骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

釜寺東遺跡を骨で聴く

2013-01-18 17:30:09 | 骨で聴く癒しの世界

 世界的な骨伝導の特許を保有するメーカー「テムコジャパン」のお膝元、杉並区方南町にある念仏山東運寺、通称「釜寺」から、道路を挟んだすぐ隣の公園へと向かいました。「方南二丁目公園」です。

 この公園の入口近くに公衆トイレがあり、すぐ脇に「釜寺東遺跡」の石標があります。説明板が立っていますが、公園内には特に展示物や、遺跡関連の設備は全く見当たりません。

 以前に縄文・弥生の大規模な集落跡である「方南峰遺跡」を取り上げたことがありますが、場所的には確かに近い位置で、「釜寺東遺跡」は東京都指定史跡に古墳時代の集落跡だそうです。

   ※ 釜寺を骨で聴く
   ※ 方南峯遺跡を骨で聴く

 調べてみると、この移籍は縄文時代後期(約2500年前)、古墳時代後期(約1400年前)の複合遺跡のようで、昭和54年(1979年)度の発掘調査で、台地上に6軒、台地下に3軒の住居址が発見されたようです。
 この場所は、一帯が善福寺川と神田川が合流する地点に近く、それによって形成された約10万平方メートルにもおよぶ舌状台地です。



 古来より「峯台地」と呼ばれた地域で、先土器時代(約25000年前)から人々が生活していたようです。二つの川の合流によってもたらされた利便な環境が、現在では遺跡として残っているのも歴史のロマンを感じさせます。

 また、この釜寺東遺跡からは、住居跡のほかに土師器と呼ばれる古墳時代の土器や首飾りに使われた玉、縄文時代後期の祭り事に使われた石棒が発見されているようです。

 米軍で採用された特許技術の骨伝導機器ですが、それを生み出したメーカーのある街に、ここまでの歴史が眠っていることが何ともうれしくなります。最先端技術を生み出す大地には、古来より環境の整った人々の住居があったのです。

   ※ 最先端特許技術の骨伝導製品


 骨伝導機器は難聴の方だけでなく、騒音対策としても確かな実績を誇っています。しかし、住宅街のひっそりとした「癒し空間」でもその価値が見出せます。ましてその特許保有メーカーのお膝元にある遺跡なら尚更です。


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