた
アミロイドベータは互いに凝集し、アルツハイマー病の特徴であるプラークを形成する可能性がある


7月28日Neuron誌での彼らの報告によると、TREM2の変異は免疫細胞のプラークを除去する活性を狂わせるのだというderail
これは既にアルツハイマー病のリスクを増すことが知られている2つの遺伝子、APOEならびにAPOJ(クラステリン/clusterin)と同様である

※クラステリン/clusterin: アポリポタンパク質J(APOJ)。ヘテロ二量体の分泌型糖タンパク質。脂質輸送だけでなく、アポトーシスなど多くの生理的過程に関わる

「私はTREM2がやっていることのほんの一部に触れたに過ぎないと考えている」
論文の首席著者senior authorであり、ジェネンテック社/Genentechの神経科学で副部長Vice-PresidentのMorgan Shengは言う


健康な人の脳ではミクログリアという免疫細胞が脳内をパトロールしていて、潜在的な脅威を取り囲んで飲み込んでいる

5月に発表された研究では、TREM2遺伝子に変異を持つマウスのミクログリアはアミロイドの沈着amyloid depositsをうまく取り囲むことができないことが判明した (DOI: 10.1016/j.neuron.2016.05.003). (※)

http://dx.doi.org/10.1016/j.neuron.2016.05.003
"TREM2 Haplodeficiency in Mice and Humans Impairs the Microglia Barrier Function Leading to Decreased Amyloid Compaction and Severe Axonal Dystrophy"

TREM2遺伝子はミクログリア細胞表面の受容体タンパク質をコードし、特定の分子がTREM2に結合するとミクログリアの活性を刺激できることが既に知られている

今回のShengたちの研究ではバイアスのないマイクロアレイによる タンパク質のスクリーニングを実施し、
1,559の細胞外タンパク質の内どれがTREM2に結合して相互作用する可能性があるのかを調査した

分析の結果、リポタンパク質の中でも特にLDL (low density lipoprotein) とアポリポタンパク質のAPOEとAPOJがTREM2に結合することが明らかになった
APOEとAPOJはどちらもアルツハイマー病のリスク因子である

「リポタンパク質は血液中に存在し、その目的はコレステロールや脂質を細胞から細胞へと運ぶことだ
そしてよく知られるように過剰なLDLは高コレステロールや、心血管疾患のリスク上昇と関連する」
Shengは言う

「リポタンパク質は脳内にも存在するが、その脳での役割についてはほとんど理解されていなかった」

マウスから精製purifiedした細胞を使ってミクログリアが様々な状況でどのようにしてアミロイドベータの凝集物に対して反応するのかを調べた結果、
LDLとAPOJが存在するとミクログリアのアミロイドベータを飲み込む効率はさらに上昇し、
その理由はリポタンパク質がアミロイドベータ凝集物と複合体を形成するためであることが明らかになった
そしてミクログリアによるリポタンパク質-アミロイドベータ複合体の取り込みは、TREM2に依存していた

「遊離した裸のアミロイドベータ凝集物よりも、リポタンパク質複合体と結合した方がはるかに効率的に飲み込まれるというのは驚きだった」
Shengは言う


別の実験で彼らはボランティアからの血液サンプルを集め、
TREM2遺伝子の多様体variantsが細胞によるリポタンパク質-アミロイドベータの扱い方をどのように変えるのかテストした
ボランティアの脳内からミクログリアは得られなかったので、研究者たちはマクロファージの細胞表面にあるTREM2について調べた
マクロファージはミクログリアと似た免疫細胞で、血液中から取り出すことが可能である

実験の結果、アルツハイマー病と関連するTREM2の多様体variantを持つ人のマクロファージは、リポタンパク質-アミロイドベータ複合体を飲み込む能力が低いことが明らかになった
さらに、この能力低下にはTREM2遺伝子の多様体のコピーが(2つではなく)1つだけで十分だということも判明した


「全体的に見て、これらの研究結果は、アルツハイマー病の病理発生においてミクログリアが重要な役割を演じるという方向性をさらに指し示すものだ」
Shengは言う

Shengは、TREM2のリポタンパク質-アミロイドベータを除去する作用が今回のような培養皿での実験を越えて将来の研究で確認されることを望んでいる


http://dx.doi.org/10.1016/j.neuron.2016.06.015
TREM2 Binds to Apolipoproteins, Including APOE and CLU/APOJ, and Thereby Facilitates Uptake of Amyloid-Beta by Microglia.
TREM2はAPOEとCLU/APOJを含めたアポリポタンパク質に結合し、それによってミクログリアによるアミロイドベータの取り込みを促進する


Video Abstract
http://www.cell.com/cms/attachment/2062189975/2063774068/mmc4.mp4



関連サイト
http://dx.doi.org/10.1016/j.neuron.2016.05.003
Haplodeficiency in Mice and Humans Impairs the Microglia Barrier Function Leading to Decreased Amyloid Compaction and Severe Axonal Dystrophy
マウスとヒトにおいてTREM2ハプロ不全はミクログリアのバリア機能を損ない、アミロイド圧縮の減少ならびに重度の軸索萎縮につながる



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/7c164e3a90679c635d0d2d5aaf92717a
ミクログリアは放出された脂質をTREM2によって感知してAβの周りに集まる



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/b17271081045552783a35515421b8015
脳内のコレステロール排出が認知症に重要



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/adac22c976bba78be3239de9833a3cbf
アポE4は転写因子として働き、その標的はサーチュイン、加齢、インスリン抵抗性、炎症と酸化によるダメージ、アミロイドプラークの蓄積、タウのもつれと関連する遺伝子である
 

最新の画像もっと見る