骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

釜寺を骨で聴く

2013-01-17 12:11:31 | 骨で聴く巡礼旅

 大雪が降ったあとの東京は、なかなか雪が消えることがなく、いつもの風景が少しだけ異なって見えます。
 米軍採用の骨伝導特許保有メーカーであるテムコジャパンの周辺も、雪に覆われた光景があちこちに残っています。そんなテムコジャパンのお膝元である杉並区の方南町にある「釜寺」へ骨伝導ヘッドセットとともに参拝に行きます。

 釜寺というのはバス停の名にもなっていますが、正式名称ではなく本当は念仏山東運寺といいます。
 歴史のある寺院で、天正元年(1573年)に備前の僧一安上人が奉じていた安寿と厨子王の守り本尊「身代わり地蔵尊」を安置し、当初は念仏堂としてはじまりまったという歴史があります。寺院としては、大正11年に下谷入谷町にあった東運寺と合併し、念仏山東運寺となりました。下谷入谷町にあった東運寺は、慶安4年(1651年)に茂山上人開山した寺院です。


 
 寺院発祥の元となった「身身代わり地蔵尊」は、山椒太夫に釜ゆでにされそうになった厨子王を、お坊さんの姿になって助けたという伝説になっていて、それにちなんで本堂の屋根に釜を置いたといわれます。釜寺といわれる所以です。釜は昭和20年の戦災で本堂焼失した後、この地域の信者が寄進したもので、米一俵を炊くことができるといいます。

 釜伝説の時期ですが、天正元年(1573年)説が有力で、「新編武蔵」和田村念仏堂の項は、正保元年(1644年)開創となっています。

 最先端の骨伝導技術を有するメーカーのすぐ近くに雪に覆われた釜伝説の寺院があるのは、何とも興味深いものです。住宅街の中に目にする山門も、田村右京太夫江戸屋敷の脇門であったのが、そのゆかりの人々の冥福を祈って寄進保存されたというもので、このそれだけでも由緒あるものであるのが分かります。また、中国山東省の孔子家より頂いた銘木「楷樹」が数株植えてあるのも珍しく、最先端技術の骨伝導と実は由緒ある住宅街の寺院を対比させるのが一番です。

          ⇒ 最先端特許技術の骨伝導製品

 骨伝導特許保有メーカーを見学する機会があれば、この釜寺までぜひ足を伸ばして頂きたいお勧め寺院です。


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